ポール・マギンリーが2014年「ライダーカップ」主将に就任
ヨーロピアンツアー事務局からの要請を受けたポール・マギンリー(アイルランド)は、2014年9月26日から28日の3日間、スコットランド・パーツシィアのグレン・イーグルスホテルで行われる、2014年「ライダーカップ」のヨーロッパチームのキャプテンとして参加する栄誉を手にした。
1966年12月16日、アイルランド・ダブリン生まれのポール・マギンリーは、アイルランド人初となる「ライダーカップ」の主将に就任し、ライバル・アメリカ相手の戦いに挑む。マギンリーは、ヨーロッパチーム歴代24人目のキャプテンに就任することとなる。
ヨーロピアンツアーで4度の優勝を誇るポール・マギンリーは、隔年開催の「ライダーカップ」に2002年から2006年まで3大会連続で出場した経験豊富なゴルファー。特に11年前、初出場ながらベルフライでのウィニングパットを沈めたあのシーンは、多くのファンの印象に残っている。
ポール・マギンリーはホセ・マリア・オラサバル(スペイン)のあとを継ぎ、スペイン人主将が率いたチームが前回大会で起こした「メディーナの奇跡」に続きたいところ。46歳の彼は昨年、主将のオラザバルを支える副キャプテンとしてシカゴの大会に参加したり、同じく2010年はウェールズ・ケルティック・マナー・モード・モンゴメリー大会の優勝メンバーでもある。
マギンリーの「ライダーカップ」初参加は2002年の大会。初日のマギンリーは、パドレイグ・ハリントン(アイルランド)とペアを組んだものの、スチュワート・シンク、ジム・フューリック組に苦杯をなめた。しかしマギンリーは巻き返し、ダレン・クラーク(北アイルランド)とペアを組んだ土曜午後のフォアボールでは、フューリック、スコット・ホッチ組を相手に勝利を収めた。
日曜日のシングルスマッチでは、1打差でフューリックを追いかけていた。残り2ホールとなった17番のティで、4人全員がまばゆいばかりのバーディを沈め、フィリップ・プライスがフィル・ミケルソンを3対2で下した劇的な勝利で、3マッチを残してチームポイントを14まで伸ばしていた。
99年のブルックライン大会で、ヨーロッパチームのサム・トーランスらがすんでのところでトロフィーを逃した劇的なドラマの時、彼らに必要なポイントは、わずか0.5ポイントだったのだが・・・。
両者一歩も譲らず迎えた18番(パー4)の第2打。フューリックはグリーン脇のバンカーへ、マギンリーは左サイドのラフへ打ち込んだ。フューリックのバンカーショットは、あわやカップをかすめる一打となった。そしてついに、マギンリーが光輝く瞬間がやって来た。
マギンリーが最後のパーパットを沈めると、彼はチームのキャプテンや他のメンバーに瞬く間に囲まれて勝利を祝うセレブレーションがはじまった。
初出場ながら優勝を決める重要なパットを沈めたマギンリーではあるが、彼個人のベストパフォーマンスはその2年後、ヨーロッパチームが18.5対9.5のダブルスコアの大差でアメリカチームを下した、オークランド・ヒルズ(米国ミシガン州)での戦いだった。
その年、デトロイトの地でマギンリーは負けなしの3連勝を収めた。ルーク・ドナルドとペアを組んだ初日は、僅か0.5ポイント差でクリス・ライリー、スチュワート・シンクを下した。土曜のフォーサムではハリントンと組み、デービス・ラブIIIとタイガー・ウッズペアを4対3で下し、素晴らしい週の締めくくりとして、日曜のシングルスでは3対2でシンクを下した。
マギンリーのキャプテンシーは、誰もが認めている。「ライダーカップ」においては、ヨーロッパチームの過去2回の勝利にいずれも副キャプテンとして貢献し、英国・アイルランドチームの主将としても、欧州大陸チームを相手に、2009年と2011年の「ビベンディ・セべ・トロフィー」で勝利を手繰り寄せている。
今秋のグレン・イーグルスでも、マギンリーは素晴らしい実績に違わないキャプテンシーを発揮することだろう。米国チームを相手に、過去9大会で7勝している欧州チームを率いるに相応しい。英国・アイルランドチームから欧州大陸の混合チームとなった1979年以降までさかのぼっても、ヨーロッパチームは17戦9勝、引き分け1つと米国チームを圧倒している。
歴代のヨーロッパチームに勝利をもたらした主将を列挙すると、トニー・ジャクリン(1985、1987)、バーナード・ガラーチェ(1995年)、セべ・バルステロス(1997)、サム・トーランス(2002)、バーナード・ランゲ(2004)、イアン・ウースナム(2006)、コリン・モンゴメリー(2010)、そしてオラザバル(2012)がいる(ジャクリン率いた1989年は引き分け)。
「ライダーカップ」のディレクターであるリチャード・ヒルはこう語った。「ポール(マギンリー)がヨーロッパチームの主将の大役を引き受けてくれたことは、大変に喜ばしい。過去3度のライダーカップでのプレー、2002年のウィニングパットを沈めた経験、ライダーカップという独特の雰囲気の競技においても、彼は素晴らしいキャプテン力を発揮することだろう」。
「ポールの綿密なコース戦略、キャプテンとしての情熱。それらは既に多年に渡って実証済みだ。ライダーカップでの副キャプテンや、英国・アイルランドチームの主将としてのビベンディ・セベトロフィーの優勝。それらが多くを物語っている。2014年9月のグレン・イーグルスでは、彼は期待に違わぬ活躍をしてくれることだろう」。