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1年がかりで「宮本担当」を志願!ハウスキャディ号泣の理由

「東建ホームメイトカップ」最終日に、この日のベストスコアタイ「64」の大爆発。15位から5位に浮上した宮本勝昌は、開催コースの東建多度CCに所属するハウスキャディに感謝の言葉を並べた。「去年もやってくれたキャディさんなんだけど、グリーンの読みが素晴らしい。すごく助けられました」。勤務歴4年あまりの下里麻由さん(30)がその人だ。

宮本が「困ったら、すぐに聞くようにした」というほど万全の信頼を寄せた的確な指示だった。それもそのはず、今週、宮本をサポートするために1年をかけて準備を整えてきた。話は、前年大会に遡る。

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下里さんは1年前も宮本のキャディを担当。宮本は今年同様、最終日に「64」をマークして7位フィニッシュしたのだが、「初日から3日目まで伸ばせなくて、とても悔しかった」と、首位と8打差の38位というポジションで最終日を迎えたことにサポート不足の責任を感じ、「今度こそもっと稼いでもらいたい」と自分の胸に再挑戦を決めていたのだという。

大会終了から間もなくして、下里さんの長い戦いが始まった。一般のキャディ業務終了後、「グリーンのどこからでも(ラインを)答えられるように」と、コースの先輩たちと日没までグリーンチェックを兼ねたラウンドを実施。普段なら立ち会う必要がないコース管理関係の会議にも出席し、コースに関するあらゆる知識を頭にたたき込んだ。

「コースのみなさんが協力してくれて…」。この1年を振り返る下里さんの目から、みるみる涙が溢れ出た。そもそも宮本自身とは今年のキャディを約束したわけでも何でもない。宮本がもしも開幕戦でプロキャディを帯同すれば1年の努力は無駄に終わる――そんな孤独な努力だった。「分かってはいましたけど、どうしてもリベンジがしたかったから」。

願いは通じ、宮本は今大会に「ハウスキャディ希望」で登録。下里さんは即座に「宮本担当」に名乗りを挙げ、晴れてリベンジの機会を得ることができた。

今年も優勝には届かなかった。でも、前年大会を上回る5位フィニッシュ。何よりも4日間の内容が違った。「私のことを信じてくれて。(最後に)『ありがとう』って言ってもらえました」。ハウスキャディの仲間も見守るクラブハウス前で、会場を後にする宮本と抱擁を交わし、また涙。こみ上げてくる達成感で涙が止まらず、思わず手で顔を覆うと、それは号泣になった。

選手を支える熱意は、プロキャディもハウスキャディもみな同じ。いや、最初で最後の担当になるかもしれないハウスキャディの方が、強い思い入れを持っていることもある。「来年も、また宮本さんとご一緒できれば嬉しいですね」。1年後の再会を信じて、下里さんの“戦い”が明日から再び始まる。(三重県桑名市/塚田達也)

塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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