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マキロイとの遺恨から7年 ホーシェルの期待

米国男子ツアーのフェデックスカッププレーオフ最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」の3日目を最終組でプレーするビリー・ホーシェルと、2歳年下のロリー・マキロイ(北アイルランド)の間には、忘れられない過去があった。

時は2人がともにアマチュア時代の2007年秋、米国と英国選抜チームが戦う「ウォーカーカップ」での出来事。シングルスで2回、ダブルスで1回の対戦中、強いライバル心は互いの冷静さを失わせ、スイングの最中に声を上げ、怒号を飛び交わせるまでにヒートアップ。後味の悪さゆえ、プロ転向後も2人の関係には視線が注がれていた。

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このプレーオフシリーズに入り、ホーシェルは最終日終盤に崩れた第2戦の「ドイツバンク選手権」で2位、前週「BMW選手権」でリベンジとなる優勝を果たし、フェデックスポイントランキングで4位に後退したマキロイを抜いて2位に浮上した。ともに自力での年間王者のタイトル奪取が可能な位置につけ、その間柄は再びクローズアップされることに。そしてムービングデーでは、いよいよ同組で回る運命となった。

周囲の興がる視線をよそに、2人はとっくの昔に“和解”できているという。「みんな僕らのウォーカーカップでの出来事を知っているからね。でも彼はいい友達だ」とホーシェル。今年は2月の「ザ・ホンダクラシック」で予選2日間を一緒にプレー。それ以前にも練習ラウンドをともにした機会もあり、“遺恨対決”という見方を一掃した。

とはいえホーシェルにとっては、マキロイの存在はやはり特別。「当時、ロリーは間違いなくチームでナンバーワンの選手だった。英国メディアはみんな彼のあとを追っていたし、特に全英オープンでローアマチュアになった直後だったからね。すごい才能があると分かっていた。すごい選手になるって。でも、さすがにこんなに若いうちにメジャーで3勝するとは思わないし、そのうち2つは(後続に)8打差以上つけるなんてね…」

だからこそ「あと2日、優勝を争えたらそれは大きな意味を持つ」と、ひるむ気はない。「あいつは3連勝もして、そのうち2つはメジャー。ほんとに信じられないくらいすごいよ。世界でいま一番のプレーヤーだ。だからもし勝てたら、誰しもすごい自信になる」

昨日の敵は今日の友。それをまた、明日の敵にできる関係は、互いの研鑚があってこそだ。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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