自分のため、そしてキャディさんのため
「新キャタピラー三菱レディース」初日を終え、大山志保が首位に1打差の3位タイ発進。しかしこの大会、大山にはホロ苦い記憶が残っている。昨季は8月だけで3勝を挙げ、夏場に新女王への道を大きく切り開いた大山だが、8月で唯一優勝を逃していたのがこのトーナメント。それも、ペナルティを課せられるトラブルに見舞われてのことだった。
2006年「新キャタピラー三菱レディース」初日。大山がスタート後にクラブ確認をしたところ、何とキャディバッグに15本のクラブが存在していた。これが、ゴルフ規則の規則4-4「クラブは最高14本まで」に抵触。12番終了後に競技委員に申告し、4ペナルティを課せられた大山は、初日に3オーバーの70位タイと大きく出遅れる結果となったのだ。
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当時、大山は「初歩的なミスをし、応援してくれている方に申し訳ない」と話している。もちろん自身で確認を怠った大山に非はあるのだが、その週に大山を担当していたハウスキャディも、大きな責任を感じていただろう。そして1年後の今週。練習日にクラブハウスを訪れた大山は、当時のハウスキャディに挨拶に行ったという。
「去年、キャディさんが責任を感じていたようだったので・・・。今週は自分のためにも、そしてキャディさんのためにも頑張りたいですね。」会見でそう述べた大山は、「あれは自分が犯したミス。悔しい思いをぶつけたい」とつけ加えた。ゴルフは紳士・淑女のスポーツと言われるが、強さだけでなく淑人らしい懐の広さを持つ大山には、やはり“女王”の名が相応しい。(編集部:塚田達也)
塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。