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9カ月ぶりの試合で“完走”9位 ウッズの復帰すべき理由

◇米国男子(ツアー外競技)◇ヒーローワールドチャレンジ 最終日(3日)◇アルバニーGC(バハマ)◇7302yd(パー72)

タイガー・ウッズにはふたりの子どもがいる。10歳の長女サムさんと、弟のチャーリーくん。8歳の愛息にとってのアイドルは目下、サッカースペインリーグ・FCバルセロナのリオネル・メッシ(アルゼンチン)だそうだ。「彼はテレビゲームで、いつもメッシを操るんだ」

今年7月、ウッズはふたりを連れて、マイアミで行われたバルセロナとレアルマドリードの試合会場を訪れ、ロッカールームでその憧れのプレーヤーと対面して家族で感激。もちろんVIP待遇を受けてのことだが、それで父親としての威厳が保たれたわけではない。

ウッズの最後のツアー優勝は2013年8月の「WGCブリヂストン招待」。当時は4歳だったチャーリーくんが来場し、息子の前で飾った優勝にウッズは「あの子も最近、僕の仕事が分かってきたんだ」と喜んだが、今週「彼はまだ小さかったから、あの時のことを覚えていないんだ」と明かした。

4年が経ち、ウッズは自虐的に、そして少し寂しそうに言う。「子どもたちにとって、僕はユーチューブの中のゴルファーだ」。栄光に照らされたパパを見るのはいつも過去のハイライト映像ばかり。「あの子たちは僕が実際にプレーしているところを見たことがない」。今大会への出場が決まり、ふたりはウッズと一緒にゴルフをしたがったという。「それは特別なことだった」。14勝目を飾った2008年「全米オープン」を最後にメジャー優勝から遠ざかっていようが、仮に外野に「終わった」と見切られても、家族のためにプレーしたいというシンプルな理由がウッズにはある。

腰痛で途中棄権した2月の欧州ツアー「ドバイデザートクラシック」から、キャリアで4度目の腰の手術を経て、9カ月ぶりの実戦となった今大会。最終日は7番でイーグルを決めるなど「68」で回って、通算8アンダー9位で4日間を戦い抜いた。

「4ラウンドはプレーできると思っていたから、そこは重要じゃない。どうスコアを作っていくか、どう感じ、気持ちが高まっていくのをどう処理していくか、ということが大事だった。アイアンもドライバーも、パットも良かった」。来年の出場予定は明言しなかったが、試合勘を取り戻す作業に手ごたえを得た様子。そして「痛みもない」と言った。

ウッズはいま、自分に憧れて懸命に腕を磨いた世代にも支えられている。本拠地のあるフロリダで、リッキー・ファウラーをはじめ、ダスティン・ジョンソンらがこの秋から、スパーリング相手として一緒に練習ラウンドをこなしてきた。

最終日、1番から圧巻の7連続バーディを含む「61」をマークして逆転勝利を収めたファウラーは、優勝会見で「僕はまだ(練習ラウンドで)負けてないよ」と前置きしながら言った。「タイガーが元気にプレーして、ゴルフをプレーしているだけで楽しい気分になる。1年前はそうじゃなかった」。ファウラーによれば、ウッズはまだ復帰後の体で正確な飛距離を把握できていないという。そんな時、彼らは使うべき番手をアドバイスすることもある。

「みんなが彼を(全盛期のように)恐れているとは言わない。でもみんなが、タイガーが戻ってきたこと、一緒に回るチャンスがあることを喜んでいるんだ」。大会3日目、同組プレーを前に、ウッズの最終日の定番スタイル、赤系のシャツに黒いパンツを合わせたのは松山英樹だった。

家族のため、年下の仲間たちのため…。今月30日に42歳になるウッズには、カムバックしなければならない理由がたくさんある。(バハマ・アルバニー/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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