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袖ヶ浦カンツリークラブのご神木

2019/10/12 17:57

◇国内男子◇ブリヂストンオープン 3日目(12日)◇袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース (千葉)◇7119yd(パー71)

1974年から「ブリヂストンオープン」の会場となっている千葉県の袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コースには、名物のご神木がある。16番(パー5)、左ドッグレッグの曲がり角、左サイドの林にそびえる、しめ縄が飾られた3本の杉の木は長らくコースのシンボルだ。

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コースは1960年に開場したが、いつから神木として祀られるようになったかは不明である。クラブのコース管理部長・グリーンキーパーの伊藤哲也さんが入社した34年前にはすでに、この習わしがあったという。

実際の神主の見立てでは、このコース内で神様が宿っているのは別の場所らしい。17番(パー3)の右側に道祖神(道路や旅行者を守る神)の祭壇があり、「垣根を新しくしたときに当時の神主さんに来ていただいたのですが、“ご神木”には神様は入っていないというお話だったんです」。

とはいえ、天高く真っすぐそびえる3本は神聖な扱いを受けている。一年に一回、新調するしめ縄は収穫期に近隣の農家から稲を分けてもらい、コースのスタッフたちが綯(な)う。それぞれの仕事の合間の作業ゆえ、作るのには1カ月半ほどかかるとか。

毎年12月下旬に日取りし、儀式を行う。神主は呼ばず、スタッフだけで御神酒を供え、持ち回りで代表者が祝詞を読み上げる。プレーヤーにみかんを配る年もあるそうだ。「自分たちにとっては、神様がそこにいるようなものなんです。その行事をやらないと、年が終わらないような感覚がありますよ」と伊藤さん。プレー中はティショットでショートカットを阻む厄介な大木だが、いつのころからか、ボールをぶつけた一般客が“お賽銭”がわりの小銭を枝の上に放り投げることもある。

9月には台風15号が上空を通過し、コースも被害を受けた。4000本以上ある木のうち約1200本が倒れたり、折れたりと影響が出たが、ご神木は「なぜかあそこだけは、被害はほとんどなかった」(伊藤さん)という。(千葉市緑区/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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