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出遅れた日本ブランド

シンガポールのゴルフメディア、アジアパシフィックゴルフグループは10月18~20日の3日間、タイ・バンコクのセントラワールドコンベンションで「アジアパシフィックゴルフサミット」を開催した。

今年で4回目を迎えた同サミットでは、アジアゴルフ界の将来を語り合うパネルディスカッション、最新のゴルフコースデザインやコーチングメソッドなどが紹介された。コースデザインを手がけるロバート・トレント・ジョーンズIIやグレッグ・ノーマンアニカ・ソレンスタムゲーリー・プレーヤーも出席するなど、終始、華やかなムードで会が進行された。

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また、開催国であるタイや東南アジア諸国のゴルフ場オーナーやデベロッパーにコースデザイン会社を紹介するビジネスの場としても活用される。米国から参加したあるコースデザイン会社の幹部も「ビジネスに役立つ多くの情報が入手できた」と手ごたえを感じたとのこと。

一方、アジアゴルフ界のリーダーを自認する日本からの参加はごく少数。アジアでビジネスチャンスを掴もうと参加したさる日本人ゴルフ場デザイナーは、「欧米の企業とアジアの地元企業がガッチリ組んでいて、なかなか入り込む余地が見出せなかった」という。同じアジアでありながら、先んじて乗り込んだ欧米企業の牙城を崩せないのが現状である。

日本企業の出遅れは、ゴルフ用品市場も同様だ。欧米メーカーはタイの将来性を早期から予測し、現地法人を設立してブランドプロモーションを積極的に展開。ゴルファーへのブランド認知度を向上させている。それに加えて、価格競争力も強く日本ブランドはその後塵を拝しているのが現状だ。

ただ、突破口はあるという。現地で日本ブランドの販売代理店を務めるさる日本人業者は、「一般的に日本製品の方がタイ人には合っているという認識があり、手に取る機会があれば購入頻度は増やせます。地道な活動ではありますが、現状はこのやり方を押し通すしかありません」と語る。ボリュームで勝負する欧米ブランドの隙間をつくニッチな展開といえなくもないが、ブランドファンをピンポイントで増やす効果的な手法ともいう。

タイのゴルフ市場は年率二桁成長を続けてきたが、リーマンショックや政情不安などもあり、今年は5%程度の成長に留まるという。それでも低迷する欧米や日本に比べれば、将来的に大きな可能性を秘めるマーケットだ。出遅れた印象が強い日本のゴルフ関連企業が、タイを中心とした東南アジア市場へどう向き合っていくべきか、現地の声へ真剣に耳を傾けるべき時期が来たといえるだろう。



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