最終ホールでイーグル!アギラーが4打差逆転V
2014年 ザ・選手権
期間:05/01〜05/04 場所:ラグナナショナルG&CC(シンガポール)
終盤の完璧なゴルフで、アギラーが優勝を飾る
2014/05/05 08:10
ラグナナショナルでの「ザ・選手権」最終日は、見事に終盤の2ホールを連続して2打で上がり、後半を「28」でラウンドしたフェリペ・アギラーが、アンダース・ハンセンのほぼ手中に収めていたタイトルを奪い取る格好となった。
チリのアギラーは難関17番パー3でのティショットがギリギリのところで池を越えると、残り3メートルのバーディパットを沈めた。続く18番では第2打を直接カップインしてイーグルを奪い、最終日を「62」でラウンドしてシンガポールでの最終スコアを通算22アンダーとした。
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5年振りのヨーロピアンツアー制覇に向け、ほぼ順調に進んでいたデンマークのハンセンだったが、16番でバンカーからのパーセーブに失敗すると、あがり2ホールのどちらかでバーディが必要な状況になりながら、いずれもバーディを奪うことができなかった。
「昨日は良いラウンドとはいかず、随分と後退してしまったので優勝のチャンスは潰えたと思っていた」と語るアギラー。彼は3日目の途中まで首位に立ちながらも、池に落とした13番でダブルボギーを叩いて後退してしまったのである。「今日は前半を2アンダーで回り、優勝には攻めて行くしかないと分かっていた。そうしたらこれまでで最高のゴルフができ、全てのピンに絡むショットが打てた」。
「後半を8アンダーで回っての優勝はとても力強いものがある。特に(第2打の残りの距離で)2クラブで悩んだ18番をイーグルで上がったのが大きい。これはとても特別な勝利だ」。
「2クラブのちょうど中間くらいの距離が残っており、アドレナリンが滾った状況でのハーフショットは避けたかったから、ピッチングウェッジでフルショットしたらそれがカップに入った。あのような締め括りは本当に特別だったね」。
「17番のグリーンでキャディに、18番でバーディを奪うことができればリーダーにプレッシャーをかけられるかもしれないと話したら、彼は『あなたなら2打で行けるかも』と答えた。私は彼を見て『この調子なら2打で行けるかもしれない』と言ったら、本当にそうなった」。
「ただ、(あのイーグルのシーンは)キャディが帰ってきて私に伝え、他の人たちの声援を聞くまでカップに入ったことが分からなかった。あれはまさにケーキに苺を乗せた瞬間だった」。
タイのパヌポール・ピッタヤラトと並ぶ首位タイで最終日をスタートした43歳のハンセンは、前半は一時4打差の首位へと躍り出た。
ヨーロピアンツアー3勝のハンセンは、1番で1.5メートルのパーパットを外してボギーとした序盤の躓きを克服しなければならなかった。
2番と3番ではピッチショットをピン側1メートルに寄せて共にバーディを奪うと、4番では6メートルのバーディパットを沈め、3連続バーディを奪うことに成功した。
この後ハンセンは6番で1.5メートルのバーディパットを決め、続く7番でも4メートル弱のバーディパットを決めてスコアを伸ばし、この時点でリードを4打差まで広げた。しかし、米国のデビッド・リプスキーが8番と9番の連続バーディでこれに応戦し、再びハンセンのリードを2打差に戻した。
5番で4.5メートル、そして8番で3メートルのバーディパットを沈め、前半を「34」で折り返したアグラーは、後半の出だしで4連続バーディを奪うチャージを見せた。
唯一のヨーロピアンツアー優勝を6年前に隣国のインドネシアで果たしたアギラーは、これでリプスキーと並んで2位タイまで順位を上げた。しかし、ハンセンが12番で4.5メートルのバーディパットを決めたため、両者共に3打差で首位を追う展開となった。
アギラーとハンセンは共にロングホールの15番でバーディを奪ったのだが、前者が最終ホールで素晴らしいゴルフを披露したことにより、単独首位の座を奪い返す上で、ハンセンは終盤のホールでスコアを一つ伸ばす必要に迫られた。
するとハンセンはバンカーへ入れた16番でボギーを叩き、続く17番では1.2メートルのクラッチパットを決めてパーをセーブするも、2打目でグリーンを外した最終ホールはパーに留め、この日のラウンドを「67」とした。
これでハンセンは最終日を「65」でラウンドしたリプスキーと並ぶ2位タイで大会を終え、4位には上がり5ホールで5連続バーディを奪って通算19アンダーまで伸ばしたインドのラヒル・ガンジーが入った。
手首の手術により6ヶ月間実戦から離れ、この大会が復帰後僅か4戦目だったハンセンは、「何も言うことはないよ。ただこういう日もあるってことさ」と述べた。
「彼には良い日になった。勿論彼は良いプレーをしたわけだけど。僕も良いプレーができたとは思ったんだけどね」。
「為すべきことが果たせなかったのだから、満足なんかしていないよ」。
「ここ2週間は本当に良いプレーができている。ショットはすごく良いし、パットも良いから、これ以上言うことはないよ。この結果について自分自身を責めることはできないね」。