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黄金世代の妹がプロ合格 兄・松原大輔の葛藤と歩み

◇国内男子◇ダンロップ・スリクソン福島オープン 2日目(28日)◇グランディ那須白河ゴルフクラブ(福島県)◇6961yd(パー72)

宮里優作の代名詞は、ある日を境に「藍ちゃんのお兄ちゃん」になった。それまで宮里家のゴルファーといえば、あらゆる学生タイトルを獲得して将来を嘱望された3きょうだいの次男だったが、宮里藍フィーバーが到来した途端、世間の見方は急変した。22歳の松原大輔は、かつて似た経験をしたプロ1年目の選手である。

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富山県で行われた女子プロテストでこの日、新たに22人のプロゴルファーが誕生した。今年は2014年にツアー制覇を果たした勝みなみら、アマ時代に実績を残した粒ぞろいの選手たちが一斉に受験するとあって、豊作の年と数年前から期待されていた。勝をはじめ、新垣比菜らが順当に合格。その中には18歳の松原由美の名前もある。大輔の実の妹だ。

4つ年下の妹はこの“黄金世代”の先駆けだった。10歳で「日本女子アマチュア選手権」の本戦に進み、史上最年少出場記録を作った。「妹はゴルフを始めて2年くらいだったんです」と兄は明かす。クラブを握ったのは自分の方が早かったが、当時はちょうどサッカーやボクシング、陸上に熱中していた時期。中学時代にゴルフを再開すると、「妹を追いかけるような形になりました」。

妹の活躍は「悔しい気持ちと、うれしい気持ちが半々」だった。「自分を人に紹介してもらうときも『松原由美の兄』としてばかり。それも悔しかった」。日大に進み、アマチュアとしてツアーに出場しても、周囲の視線はほとんど変わらなかった。

昨年末、妹よりも先にプロの世界に飛び込んだ。比べてみれば、ひっそりとしたプロ転向だった。とはいえ、ルーキーイヤーの歩みは着実だ。6月に下部ツアー「ISPSハンダグローバルチャレンジカップ」で初優勝。レギュラーツアーでは2試合での予選通過を経て、待機選手として乗り込んだ今週も通算5アンダーで決勝ラウンドに進出した。出場が決まったのは、あきらめかけた初日の午前11時過ぎ。高山忠洋の欠場を受けて急きょフィールドに滑り込み、結果を残した。

普段は互いに連絡を取らないという兄妹だが、この日ばかりはそうもいかない。「妹にはプロテストを良いステップにして、(年末の)QTも頑張ってもらいたい。自分も一生懸命頑張りたいです」。新たな若き兄妹プロゴルファーのレースが始まった。(福島県西郷村/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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