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プロとして、日本代表として

2007/01/17 00:00

「あー、やだ!私、ユーティリティほっんと駄目なんですよ」。5番パー5、2打目でグリーンを狙った上田桃子は、狙い通りの球が出ず思わず不満が口をついた。「このクラブ、トーナメントでも全然活躍しないんですよね・・」。

この日はワールドカップ女子ゴルフの練習日。前日に引き続き、チーム・ジャパンは上田桃子諸見里しのぶが2人揃って練習ラウンドを行っていた。選手の他にも、テレビスタッフ、記者、メーカー関係者やトレーナーなど、おそらく他のどの国よりも大所帯でのラウンドだ。そんな中で発せられた上田の言葉に、クラブメーカーの担当者は一瞬顔を強張らせた。

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ふてくされた様子でグリーンに向かった上田は、ラフからのアプローチにも失敗する。今度は江連コーチの出番だ。

江連氏 「お前、そんなんじゃ全然駄目。最初から緩んじゃってるじゃん。もっと試合のつもりで気合入れてビシって打たないと意味無いよ」。
上田 「これって、上げるしかないんですかね?」
江連氏 「当たり前じゃん。じゃあ、いいよ一回ランニングでやってみろよ。距離感合わせるの難しいと思うよ」。
自分の言葉通りトライしてみた上田だが、ボールはグリーンに届く前にラフで止まった。

練習終了後、江連氏に聞いた。「練習にしても、もっと心地よい緊張感の中でやらないと。あんな風にふてくされたりしちゃ駄目だし、1打1打気持ちが伝わるようなショットをしないといけない。(第1回大会で)日本が勝ったのはフロックじゃないよっていうのを見せないといけないし、ただ自分がゴルフしに来ましたじゃ駄目なのよ」。前述のメーカー担当者も同じ想いだ。プロとしてメディアに多く出るようになって、今大会は日本を代表して来ている。彼女には、もっと自分の影響力を意識して貰いたい。コースの上では、常にプロフェッショナルな振る舞いをして欲しい・・。

練習ラウンドの途中、後ろを回っていた韓国チームから先を急かされる場面があった。韓国チームの取り巻きの一人が、グリーン上にいる日本チームに向けて声を発したのだ。先も詰まっていたし、進行が特に遅いということは無く、日本チームとしては気を悪くしただけだったのだが、そんな場面にも他チームの真剣さを感じてしまう。

その違いは、ハングリー精神や危機感、集中力・・色々な言葉で表現できる。第1回大会の最終日、17番で長いバーディパットを沈めた北田瑠衣。「このまま負けたら日本に帰れないと思いました」。ウィニングパットを沈め、安堵の涙を浮かべたその顔が、ふっと脳裏によみがえった。

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka



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