原英莉花「攻めました」原点回帰で“黄金対決”制してメジャー制覇
2020年 日本女子オープンゴルフ選手権
期間:10/01〜10/04 場所:ザ・クラシックGC(福岡)
「こんなところでいつか勝てる日が来るのかな」原英莉花と女子オープンの5年間
◇国内女子メジャー第2戦◇日本女子オープンゴルフ選手権競技 最終日(4日)◇ザ・クラシックGC(福岡)◇6761yd(パー72)
原英莉花が「日本女子オープン」に初出場したのは当時高校生だった5年前。石川県の片山津GC白山Cで開催され、チョン・インジ(韓国)がプレーオフを制した大会だった。「まぐれで通った」と予選会は勝ち残ったが本戦は通算12オーバーの85位で予選落ち。メジャーのセッティングに衝撃を受け、「こんなところでいつか勝てる日が来るのかな」と思った。
<< 下に続く >>
あれから6年連続6度目の出場で手にした悲願の国内メジャータイトル。「女子オープンは私の憧れの舞台だった」という。ただアマチュア選手も多く出場できるナショナルオープンの予選会に、中学時代は挑戦すらしなかった。
「私の実力じゃ通ることもできない。予選会に出ている友達もいたけど、私は諦めた」。1998年度生まれの同学年には畑岡奈紗、勝みなみ、渋野日向子、小祝さくらといった有望株が多く、当時は下から見上げていた。
「自分が小さいころは全然成績がなくて。みなみちゃんとか、奈紗ちゃんが勝つのを見て、すっげーなって思っていました」。初優勝した前年6月の「リゾートトラストレディス」時にジュニア時代を思い返しこんなことを言った。「私が全国大会に行った時とか、『誰?』という感じだったし、なんなら(同級生は私の)名前すら知らなかったかもしれない」
同じ黄金世代と言われるが、プロテストは2度目の挑戦で合格した。1度目の2017年は武器にした1Wが曲がり6回OBを打って合格ラインに2打届かなかった。「チーピンが止まらなかった時期。そのあたりでジャンボさんに(1Wの)シャフトをいただいたりして、徐々に良くなっていったんです」。周囲のサポートも受けながら成長していった。
思い返せば歩んだ道のりは、エリート街道ではなく回り道だった。同学年では畑岡、渋野に続く3人目のメジャー優勝者になり「練習と強い気持ちを持てば、ここまで上に来られるんだなって思えました。今も奈紗ちゃんとかと差はあるけど、一歩一歩詰めていけたらいいと思う」と言った。人それぞれ違う、成長の足跡にしっかりと胸を張りながら、日本タイトルの重みを噛み締めた。(福岡県宮若市/林洋平)