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2月に結婚 “ぽっちゃり王子”のその後の話

◇国内男子◇パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 初日(26日)◇東広野ゴルフ倶楽部(兵庫)◇7058yd(パー71)

石川遼が“ハニカミ王子”として一斉を風靡した2007年、当時同じジュニアゴルフ界で、古田幸希は“ぽっちゃり王子”のニックネームで注目された。青森山田高を経て、キャプテンを務めた東北福祉大を卒業してからは、ツアーでの出場機会がわずかになった今がある。

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2015年のプロ転向後、賞金ランキングは昨年の79位が最高位にとどまっている。主戦場の下部AbemaTVツアーでも未勝利。推薦出場のチャンスを活かし4アンダー7位の好発進を切った今大会は、今季レギュラーツアーで3試合目だ。

大会を主催するパナソニックとは古くからの縁がある。亡くなった祖父が生前、三沢市内で松下電器産業(当時)の系列店、いわゆる「まちの電器店」を営んでいた。現在は父が受け継ぎ、一緒に経営する日帰り温泉施設の2階に店舗がある。

古田はことし、所属先をその家業である「三沢空港温泉」と改め、キャップにロゴを入れた。大学卒業後も仙台に拠点を置いていたが、試合数が減ることを考え、実家のある青森に戻った。遠征のないときには浴槽やサウナ室を洗い、ボイラー管理なども手伝う。「朝6時から夜の12時まで営業しているので、朝4時頃に起きて掃除することもあるんです」。初日の午前7時のトップスタートに備えた早起きも慣れたものだった。

第一線で戦えない悔しさが募る一方で、「人間的に仕事をして、ゴルフのありがたみを感じないと成長できないと思った。ある意味、楽しめるようになった。視野が広がった」。“出戻り”を決断したことで、現実を知ること、プロゴルファーであることの意義を感じることもできた。昔からの顔なじみも多い青森のほうが、練習環境も優れているという。

わずかでも低くなったとはいえ、相変わらずのハイトーンボイス。ヒゲは1ヶ月剃らなくても口元を薄っすらと覆うだけだが、ことしは節目の年でもある。2月、同級生でアマチュア時代に「日本ジュニア」を連覇したこともある宮澤亜衣さんと結婚した。愛妻は競技の世界を離れたとはいえ、「ゴルフで失敗しても命を取られるわけじゃない。思い切りやればいい」と背中を押してくれる心強いパートナーだ。

今大会のセッティングはドッグレッグや1Wの落としどころが狭いホールが多い。ティマークの前で短いクラブを握りたくなる気持ちを奮い立たせて、初日は10ホールで1Wを振った。「そういうゴルフをしないと。逃げていても(今後)爆発的なスコアを出せないと最近思ったので」。まだ27歳。長いはずのキャリアを見据え、ふるさとから再スタートを切っている。(兵庫県三木市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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