キンハルトが初優勝 大会ホストのフリートウッドは8位
2019年 ベットフレッド英国マスターズ
期間:05/09〜05/12 場所:ヒルサイドGC(イングランド)
冷静沈着なキンハルトが劇的勝利
上がり2ホールで連続バーディを奪ったマーカス・キンハルト(スウェーデン)が1打差で後続を振り切って「英国マスターズ」を制覇。52度目の挑戦でヨーロピアンツアー初優勝を飾った。
最終日のヒルサイドGCは終盤に劇的な展開を迎えた。首位タイでスタートしたキンハルトとマット・ウォレス(イングランド)を含む最終組が18番ティに達した時点で、キンハルト、ウォレス、前回王者のエディ・ペパレル(イングランド)、そしてスコットランドの若手選手であるロバート・マッキンタイアの4人が通算15アンダーで首位に横並びとなった。
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ラウンドを終えたペパレルとマッキンタイアが結末を見守るなか、キンハルトが冷静に2.4mのバーディパットを沈め、最終日を「70」としてヨーロピアンツアーでの大躍進を果たしたた。
ウォレスは18番グリーンで4.5mのバーディパットが決まらず、ペパレルとマッキンタイアと並び2位で大会を終えた。
通算12アンダーの5位には18番でバーディを奪ったスコットランドのリッチー・ラムゼイが入り、通算11アンダーの6位タイには、ともにイングランドのポール・ワーリングとジョーダン・スミスが続いた。
今季、調子に波のあったキンハルトは、今大会前まで出場8大会中予選通過は2大会のみで、サウスポート入りしていた。しかし、アマチュアだった2015年に「リザムトロフィー」で優勝するなど、彼にはイングランド北西の海岸部ではこれまで良いプレーを見せてきた過去があった。
その実績は今週も例外ではなく、初日からの3日間を「65」「69」「68」と連続して60台を並べ、ウォレスと並んで首位で最終日を迎えた。
キンハルトはウォレスがバンカーからのパーセーブに失敗した出だしの1番で単独首位に躍り出た。2番でこの日最初のバーディを奪って通算15アンダーとすると、9番まで危なげなくパーを並べ、ウォレスに1打差をつけてサンデーバックナインへと折り返した。
一方、29歳のウォレスは10番で上りの4.5mを沈めてバーディを奪い、通算15アンダーとしてキンハルトに並んだ。
パー5の11番ではともにバーディを奪って、互いに首位を譲らないまま迎えた12番。ウォレスが素晴らしいチップショットからパーセーブのチャンスを残したが、1.5mを決め切れずに一歩後退。その後、今度はキンハルトが15番で3パットボギーとし、再びウォラスと首位の座を分け合うことに。
そんな中、ディフェンディングチャンピオンのペパレルがパー5の17番でタップインバーディを奪い、通算15アンダーとして首位タイに浮上すると、キンハルトが16番でパーパットを外したことで、2人のイングランド人選手がリーダーボードのトップに並ぶ展開となった。
しかし、キンハルトは17番で3mのバーディパットを決めて応戦した。ペパレル、ウォレス、そしてイーグル&バーディフィニッシュで通算15アンダーまでスコアを伸ばしたマッキンタイアも首位で並んだ。
抜け出したのはキンハルト。18番で見事なショットでピンそばにつけると2.4mを難なく沈めて初優勝を遂げた。
「これを長い間夢に見てきたし、ようやくやり遂げることができて、素晴らしい心持ちだ」とキンハルト。
「僕らは一日中接戦を繰り広げていた。僕らによるマッチプレーみたいな感じだったけれど、バックナインではボブ(マッキンタイア)とエディが良いプレーをした。彼らも優勝争いに加わったんだ。でも、マットとプレーするのは良かったよ。彼はナイスガイだし、いい競技者だ。そうだね、だからとても楽しかった」
そう振り返ると、「これはとても栄誉ある大会だし、トロフィーも良い感じだ。この大会で初優勝できたのは特別なことだよ」と喜んだ。
タイトル防衛を懸けた大会で最終日に見事「66」をマークし、キンハルトに1打差まで迫ったペパレルは「とても良いラウンドだった。ひどいショットは2つほどしかなく、とても安定していた」と述べた。
さらに、「実のところ、1週間を通してボギーは2つだけだった。僕にとってそれこそ瞠目すべきことだった」と付け加えた。
大会ホストのトミー・フリートウッドは、大勢の選手が並んだ通算10アンダーの8位タイで大会を終えた。