L.ウェストウッドのスイングをスーパースローで見る
2011年 タイランドゴルフ選手権
期間:12/15〜12/18 場所:アマタスプリングCC(タイ)
どこまで続く一人旅 L.ウェストウッド
タイ・バンコク郊外のアマタスプリングCCで開催されている「タイランドゴルフ選手権」は2日目を終えてリー・ウェストウッド(イングランド)が通算20アンダーまでスコアを伸ばし、単独首位を爆走中。ようやく半分の36ホールを終えた時点で2位のチャール・シュワルツェル(南アフリカ)、マイケル・トンプソン(米国)とは11打差がついている。
アジアンツアーの新規大会として設立された同大会。初日にロケットスタートを見せたウェストウッドの勢いはこの日も止まらず、さらに8ストロークを伸ばした。「ゴルフは何が起こるかわからない」とは言いつつも、2日間ノーボギーと付け入るスキの無いラウンドを見る限り、“もう決まったな”という空気が会場を包むのも当然だ。
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となると大半の興味は、ウェストウッドは、いったいどこまでスコアを伸ばすのか、ということ。初日の「60」ストローク、12アンダーはアジアンツアータイ記録。そしてこの2日目、出だしから36ホールでの20アンダー、「124」ストロークも2009年のセール・オープンでのチャプチャイ・ニラト(タイ)と並んでタイ記録をマークした。
72ホールを終えての最多アンダーパー記録、最少ストロークはそのニラトが同大会で出した32アンダー、「256」ストローク。さらに2位との最大ストローク差優勝記録(13打差:2005年BMWアジアオープン、アーニー・エルスが優勝)も射程圏となった。
2日間、直後の組でプレーしたジョン・デーリーは「あいつはゾーンに入った。誰も止められねえ。このコースは簡単じゃない。あいつが簡単そうにやることを、俺たちはできない」と、もう“白旗”をあげた。同組でその姿を目の当たりにした石川遼は「今日も5アンダーくらいでは回るかな、と思っていたけどそれ以上だった。(リードを)守ろうともしない。守れば守るほど難しくなる、ということを考えながらプレーしているみたいだった」と話した。
ビックリするのは「僕はスロースターターで有名だから。こんなリードは初めて」というウェストウッドの言葉。今季最終戦を華々しく飾ることができるか。(タイ・バンコク/桂川洋一)
【アジアンツアーの72ホール 最多アンダーパー、最少ストローク記録】
-32 256 C.ニラト 2009年セール・オープン(インド)
-29 259 E.エルス 2003年ジョニーウォーカークラシック
-26 262 J.M.シン 1996年フィリップモリス・アジアカップ
-26 262 E.エルス 2005年BMWアジアンオープン
-25 263 J.エドフォース 2006年TCLクラシック
-25 263 T.ウッズ 2000年ジョニーウォーカークラシック
-25 255 T.ウィラチャン 2005年インドネシアオープン
-24 264 カン・ウクスン 2001年タイランドマスターズ
-24 264 J.M.シン、G.マクドウェル 2008年バランタインズチャンピオンシップ
-24 264 平塚哲二 2010年エアバガン・ミャンマーオープン
※参考
【日本ツアーでの72ホール最多アンダーパー】
-26 266 B.ジョーブ 1995年三菱ギャラントーナメント
-26 262 尾崎将司 1996年ゴルフ日本シリーズ日立カップ
【日本ツアーでの72ホール最少ストローク】
260(-20) 尾崎将司 1995年中日クラウンズ
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw