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なぜ強い!? 『タイトリスト・ボーケイ』ウェッジを有力専門店が分析

2015/08/14 13:00


世界ツアーでの使用率の高さと普遍性を持つ形状が生み出す信頼感

ウェッジはプロ・アマを問わず、スコアメイクのカギを握る最も大切なクラブの1つだ。そのウェッジの重要性については、各クラブメーカーの力の入れ方にも反映され、バンカー専用や転がしへ特化したチッパータイプなど多種多様な製品が市場へ投入されている。まさに、群雄割拠――。国内では「ウェッジ戦国時代」と呼ぶにふさわしい激戦が繰り広げられている。

この状況はウェッジを購入するゴルファーにとって、豊富な選択肢があるという点で大きなメリットになるだろう。実際、「幅広ソールでバンカーに特化した、いわゆる“お助けウェッジ”はある一定のニーズはあります」とは、ヴィクトリアゴルフ新宿店の田中里志マネージャーの話だ。ただ、これには注釈が必要で「こういったタイプはゴルフを始めて間もない人達の一時的な悩みは解消しますが、そこからステップアップしていくには、やはりどんなコース・状況にも対応できるオーソドックスなタイプを使うべきですし、当店でもお客様へそういった説明の仕方をしています」という。

一口にバンカーショットといっても、その深さ、そしてピンまでの距離の長短はあるし、ラフだって長さや芝の種類が異なる。臨機応変に対応するには、特化したモデルよりもオールマイティに使いこなせた方がいい。これは、ゴルフのキャリアが長くなれば分かってくることかもしれない。では、ゴルフを知るキャリアゴルファーは今、何を望んでいるのだろうか。

「『タイトリスト・ボーケイ』が群を抜いている印象で、ここ何年も売れ行きはトップ。間違いなくウェッジの王者でしょう」と有賀園ゴルフ新横浜店の島田大輔店長は語り、次のように続ける。

「人気の理由はいくつかありますが、まずはブランドイメージがいいことですね。世界のツアーで使用率NO.1をずっと続けている事実は他のメーカーにはないもので、それが製品への信頼感につながっています。10人に聞いて10人が“いいよ”というクラブはあまりないのですが、『ボーケイ』は全員がいいという。これはかなり希少性がありますね。あと、どんな時代になっても“変わらない強さ”ですね。スピン性能やソールの抜けやすさといった機能性は進化していますが、見た目の印象やヘッドの重みを感じながら打てる点など、ブランドを象徴するアイコン的な部分には普遍性を持たせている。これは、すごく大切なことです。なぜなら、昔のモデルとのつながりがあれば今のモデルにも換えやすいじゃないですか。特に、ほどよい重さがある『ボーケイ』でスイングを作った人は、この重みがないとスイングが変わってしまうリスクがあります。そのことをきちんとお客様へ説明すれば、納得してニューモデルへ買い換えてくれます」

よくレッスン書に、“ヘッドの重みを感じてスイングしなさい”と書かれている。具体的に解説すれば、ヘッドの重みを活かせば正しくコックができ、その結果として適正なスピードと軌道を確保しながらボールを正しくヒットできるというわけだ。そのゴルフスイングの普遍的な部分も考慮したモノ作りの姿勢もショップが『ボーケイ』を大切な顧客へ推奨する大きな要素となっている。

ウェッジ専門ブランドならではの製品力に加えて、販売を後押しするのが、ツアープロからのフィードバックによる豊富なロフト・バウンス・グラインド(ソール形状)展開、そして日本オリジナルの軟鉄鍛造モデル(『コールドフォージド』)の存在があるというのが有力専門店の一致した意見だ。

「ウェッジ専門で世界のトッププロからフィードバックを得られるからなのでしょう。ロフトとソールのバリエーションが豊富ですね。例えば、『SM5』のロフトは9種類でバウンスは5種類(56・58度が3種類、60度が2種類)、『コールドフォージド』のロフトは7種類でバウンスは2種類(56・58度)もあります。世界のトッププロは様々な状況下でのプレーが強いられるので、それが豊富なバリエーションにつながっているのでしょう」(ヴィクトリアの田中マネージャー)

世界のトッププロ1人ひとりのニーズに応えることでプレーヤーとの信頼を培い、それが世界ツアーでの使用率(USPGAツアー:1位=38%、2位メーカー=14%、JGTO:1位=35%、2位メーカー=17%、ともに2015年7月下旬現在)につながっている。あらゆる状況に合わせるラインアップこそ、それぞれのゴルファーが最適なウェッジを選択できる唯一の方法というのが、ボブ・ボーケイ氏の設計理念という。

