<選手名鑑188>シャール・シュワルツェル(後編)
南アフリカオープン初優勝を狙うシュワルツェル
シャール・シュワルツェルは屈強な南アフリカ勢の先頭を走り、念願の「BMW南アフリカオープン」制覇を成し遂げることができると信じている。
今大会には、ホスト選手にして「南アフリカオープン」5勝のアーニー・エルスを筆頭に、「全米オープン」2勝のレティーフ・グーセン、2003年「マスターズ」王者のトレバー・イメルマン、そしてヨーロピアンツアーで優勝経験のあるブランデン・グレース、ジョージ・クッツェー、ヘイドン・ポルテウス、ディラン・フリテッリといった南ア勢がグレンダワーGCに集結する。
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ここ5年でこの大会を制した南アフリカ人選手はブランドン・ストーンだけだが、シュワルツェルは今週の強力な地元勢力を鑑み、その流れは変わるだろうと感じている。
「世界で2番目に古いオープン選手権であるというこの大会の歴史と名声を考えれば、大会ホストとしてこのフィールドを惹き付けるべくアーニーが尽力したことにも頷けるよね。南アフリカ人にとって、これはビッグイベントなんだ。勝ちたい大会のひとつなんだよ」とシュワルツェル。
「とても良い大会になると思う。南アフリカ出身の良い選手がたくさん出場するし、また『南アフリカオープン』でプレーするのがとても楽しみだね」
ヨハネスブルグ出身のシュワルツェルは、5打差の首位で最終日を迎えた2015年大会で、残り5ホールとなっても4打リードしていたが、結局「74」をたたいてイングランドのアンディ・サリバンとのプレーオフとなり、プレーオフ1ホール目でバーディを奪ってヨーロピアンツアー初優勝を飾ったサリバンに勝利をさらわれた。
その日以降、シュワルツェルがこのコースに足を踏み入れることはなかったが、今週の練習ラウンドでその忌まわしい記憶を克服した33歳は、熱望するタイトル挑戦へ向け調子を整えている。
「帰ってこられて最高だね」とヨーロピアンツアー11勝のシュワルツェル。「ここへはもう数年来ていなかった。2015年のあの悲惨な日曜にアンディ・サリバンに負けて以来、ここでプレーしたのは昨日が初めてだったんだ」。
「あの記憶がチラチラよみがえってきたので、今日プロアマでプレーして、あの思い出を克服することができて良かったよ。それ以降は、あの記憶も頭をよぎらなくなった」
「あれはほぼ手中に収めていた勝利だったけれど、終盤にいくつか悪いショットを打って手放してしまった。この大会の勝利は、絶対に自分の経歴に書き加えたいものなんだ」
ヨーロピアンツアー8勝のグレースは、今大会を制覇し、南アフリカ最大の3大会全制覇を果たしたエルスの仲間入りを果たしたいと考えている。
「『南アフリカオープン』での優勝は、間違いなく子どものころからの夢だった」と29歳のグレース。「これは子どものころから見ていた大会のひとつなんだ。この大会で優勝できれば、僕は『アルフレッド・ダンヒル選手権』、『ネッドバンクゴルフチャレンジ』、そして『南アフリカオープン』を全て制した数少ない選手の一人となることができるんだ」。
同じく南アフリカのフリテッリは、過去に7回出場しているこの大会でのアンダーパーのラウンドはわずか2回にとどまっているが、世界ランキングでトップ50入りを見据える彼は、この大会での18位という自己最高位を更新したいと目論んでいる。
27歳のフリテッリは「昨年はプロとして最高の1年となったので、すばらしい思い出を振り返ることができるし、シーズンの締めくくりも良かった。この大会は本当に大きく成長したね。もちろん楽しい思い出もあるよ」と述べた。