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序盤ホールが難しすぎた?“ステーブルフォード”の誕生秘話

2017/08/06 12:40

英国リバプール近郊にあるウォラシーGCのクラブハウスに、1枚の肖像画が掛けられている。描かれている人物はフランク・ステーブルフォード博士。1870年に生まれ、第一次世界大戦では軍医も勤めたその男は、一時はハンディキャップ+1にまで上り詰めた熱心なゴルファーであり、“ステーブルフォード競技”の生みの親でもある。

1932年5月16日にウォラシーGCで初めての“ステーブルフォード競技”が開催された。この競技では、通常のスコアの代わりに、バーディやボギー、イーグルやダブルボギーなどをポイント換算して積み上げていく。(*1)

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ステーブルフォード博士がこのシステムを思い付いたのは、ウォラシーGCの2番ホールのフェアウェイだという(今ではこのホールに“ステーブルフォード”という名前が付けられている)。

当時はボギー(パー)競技というのが主流だった。これは決められたホールのスコアに対して、それより少ない打数で上がれば「+(up)」、同じ打数なら「0」、多ければ「-(down)」を付けていき、18ホールで何up(down)かを競うものだ。

同ホールは458ydと距離の長いパー4で、強い向かい風が吹いたときには、どうやっても2打でグリーンに届かない。つまりほとんどのプレーヤーがスコアカードに「-」を記入する羽目になる。ウォラシーGCの競技会で多くのプレーヤーたちが、序盤数ホールの悪いスコアのためにスコアカードを破り捨てるのをみて、ステーブルフォード博士はなんとかならないかと頭を悩ませ、この新しいスコアリングシステムを思い付いたという。

博士が亡くなった10年後の1969年、ウォラシーGCは彼の業績を記念して、“ザ・フランク・ステーブルフォード オープンアマチュアメモリアルトロフィー”という大会を立ち上げ、(それは当然ステーブルフォード競技でプレーされるのだが)現在に至るまで続いている。

ウォラシーGCのクラブハウスから眺める18番グリーンは、両脇をヒースに覆われた砂丘に守られ、難攻不落のようにも見える。大たたきしても大ケガにはならず、別のホールの好スコアで取り返せる“ステーブルフォード”方式に、幾多のゴルファーが安堵してきたに違いない。(編集部/今岡涼太)

(*1) R&AとUSGAによって定義されているポイントは次の通り。

(プレーしたホールで)
0:決められたスコアより2打以上多いか、スコアの申告がないとき
1:決められたスコアより1打多いとき
2:決められたスコアと同じとき
3:決められたスコアより1打少ないとき
4:決められたスコアより2打少ないとき
5:決められたスコアより3打少ないとき
6:決められたスコアより4打少ないとき

また、プロツアーでは以下のポイントが採用されることが多い。
-3:ダブルボギー
-1:ボギー
0:パー
2:バーディ
5:イーグル
8:アルバトロス

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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