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ジェリー・ケリーはミラクルショットで次戦進出 オギルビーも

2014/09/02 15:38

By Helen Ross, PGATOUR.COM

「ドイツバンク選手権」3日目の午後、会場のTPCボストンを離れ、空港へと向かっていたジェリー・ケリーにとって、その後の展開がどうなるのかは不透明だった。

フェデックスカップポイントランキングで60位の状態で、今大会を迎えた。次週のプレーオフ第3戦「BMW選手権」の出場権を得られる70位よりも10位上だ。だが、大会初日から時折襲う腰の痛みに苦しめられ、3日目終了時点で試合の順位は59位タイに。フェデックスカップランキングの70位というラインも危うくなっていた。

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9月1日(月)の最終ラウンドでも、ホールアウト間際まで順位に変動はなかった。しかし、17番ホールでボギーを叩いたため、最終ホールでなんとかしなければいけないと分かっていた。パー5の18番ホールは、今大会で2番目に易しいホールだった。

3番ウッドで放った第2打は、ピンから1メートル強のところで止まり、イーグルチャンスが到来。パットを決めてホールアウトした時点では、ランキング66位だった。その後の結果がどうであれ、ケリーはプレーオフでの自身の戦いぶりに満足していた。

彼はスコアカードに署名した直後「17番ホールを後にしながら、“このホールのことを来季まで引きずってはダメだ”と自分に言い聞かせていた」と告白。「(次のプレーオフに)進むべく全力を出したと(ギャラリーに)分かってもらおうと、プレーするんだ。その上で他のプレーヤーに負けたら、それは仕方がない」。

「だけど最後のホールでのイーグルを獲っても、すぐに僕の順位が下がるのなら、自分は来季の最初の大会までゆっくり休めるだろうとも思っていた。気まずい状態で表に出たくなかったんだ…結局、なるようにしかならないんだよね」。

その“なるようにしかならない”を体現したのが、ランキング97位で今大会に臨んだロバート・ストレブだった。ストレブも18番でイーグルを獲り、通算9アンダーの9位タイでフィニッシュ。ケリーは71位に下がった。もっとも、ストレブと並んでいたロリー・マキロイジェイソン・デイが最終18番でそれぞれバーディを奪い、さらに上位でフィニッシュしたこともあり、ストレブはランキング70位内に入ることはできなかった。

結果、ケリーはストレブに2ポイント差をつけて70位に。フェデックスカップのプレーオフでは、こういったし烈な状況になることもある。

一方、ジェフ・オギルビービリー・ホーシェル、チェソン・ハドリー、カール・ペターソンモーガン・ホフマン、そしてベン・クレインの6人は、TPCボストンでの最終日にポイントランキング70位以内に入った。プレーオフ第3戦「BMW選手権」は、米コロラド州デンバーのチェリーヒルズCCで、9月4日からスタートする。

オギルビーは「ドイツバンク選手権」を2位タイで終え、6人の中でも大躍進した。同大会の参加資格が得られるランキング100位と、かろうじて参戦できたオギルビーは順位を76も上げ、24位に浮上した。先週の「ザ・バークレイズ」で予選落ちした際は101位だったため、休暇が長くなるだろうと、すでにアリゾナの自宅へ向かっていたというのに。

だが突然、最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」への出場を狙える位置に。実現すれば同大会が行われるジョージア州イーストレイクGCで1,000万ドル(約10億円)のボーナスを手にするチャンスだけでなく、来季の最初のメジャー3大会やインビテーショナルへの出場権も得られるのだ。

5週間前の「バラクーダ選手権」で優勝し、プレーオフに参戦したオギルビーは「優勝した今、(プレーオフ最終戦での勝利が)最高のものだね」と話していた。

同じく2位タイのホーシェルは、一気に62位もアップして20位に。単独2位の可能性もあったが、最後の18番で第2打が湿地へと消え、ボギーとしてしまった。

「本当にやりきれない。まさかのボギーなんて、フェデックスカップのランキングで10位以内になる可能性を失ったようなものだからさ」と、悔しさをにじませたホーシェル。「もう少しいいプレーをすれば、安定したポジションを手に入れられたのに」。

「だけどいいんだ。この大会に出られたし、『BMW選手権』に出られるようにいいプレーをしなければいけなかった。そしてアトランタでの最終戦に出場し、1,000万ドルを手にするポジションもね。今週は、多くのポジティブな要素があったよ」

一方、ランキング93位でTPCボストンにやって来たペターソンは、最終日で「66」をマークし、通算9アンダーの9位タイでフィニッシュ。ランキングも66位にアップした。ペタ-ソンには、2通りのフライトがあった。一つは自宅のあるローリーへ。もう一つは今大会で好成績を残せば行けるデンバーへのフライトだ。

スウェーデン出身のペターソンは、最終18番で2、3度危うい局面に直面。第2打が足りず、フェアウェイ左から長距離のチップショットを打ち、最後は3メートル半のパットを沈めてパーセーブに成功した。

「あの時はとても緊張したね」と振り返ったペターソン。「重要なパットだとは理解していた。バーディを奪えれば、またとないチャンスを手に入れたかもしれない。だけどグリーンでまごついてしまった。2、3度深呼吸をして、しっかりと集中しなければならなかった。カップインした時はうれしかったよ」。

先週の「ザ・バークレイズ」では予選落ちしたPGAツアー5勝のペターソン。フェデックスカップのプレッシャーを、大会で勝とうとするプレーヤーのそれになぞらえた。「とにかく上に行き、シーズンを終わりにしたくないと思うんだ」と言う。

また、ホフマンがプレーオフに参戦するのは今回でやっと2年目。だがサバイバルテストにくらいついているようだ。

実のところ、ホフマンは「ウィンダム選手権」で予選落ちしたにもかからず、ポイントランキングでは124位で辛くもプレーオフ出場権を手に。それから1週間後、自分が育ったニュージャージー州の町から車で10分の場所でプレーしていた。彼はその「ザ・バークレイズ」で9位タイに入ったことでランキングでも72位になり、今回の出場権を手にした。

今回の「ドイツバンク選手権」を35位タイだったため、ランキングの順位は4つアップしただけ。それでもチェリーヒルズでプレーするには十分だった。ホフマンは、こういった一連の流れは“楽しい”と言う。

「気持ち的には、大学時代に戻ったようだ。のびのびとプレーしては楽しみ、スコアボードもあまり気にしていなかった。自分のプレーをして、果敢に攻めるという、お気に入りのやり方をしていただけだよ」

ベン・クレインは最終日で「72」と振るわなかったものの、こちらも次戦への切符を手に。この日のフロント9を「33」で回った時は通算9アンダーだったが、バック9でダブルボギーを2つ記録するなど後退。最終18番ホールではアプローチショットが湿地につかまり、調子を崩した。

「17番でのバーディで、うまいこといけると思ったんだ」と振り返るクレイン。「そして迎えた18番、(自分のキャディから)4打か5打でホールアウトできれば大丈夫だろうと言われた。だから攻撃的にいったんだけど、セミラフに捕まって残念な結果になった」。

「その時の僕は“オーケー、最終ホールでしくじったからダメかもね”って感じだった。だけどまだチャンスはあるようだね」。

結果、その言葉通りになった。

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