SRIが米シニアに本腰
SRIスポーツが米市場シェアアップに向けて、プロ契約を加速させている。同社は先頃、現役バリバリで昨年の全米オープン覇者のグレイム・マクダウェル選手と契約したばかりだが、間髪入れずに往年の名プレーヤー2名との契約を発表した。それがベン・クレンショーとピーター・ジェイコブセンだ。
クレンショーは当サイトのワールドトピックスでもすでに取り上げたとおり、クリーブランドゴルフのクラブとスリクソンのボールを今季から使用するが、パターの名手として知られていることから、ネバーコンプロマイズパターのデザインコンサルタントも契約内容に盛り込まれている。クレンショーの手によってどんなパターが登場するのか、今後が楽しみだ。
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一方、ジェイコブセンはスリクソン製品の使用契約となるが、ブランドのスポークスマンとして格好の広告塔になると見られている。PGAツアー7勝という実績もさることながら、明るいキャラクターでテレビ番組の司会やトーナメントの解説者としてメディアへの露出も多い。メディアを通じて、「今度のニューZ-STARはいいよ」なんていえば、トップダウンでマーケットへの浸透も図れるだろう。
プロ契約といえば、現役の大物選手ばかりが話題になるが、ピークを過ぎたプロを上手く使えば、大きな宣伝効果が見込める。というのも、米国のゴルフ人口に占めるシニアの構成比は高く、こういった人たちは同世代のプロからの影響を強く受ける。「クレンショーが使っている、ジェイコブセンが飛距離を伸ばした」といった口コミ効果が製品の販売を後押しするのだ。シニアマーケティングで成功した過去の例としては、キャロウェイやアダムスが挙げられるだろう。
米国には、親近感のあるブランドという意味で、"ユーザーフレンドリー"という言葉があるが、シニアプレーヤーとの契約は正にこれ。日本では若手ばかりに脚光が浴びるが、市場構成比は米国同様、シニア中心。米国のようにシニアプレーヤーを上手く使うことをもっと考えた方がいいかもしれない。