だが、これだけのバリエーションがあっては、ショップもエンドユーザーも悩んでしまうのではないだろうか。

「そんなことはありません。ウェッジは通常のフルショットとは違い、様々な場面で距離を打ち分けなくてはいけないクラブですし、目的がピンに寄せることですからスピンの掛け方も様々。それに開きやすいなどといった顔の趣向性も入ってきますので、多種多様なバリエーションは必要です」と、ヴィクトリアの田中マネージャーは説明。さらに具体的な内容まで触れる。

「『ボーケイ』にはグローバルモデルの『SM5』と日本オリジナルの『コールドフォージド』があります。前者はヘッド全体の輪郭が丸みを帯びており、リーディングエッジが湾曲している、通称出っ歯と呼ばれるもので、フェースを開いたり閉じたりしやすい操作性が特徴です。そして後者は日本人が好む鍛造ならではのフィーリングでヘッドの輪郭がはっきり見えやすい。日本のややボールが浮く芝質でもしっかりボールをつかまえられるのがメリットです。こういった点をお客様のニーズに合わせて提案できるのは、ショップにとっても売りやすいですよ」

日本人特有のこだわりを満たすには欠かせないバリエーションというが、バウンスやグラインドといったソール形状はどうなのだろう。ちなみに、『ボーケイ』は、(1)バンカーで開かなくてもバウンス効果が使える『Fグラインド』、(2)開かなくてもバウンス効果が最大限に活用できる『Sグラインド』、(3)バウンス効果を必要に応じてコントロールできる『Mグラインド』、(4)開いても、バウンスの増大が非常に少ない『Tグラインド』、(5)入射角度の許容性が大きく、適度なバウンス効果が得られる『Kグラインド』と5種類のソール形状を提案している。

「これはショップにとっては、お客様への薦め方がシンプルになる要素です。と言うのも、お客様のニーズやウェッジショットの悩みをチェックして、その点が改善されるソール形状を推奨すればいいわけですからね。例えば『Mグラインド』は、いろんな開き方をしてもソールが極端に地面に当たらないようにデザインしているので、ヘッドの抜けがすごくいい。オールマイティな打ち方を好む人に薦められるタイプです。ゴルファーはミスショットを自分の腕のせいにしがちですが、そうではなく、向かない場面で違う打ち方をしてしまっているケースがほとんどです。だから、こういった場面ではこういうタイプを使った方がいいと説明すれば、納得してくれます。そのためには様々なソール形状があった方がいいですよ」(有賀園の島田店長)

また、ヴィクトリアの田中マネージャーも異口同音にラインアップの重要性を語る。

「バンカーショットが上手く打てない人には、ソールが使いやすい幅広タイプを薦めますが、極端に幅広だと砂が少ないケースではソールが跳ねてトップすることが多いんです。しかし『ボーケイ』の『Kグラインド』は適度な幅広タイプでいろんな砂の状況へ対応できるという点をお客様に伝えています。また、バンカー用でもロフトのバリエーションが多いので、バンカーからの距離の悩みによってロフトタイプを推奨できるのもお客様の多様な悩みを解決する要素の1つです。こういった細かい部分を商品化につなげているのは『ボーケイ』ならではでしょう。世界のトッププロのニーズを吸収してマーケットへ上手く落とし込んでいるという印象は強いですね」

やはりウェッジには豊富なバリエーションが必要ということが、販売最前線で活躍するショップ関係者の意見でも明らかになった。また、今回の取材の大きな収穫として挙げられるのが、その基本性能やバリエーションを考えれば、プロモデルだからといって上級者やアスリート志向のゴルファーだけが使うのは実にもったいないということだ。

「ただ、アスリートモデル=難しいというステレオタイプは少しずつ無くなりつつあります。やはり、実際に現場で『ボーケイ』を使えばやさしいということを実感してくれるお客様は増えています」(ヴィクトリアの田中マネージャー)

「私もそう思いますね。無論、店頭での推奨がお客様に伝わり、それが口コミで広がっているわけですが、先日も男女のお客様が来店されて男性が女性のウェッジ選びをサポート、しきりに『ボーケイ』を薦めていました。軽量スチールシャフトが装着されているモデルもあるので、男性も女性へ薦めやすかったのでしょうね。こういった姿を見るにつけ、『ボーケイ』のユーザー層が確実に広がっていることが実感できます」(有賀園の島田店長)

世界の、そして日本のツアープロが愛用する理由が、ゴルフの腕前や志向といった垣根を越えてあらゆるゴルファーへ伝わり始めている。

【取材協力】
有賀園ゴルフ新横浜店 〒222-0035 神奈川県横浜市港北区鳥山町523-3
TEL 045-478-1515
ヴィクトリアゴルフ新宿店 〒160-0022 東京都新宿区新宿4-1-10
TEL 03-3352-5281

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