恐怖の109ydパー3 僕もペブルビーチで打ってみた【進藤大典の解説】
2019年 全米オープン
期間:06/13〜06/16 場所:ペブルビーチGL(カリフォルニア州)
“プロアマ”とは違うペブルビーチの姿 2月を知る男たちの反応は
◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前情報(12日)◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)◇7075yd(パー71)
9年ぶりに「全米オープン」を開催するペブルビーチGLでは、毎年2月に米ツアー「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」を開催している。ビッグネームの多くに同大会への出場経験がある一方で、今回のメジャーのコースセッティングはツアー競技とは異なるという見方が多い。
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「AT&T―」は各選手が予選ラウンドで近隣のスパイグラスヒルGC、モントレーペニンシュラCCを含む3コースを回り、最終日にペブルビーチに戻って18ホールの決勝ラウンドを実施。プロは個人戦の4日間72ホール競技と、連日アマチュアとコンビを組む団体戦を同時進行する。そのため、アマチュアレベルにも合わせたセッティングにする必要がある。
明らかにされている数値面でいうと、まず“普段は”パー5の2番が2000年、2010年大会と同様パー4のメジャー設定になった。484ydだった9番はティエリアを新設し、526ydに伸びた。今年2月に平均スコア「4.237」だったパー4はさらに難度を上げそうだ。
コース全体のセッティングも違う。2月の「AT&T―」よりも絞られたフェアウェイの18ホール総面積は約27エーカーから21エーカーと、約77.8%になった。ラフの長さは2インチ(5.08㎝)から、最長5インチ(12.7㎝)にアップ。ターゲットになるグリーンの刈り高は0.125インチ(3.175mm)だったのが、0.11インチ(2.794㎜)まで短くカット。グリーンの速さを示すスティンプメーターは10.5から12にスピードアップさせた。ただし、全米ゴルフ協会(USGA)は予想以上に晴天が続き、さらにグリーンが硬くなった場合、試合中に水分量を上げる措置(シリンジング)をとる可能性を示唆している。
「2月はアマチュアとプレーするからグリーンはすごく軟らかい。だから僕らもアグレッシブにプレーできるんだ」というのはジェイソン・デイ(オーストラリア)。それゆえ今週は「正直言って、まったく違うコースだね。グリーンが速くて硬い」という別の印象を持った。2017年のツアー競技を制したジョーダン・スピースも「慣れている2月のゴルフコースとは大きく異なる。あの時期はショットをラフに入れても良いときがあるんだけど…」と、メジャー用の仕上がりを実感している。
日本ツアーでプレーする今平周吾、市原弘大、堀川未来夢はもちろん今回が初めてのペブルビーチ。そして米ツアーを主戦場にする松山英樹も「AT&T―」の出場がこれまでないが、「6月に(当地で)やったことがある人は少ないはず。前回(2010年全米オープン)、前々回(2000年同)に出た人しか、6月のペブルはやっていない。そういう意味ではあまり変わらないかなと」と、コース経験の差を懸念材料にしなかった。(カリフォルニア州ペブルビーチ/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw