ツアーきっての“優等生”?プレーオフ皆勤賞は
米国男子ツアーのポストシーズンを彩る全4試合のフェデックスカッププレーオフがスタートしたのは2007年。8度目の開催となった今年は、タイガー・ウッズが進出を逃し、フィル・ミケルソンは前週の第3戦「BMW選手権」の3日目の朝に、最終戦進出の望みがなくなったと見切りをつけて途中棄権。1992年以来、12年ぶりに2人の姿がない最終戦は、少々盛り上がりを欠いている。
プレーオフシリーズは、最終戦出場を確定させた選手が第3戦までのトーナメントをスキップすることもたびたびある。今年はセルヒオ・ガルシア(スペイン)、ジャスティン・ローズ(イングランド)が第2戦を欠場。そんな中、全選手のうちただ一人、8シーズン全32試合に出場しているのが、ハンター・メイハンだ。
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メイハンの最終戦出場は今年、これまでで最も危うかった。過去7年、レギュラーシーズンを終えた段階でフェデックスカップランキングが最も低かったのが08年の31位だったが、今年は62位だった。しかし迎えたプレーオフ初戦「ザ・バークレイズ」で2年ぶりのツアー優勝。2戦目、3戦目も4日間を戦い抜き、勝てば自力での年間王者戴冠が決まるランキング5位のポジションを確保して最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」を迎える。
プレー中はサングラスを外さず、口ひげが“チョイ悪”風味を醸すが、根はナイスガイ。テキサスの高校からロサンゼルスの南カリフォルニア大に進学したが「都会に馴染めない」というなんとも憎めない理由で、オクラホマ州立大に転校したアマチュア時代。プロ転向後はWGCで2勝をマークするなどここまで計6勝を挙げている。
昨年7月「RBCカナディアンオープン」では、首位で迎えた3日目にいきなり途中棄権。NFLダラス・カウボーイズなどでチアリーダーだったカンディ夫人が産気づいたと聞くやいなやコースを後にして、周囲を驚かせたことは記憶に新しい。
プレーオフ皆勤賞は、まだ32歳ながら、長年にわたって高いレベルで安定した成績を残し続けている証し。ご褒美の10ミリオン獲得となるか?(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw