感涙の宮里藍「プロとして、兄として尊敬します」
300ヤードスプーンには続きがあった
2013年11月某日――。"300ヤードスプーン"で話題を呼んだキャロウェイゴルフ『X HOT』の開発者、ルーク・ウィリアムズ氏が緊急来日した。目的は、「300ヤードスプーンの第2弾が遂に完成しました。そこで日本の皆さんに実力を証明するために太平洋を越えてきました」と鼻息が荒い。
デモンストレーションの場所に選ばれたのは某ゴルフ場。肌寒くなった晩秋というのに、ウィリアムズ氏は半袖姿だ。その手には、今まで見たことのないスプーンが握られている。何やらこの光景、以前にも見た記憶が...。そう、今年大ブレイクした『X HOT』の発表会での一コマだ。ウィリアムズ氏は、"300ヤードスプーン"の生みの親であり、304ヤードをカッ飛ばした張本人でもある。
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「それにしても、300ヤードを超えた前作よりも飛ぶスプーンを本当に作れるのか?」
このデモに立ち会った関係者からは疑問と興味の声が聞こえる。
それもそのはず。なぜなら前作が、限界ギリギリに挑戦したモデルと思っていたからだ。
前作の『X HOT』はスプーンではプロでも常識外の飛距離で、300ヤード以上を飛ばせることを証明した。具体的なデザインコンセプトは、●低・浅重心化を促進し最適スピンを実現したという「アンダーカットインナーウェイト」の搭載、●フェアウェイウッドでドライバー並みの飛距離を生み出すという「フォージドカップフェース」構造による反発力のアップなど、新規性能をふんだんに盛り込んだのだ。
斬新なアイデアとパフォーマンスは、キャロウェイの開発力の集大成と呼ぶに相応しいものだった。あのフィル・ミケルソンが、「フランケンウッド(怪物のようなスプーン)」と名づけるほどの飛距離――。もう、これ以上は望めないと思うのも無理はない。
現に、本誌が取材した際、同社マーケティングディレクターの倉島隆夫氏も、「やさしく飛ばせる究極のフェアウェイウッドです!」という表現が目立っていたと思ったが...。キャロウェイは水面下で"限界越えに挑戦"していたのだ。
そして、ウィリアムズ氏の挑戦――。一同が、固唾を呑んで見守る。
テイク1 299ヤード
テイク2 304ヤード