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ついにベールを脱ぐ!?デュバルに続きタイガーもナイキのクラブを使用するのか!?

デビッド・デュバルが全英オープンに勝ったとき、キャディバッグの中のアイアンはほとんどがナイキのプロトタイプだった。さあ、ここで問題。
Q:デュバルはアメリカに戻ってきてから、ナイキ製のドライバーと3番ウッドを使っているか?(全英のときはタイトリストのドライバーにソナーテックの3番ウッドだったが・・・)
A:イエス。ナイキ製のメタル・ウッドだ。でも、ナイキのクラブデザイナー、トム・スティーツ(Tom Stites)に言わせると「ちょっと偽装してある」とのこと。ナイキのクラブに関してはある程度推測の入り交じった話にならざるを得ない。つまるところ、ナイキ製クラブの存在はまだ一般に知らされていないのであり、来年1月のPGAマーチャンダイズショーになるまで公表されないのである。

というわけで、私は心ゆくまで存分に推測をさせていただこう。2002年にはデュバルのバッグの中はすべてがナイキのクラブになっているだろう。ウッドもアイアンも、ウエッジもパターも。しかし、ビッグニュースはタイガー・ウッズ。来季はウッズもナイキ製のクラブを何本かバッグに入れるだろう。いえ、私の推測だが、ありそうな話ではある。いまは、ウッズのクラブはすべてタイトリスト製。ドライバー、3番ウッド、アイアン、ウエッジ、パター。でも替わることは疑いようがない。すでにウッズがナイキのクラブを試しているのは目撃されている。
フレッドマイヤー・チャレンジでは学ぶところが大きかった。毎年恒例のこのお祭りイベント、今年は8月6日と7日にオレゴン州アロハのリザーブ・ヴィンヤードGC で行われ、ホストをつとめるのは47歳のピーター・ジェイコブスン。ここ数年、体調不良や次から次のケガに悩まされているが、政治家としての道も検討すべきだ。彼にはそこにいる人々を一体にして喜ばせ幸せにする、並はずれた才覚がある。

ところで、デュバルはこの36ホールのイベントでナイキ製のドライバーと3番ウッドを使っていた。ナイキは12の常得意から代表者を飛行機で招待し、ゴルフ観戦とデュバルによるプライベート・レッスンを振る舞った。そう、それに新しいナイキのクラブのお披露目もだ。新製品紹介のためのナイキの戦略だが、新しいクラブがどんなものなのかを、少なくともそこにいた12人は知っているわけである。
大学バスケットボールのコーチたち36人も会場に来ていたが、彼らの多くがゴルフクラブに関心を示して騒いでいた。しかし、ナイキ側に拒絶されていた。
いくつかの報告とは相反して、ウッズは例のバトル・アット・ビッグホーンのとき、ナイキのクラブをバッグに入れてはいなかった。しかし、ゴルフクラブについてのナイキの戦略の要はウッズである。ウッズがボールをナイキに替えたときには、ナイキのボールは即座に世の中の信頼性を勝ち取ったのであった。クラブについてもナイキは同様の展開を狙っている。ただ、ウッズにはクラブを替えなければいけない義務はない。ウッズがクラブの使用契約をしているのはナイキではなくタイトリストである。

ウッズとしてはみんなが言うようにクラブを替えることはしないだろう。時期がとことん煮詰まってくるまでは。しかし、思い出しておかなくてならない。2000年春、ウッズは突如としてナイキのボールを使い始め、ナイキの関係者までも含めて誰もが驚いたのだった。ナイキ側としてはもっと時間がかかると考えていたようだ。とにかく、ウッズはナイキのボールに替えたとたんにメジャーを4連勝したのである。

