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“1打”で逃したリオ五輪 渡邉彩香と復活の2020年

2019/12/17 07:00


トラックマン(弾道測定器)の計測画面をのぞき込んだ渡邉彩香が、思わず驚きの声をあげた。「ヘッドスピード50(m/s)!?飛距離270ヤードですか!!」ブリヂストンスポーツ主催のファンとの交流イベントで、アマチュアとプロの合計飛距離が400ydを超せば記念品をプレゼントするというドラコンホール。270ydをたたき出した一般男性のひと振りにも、“私はあと130ydでいい”とは考えない。「ちょっと力が入っちゃうなぁ」と言いながら続いた渡邉の1Wショットは、数秒後、画面に「272yd」という飛距離を表示していた--。

豪快なショットを武器にツアー3勝(14年1勝、15年2勝)を挙げた渡邉だったが、18年は賞金ランク55位、今年は同115位に低迷した。最大の原因は「このまま一生打てないんじゃないかと思った」という1Wショット。異変に気づいたのは17年6月の「ヨネックスレディス」で、第1R後半に「48」と大たたきして、「その頃から逆球が出始めたりしていたけど、さすがにやばいと思った」と事の重大さを認識した。

「気持ち悪いことに、気持ち良く振れるんです。ビビって振れないとかいうこともなく、気持ち良くバーンってフィニッシュまでいくんだけど、すごく曲がる。どういうこと?って。ぜんぜん理由がわからなかった」と、当初は出口どころか入口も見えなかった。スイング理論を学ばず、感覚と身体だけでゴルフを覚えてきたことも災いした。「“もっと上に行くために”って理論もなくいろいろ挑戦したら、戻れなくなった」と気づいた時には泥沼にハマッていた。

そんな不振にあえいでいた時期にも救いはあった。「“きょうはいくつ打つのかな”っていう不安でコースに行くけど、行ったら選手やキャディ、ギャラリーの人たちがすごく気にかけてくれた。私以上に私の良いところを見つけようとしてくれて、『あのホールのドライバーショットはよかったね!』とか言ってくれる。だから嫌にもならなかったし、試合に行きたくないとかもなかったです」と周囲の気遣いに支えられた。

試行錯誤を繰り返し、ようやく兆しが見えてきたのは今年の夏を過ぎた頃から。「なかなか結果には現れなかったけど、ショットに血が通っているというか、こう打ったらこうなるっていうショットが増えてきた」と、ゴルフの楽しさも戻ってきた。同時期からコーチにも付いてもらった。「ここ1、2年は丸山(茂樹)さんや福嶋(晃子)さんにアドバイスをもらったりしながら、自分なりに考えてやってきた。そういうのが一個一個つながって、自分の中でわかってきたけど、あとは外から1球1球みてもらって現状を把握しないと、これ以上は良くならない」と思ったのがその理由。復活へのステップが、また一歩進んだ証しだった。

先月11月には、プロ入り直後の12年以来となるQTに出場した。「プライドじゃないけど、落ちられないっていう気持ちがあって、余計に長く感じた」というファーストは、カットラインの1打上でなんとか通過。小さな自信を持って臨んだファイナルは19位に入り、きっちりと来季前半戦の出場権を獲得した。「今年1年間、自分を褒めてあげられるような試合を1回もできなかったけど、QTは今年初めて“がんばってできたな”って思えた試合」と笑顔とともに振り返った。

来季は復活を懸けたシーズンとなる。だが、2020年にはもうひとつ忘れられない因縁がある。4年前の16年、オリンピック代表の座を争っていた渡邉は、選考締め切り直前の「全米女子オープン」の最終ホールで池に入れてダブルボギーとし、わずかの差でその夢を叶えられなかった

「そうですね…。いま、(オリンピック代表を)目指せない位置にいるのは来年になったらめちゃくちゃ悔しく感じると思う。でも、この1、2年はきつかったけど、逃げ出さずにちゃんと向かい合って、自分なりに一生懸命やってきた。その成果が結果として出るタイミングが来年だったら、すごく嬉しいなと思いますね」。

現在、世界ランク402位。オリンピック代表の座は限りなく遠いが、モチベーションは消えていない。「この悔しさは晴らさないといけないし、みんなめちゃくちゃ一緒に苦しんでくれたから、周りの人にも良い思いをしてもらいたい」。まだ26歳。オリンピックへの道も決して来年が最後ではない。(編集部・今岡涼太)

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今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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