松山英樹は何番手? 「WGC HSBCチャンピオンズ」優勝候補番付
2013年 WGC HSBCチャンピオンズ
期間:10/31〜11/03 場所:シャーシャンインターナショナルGC
欧州勢の追撃をかわしたD.ジョンソンが上海で戴冠
上海で開催された「WGC-HSBCチャンピオンズ」最終日は、後半に素晴らしいゴルフを展開したダスティン・ジョンソンが欧州勢の猛追を振り切って優勝を飾った。
米国のジョンソンは、スタート時点であった3打のリードが序盤の2ホールを終えた時点で水泡に帰す苦しい展開ながら、最終6ホールを5アンダーとして勝負を決定付ける見事なリカバリーを見せ、シェーシャンGCでの最終日を「66」でラウンドし、通算24アンダーとして前回王者のイアン・ポールターに3打差をつけて優勝した。
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最終組の3人は全員が「66」で最終日をラウンドしたため、ポールターが「ライダーカップ」のチームメイトであるグレーム・マクドウェルに1打差をつけて2位となり、同じく「メダイナの奇跡」の一員で最終日を「63」で回ったスペインのセルヒオ・ガルシアが、3位のマクドウェルから2打差の4位となった。
ポールターに3打差をつけて最終日をスタートしたジョンソンは、1番でいきなり3パットボギーを叩いてしまったのに対し、ポールターは1番と2番で連続バーディを奪い、マクドウェルに至っては1番から3連続バーディを奪ったため、3ホールを終えた時点で3人が首位で並び、勝負は三つ巴の様相を呈した。
その後、ポールターが先行するも、8番と9番でバーディを奪ったジョンソンがこれに追いついた。12番のバーディでポールターが再び先行したが、ジョンソンも13番でバーディを奪って再度肩を並べ、14番では両者ともバーディを奪って、勝負は最終盤へともつれ込んだ。
ジョンソンは、ポールターがガードバンカーからのパーセーブに失敗した15番で単独首位に立ったが、ワンオンも可能なパー4の16番とパー5の18番が残っており、この時点では、まだ勝負の行方ははっきりと定まってはいなかった。
その16番では、最終組の誰もがワンオンを狙いに行かないなか、飛ばし屋のジョンソンはロングアイアンでグリーンの10ヤード手前につけ、そこからチップインイーグルを奪った。
一方、ポールターは外れたように見えたバーディパットがカップの左端に辛うじて引っ掛かりカップイン。しかし、残り2ホールの状況で、通算23アンダーのジョンソンとの差は2ストロークとなった。
その差は、17番でジョンソンが5フィートのバーディパットを沈めたところで3打まで広がり、これによりジョンソンは3日目に池に打ち込んでダブルボギーとした18番を迎えるにあたり余裕が生まれた。
ジョンソンは予想通りティショットでアイアンを選択し、2打目も刻むと、短いバーディパットこそ決め損なったものの、それはポールターやマクドウェルも同様だった。
そのため、順位は動かず、29歳のジョンソンはPGA8勝目を挙げると共に、初のヨーロピアンツアー制覇を果たし、優勝賞金1,012,145ユーロを獲得した。
表彰式でジョンソンは「今日は良いスタートが切れなかった中、ポールターとマクドウェルはとても良いスタートを切ってプレッシャーをかけてきたけれど、スウィングやパッティング自体は良くできていたので、自分のゲームプランに沿ってコースを攻略するよう心がけた。それが奏功したね」と振り返った。
「フロント9の終盤数ホールで本当に良いプレーができたし、バック9は素晴らしかった。彼らのプレーも勝負を盛り上げてくれたけれど、僕は終盤、完全に乗っていたんだよ」
「ここは終盤のホールでバーディが奪いやすいんだ。プレーしていて楽しかったし、彼ら2人と好勝負を演じることができたね。2人のもの凄いプレッシャーに上手く対処できた自分を誇りに思うよ」
ジョンソンはこれまで常にプレッシャーに打ち克ってきたわけではない。2010年にペプルビーチで開催された全米オープンで、最終日に3打あったリードをふいにし、マクドウェルに優勝をさらわれた逆転劇は有名だ。2番でトリプルボギー、3番でダブルボギーを叩いたジョンソンは「82」でホールアウトし、最終的には「74」でホールアウトしたマクドウェルがフランスのグレゴリー・ハブレットに1打差をつけ優勝を果たした。
「あの経験から(成熟と我慢を)学ぶまでは時間がかかったね。数年前は何度かそういったものが備わっていれば思うことはあったけれど、人はミスから学び、それを成長の糧にして行くものだ。今日は、クラブやショットの選定に対し、だいぶ忍耐や規律を見せるとができたと思う」とジョンソンは付け加えた。
「これはおそらく今までで最も大きい優勝だね。これからもっと良いことが起こることを願うよ」
2位でフィニッシュしたポールターはレース・トゥ・ドバイのランキングを4位まで上昇させ、一方でマクドウェルはシーズン最終戦の一つ前の大会となる来週の「トルコオープン」を前に、ランキング首位を走るヘンリック・ステンソンとの差を15万ユーロ以内まで縮めることに成功した。
「良い防衛戦だったんじゃないかな。確かにトロフィーを手にすることができなかったのはちょっと残念だけど、週末に15のバーディと1つのイーグルを奪えたのだから、良いゴルフだったとすべきだろうね」と37歳のポールターは振り返った。
「これで残り数週間はエキサイティングなものになるね。もちろん『ライダーカップ』とレース・トゥ・ドバイに向けて良いポイント獲得もできたしね」
「今は絶好調だ。本当に良いプレーができている。これまで取り組んで来た成果が今大会で実り、これ以上ないというくらいショットが良く、パットも決まっているんだ」