前代未聞の珍事? スズメバチに襲われた選手が池にダイブ
2014年 メイバンク・マレーシアオープン
期間:04/17〜04/20 場所:クアラルンプールG&CC(マレーシア)
凛然と首位を独走するウェストウッド
2014/04/19 07:51
クアラルンプールでの初日の「65」に続き、金曜の2日目を「66」でラウンドしたリー・ウェストウッドが「メイバンクマレーシアオープン」の主導権を握った。
トータル「131」の通算13アンダーで大会を折り返したウェストウッドは、「ライダーカップ」でチームメートだったニコラス・コルサーツとフィリピンのアントニオ・ラスクーナに4打差をつけて首位に立っている。
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しかし、そんな40歳のウェストウッドによる素晴らしいパフォーマンスも、パブロ・ララサバルを襲った奇妙な事件を前に霞んでしまった。ララサバルはスズメバチの襲撃に遭い、湖に飛び込みながらも2日目を「68」でラウンドしたのである。
事件はこの日インスタートのララサバルにとって14番目のホールとなったクアラルンプールGCの5番ホールで起こった。しかし、身を乾かし治療を受けた30歳のララサバルは、その事件の起こったパー5の5番でバーディを奪うと、7番でもバーディを奪うことに成功したのである。
「ティショットをバンカーの右隣につけ、そこから良いチップショットを打つことができた」とララサバル。
「そして、コースに沿って歩いていたら、鼻に何か飛んできた。慌てて振り払ってみると、それはただの蜂なんかではなく、蜂の3倍ほどの大きさがあったんだ」。
「奴らは巨大で、しかも30?40匹が一束になって襲いかかってきたんだ。どうしていいかわからなかった。キャディが走って逃げろと言ったから走ったんだけど、スズメバチは追ってきていた。それで他の選手が湖に飛び込めといったんだ」。
1月の「アブダビ選手権」でロリー・マキロイやフィル・ミケルソンを抑えて優勝を飾ったララサバルは、ラウンド後ツイッターに、「長くタフだった一日を終え、部屋にいるところ・・・頭はまだ痛むけれど、100%の調子に戻ると思うし、明日の好スコア達成に向け準備はできているよ」と書き込んだ。
「世界中のゴルフコースでは多くのドラマが生み出されていると思うけれど、僕のはいつもクレイジーなんだ。本でも書こうかな」。
ウェストウッドはアジアでの勝ち方についての本であれば間違いなく書けるであろう。キャリア通算40勝の内の12勝をアジアで挙げているウェストウッドはこの大陸での勝利をもう一つ加える勢いだ。
冴え渡った数々のアイアンショットにより短いパットを残したウェストウッドは近い距離から8つのバーディを奪うことができ、この日唯一のミスは、ダブルボギーを叩いた11番パー3で、グリーン手前の池へ落としたティショットのみだった。
「良いプレーができた」とウェストウッド。「フロントナインは(2日続けて)5アンダーでラウンドしたし、沈めたパットの中で一番長かったのは1番での1.2メートルのパットだった。ソリッドなラウンドだったね」。
「11番はついてなかったと思う。あれは今日のベストショットの一つだったけれど、いきなり風が吹いて距離が足らなくなってしまい、池に落ちてしまったんだ。でもその後は立て直して『66』でまわれたんだ」。
かつて世界ナンバーワンだったウェストウッドは現在のランキングを36位としており、調子を上げるのに苦しんできたのだが、新しいコーチであるマイク・ウォーカーとの取り組みが奏功し始めていると感じている。
「マイクとは6、7週間前に一緒にやり始めたのだけれど、練習レンジでは直ぐに改善が実感できたんだ。ただ、ゴルフコース上でそれを還元するのが難しかった」とウェストウッドは加えた。
「でもここ3週間はまとめあげることができた。ヒューストンでは良いプレーができたし、先週の『マスターズ』では更に良いプレーができ、今週に至っては絶好調時に徐々に近付きつつある」。
「アジアではいつも良いプレーをしてきた。ここでのボールストライク率は本当に良いんだ。なんでかよく分からないけれど、暑さか食事か何かのおかげだろうね」。
フロントナインを「32」でラウンドしたコルサーツはウェストウッドを1打差で追っていたのだが、後半は8つのパーと1つのボギーで回るのが関の山で、この日のスコアを「69」とし、2日目を「65」でラウンドして一時は暫定首位に立っていた世界327位のラスクーナと並んでいる。
2日目を「66」としたイングランドのダニー・ウィレットは通算8アンダーにつけ、更にその1打後方には、2日目をそれぞれ「67」、「68」、そして「69」でラウンドした、同胞のアンディ・サリバン、スペインのエドアルド・デ・ラ・リベ、そしてフランスのジュリアン・ケンがつけている。