「ニュージーランドオープン」最終スコア
2023年 ニュージーランドオープンby SKY SPORT
期間:03/02〜03/05 場所:ミルブルックリゾート(ニュージーランド)
池村と嘉数が海外で優勝争い 今年やりそうな予感“プンプン”
◇アジアン&豪州ツアー共催◇ニュージーランドオープンby SKY SPORT 最終日(5日)◇ミルブルックリゾート(ニュージーランド)◇コロネットコース(6964yd/パー71)
後半の折り返し10番ホールを終えて、二人の日本人がトップタイに立っていた。
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10番パー5で池村寛世(ともよ)がイーグル、ひとつ後ろの組にいた嘉数光倫(てるみち)も同じ10番でバーディを奪い、一時はトップのブレンダン・ジョーンズに並んでリーダーズボード最上段に日本人2人の名前が躍り出た。
その後、池村も嘉数も果敢に攻めたが、「アドレナリンが出て肝心なところでミスが出てしまった」(池村)と伸ばせず、嘉数も「ずっと同じミスをしていたのに、それを修正できなかった」と失速。後半4バーディ、ノーボギーと圧巻のプレーを見せたジョーンズに追いつくことはできなかった。ただし、最後まで優勝の可能性を残して戦えたのは、「収穫の多い4日間でした」と2人とも口をそろえて言う。
最終的に2位タイに入った池村は、今年2月に出場したアジアンツアー2戦では予選落ちが続いたが、「一度日本に帰った5日間で復調しました」と浮上のきっかけをつかんでニュージーランド入りしていた。
「クラブ調整も兼ねて名古屋で近藤(共弘)さんとラウンドしたんです。『コントロールショットを左に引っかけることが多くて…』と相談したら、『ボールをもっと中に入れたら』とアドバイスを受けました。おかげで今週は100~120ydのショットが本当にうまくいった。アイアンの長さも0.5インチ短くしたことで、ボールの近くに立て、縦に振れるようになったのも良かったです」と先輩の助言に手応えを感じた様子。
勝っていればアジアンツアーの2年シードが手に入った。「アジアンツアーのシードが欲しかったし、チャンスもあったから正直悔しいですね。でも(国内ツアー)開幕前にいい結果が出たので、自信を持って開幕に望めます」。次戦のアジアンツアー「インターナショナルシリーズタイランド」に向かうため、足早に会場を後にした。
一方、嘉数は最終的に12位タイでフィニッシュした。海外での初優勝に届かなかったものの、「優勝争いできたのはいい経験。今日も前半崩れそうなシーンがありましたが、あそこで耐えられたのは成長を感じています」と、4日間の戦いには満足している様子。
思えば嘉数は、昨年から好調を維持している。
昨シーズンは、国内下部のABEMAツアーで活躍し、今季のレギュラーツアーの裏シード(前半戦出場権)を早々に決めると、後半戦にはレギュラーツアー出場わずか4試合で賞金ランク43位に入り、フルシードまで確定させていた。今週もショットの安定感が際立っていて、「ティショットはずっと調子が良くて、得意なクラブと言ってもいいです。去年の10月にピンのG400MAXからG430に変えたのも功を奏して、曲がんない感じはそのままでちょっと飛ぶようになりました」
好調のもうひとつの要因がパッティングだ。「昨年の初頭にパッティングスタジオでミスの傾向を調べてもらったんです。タッチが合わないと相談をしたところ、『ストロークのテンポが遅いから球が飛ばせない(ショートする)。ゆっくり上げて球が飛ばないから、反応してインパクトが強くなったりフォローが大きくなったりしている』と指摘されたんです」。そこからバックスイングのテンポアップを図り、「2カ月後に自分に落とし込めるようになりました」。ちょうどパター(オデッセイ TRI-HOT 5K #2)を変えたタイミングとも重なり、パッティングにも安定感が生まれた。
「去年少ない試合でシードも取ることができて、数試合での上位は自信になっています。優勝争いもできているし、今の調子も含めてかなり楽しみです」。そう目を輝かせながら語った。
池村も嘉数も今年の男子ツアーを盛り上げてくれそうな予感、たっぷりだ。(ニュージーランド・クイーンズタウン/服部謙二郎)