ウッズが再び大胆な転換を図り、クラブをナイキ製にするのかどうか。ナイキのクラブはテキサス州フォートワースの技術センターにいるスティーツ氏がすべてデザインしている。現時点で私が入手しているナイキのクラブのラインナップは次のようなものだ。アイアンのモデルは3種類で、すべて鍛造。ドライバーには2種類のチタン製モデル。一つはヘッドがコンパクトなタイプである。フェアウエイウッドもある。ウエッジもだ。パターもすぐに加わることになっている。つまりナイキはすべてのクラブをそろえるわけである。いまのところ興味深いのはナイキが鍛造アイアンを採用することだろうか。スティーツ氏はそれに関しては完璧な適材だ。彼は鍛造アイアンで有名なベンホーガン社でクラブデザインの仕事を始めた人物なのである。

「ナイキの基本路線として、私たちは世界のベストアスリートのための製品を作ります。ゴルフについても同じ。最高のゴルファーは鍛造アイアンを求めると思っています。市場の9割にあたるゴルファーには鋳造アイアンがふさわしいとされていますが、私たちは少なくとも当初は鋳造にはしません? ナイキ社ゴルフクラブ部門のディレクター、マイク・ケリー氏はそう語る。アイアンのモデルの一つは完全なブレードタイプである。多くのPGAプレイヤーが好むマッスルバック・アイアンだ。のこりの二つはキャビティーのあるタイプ。一つはキャビティーの浅いタイプで、もう一つは深い。

スティーツ氏は、デュバルが現在使っているのはブレードだが、今後、彼はブレードと浅いキャビティーを合わせて使うことを検討していると言っている。ショートアイアンからミッド・アイアンまではブレードで、ロングアイアンは浅いキャビティーというように。

何人かのツアープレイヤーたちと話をすると、ナイキがクラブづくりにかける真剣さがわかる。そのツアープレイヤーたちはフォートワースにあるナイキのデザインセンターへ来てフィッティングを受けるよう求められた。

「ツアーではいま、かなり盛り上がっていて驚いてしまいます。エージェントではなくて、プレイヤー本人が電話してくるのです。彼らが求めているのは、すばらしいアイアンのセットを作ってもらうことなのです」

ナイキ・ゴルフの国際スポーツマーケティング・ディレクターのケル・デヴリン(Kel Devlin)氏は言う。

スティーツ氏はシャフト選定からはじめて、次にヘッドを削り出す。アイアンヘッドは完全に削り出され、磨かれ、角度の調整が行われたのちに、クロームメッキが施される。ホーゼルのオフセットの度合いや、リーディングエッジ、トップラインに至るまですべてがカスタマイズされる。

このことはもちろん、すべてのプロのアイアンセットがこの世に二つとはないものになるということを意味している。カレッジのプレイヤーもすでにナイキのアイアンを試しているが、彼らの場合はそうはいかず、ケリー氏の言葉では「ほかに適切な言い方がないが、標準の」ヘッドを使用して、個々のプレイヤーにあったスペックに仕立てあげられる。

ナイキはこれまでに多額の資金を投入してゴルフクラブ部門を立ち上げている。商談を持ち掛けてくる小売業者は以前よりも安心して訪れるようになっている。デヴリン氏はかつてを思い出して言う。

「3年前、このフレッドマイヤー・チャレンジに来ていた顧客の中には私たちには用はないという人たちがいました。彼らはナイキ・ゴルフが好きではなかったのです。ここへ顔を出すこともありませんでした。一人だけ、ここへ来てボブ(ボブ・ウッド;ナイキ・ゴルフ社長)にむかって、自分は二度とナイキとビジネスをするつもりはないといいました。だけど、今回、彼は来てましたよ」

ケリー氏はナイキの戦略の一端を説明してくれた。
「この産業には問題点があって、私たちはそれを変革しようとしてちょっと探っているのです。商品の寿命は財務的に見るといま、ひどい状況なんです。それは小売業者にとってもメーカーにとっても同じです。12か月ごとに新製品が出ます。価格は崩れてしまいますし、売り払うための廉売となります。販売量はどこも上々の数字になりますが、利益を上げている者はほとんどいないのです。私たちにはできることがあると感じています。流通や、市場のセグメンティングの分野で。私たちは常得意の小売店をパートナーとして扱っています。彼らに十分なマージンを示したいと考えているのです。小売業者が大もうけをする時代ではなくなっていますが、私たちは状況を立て直す一助となりたいのです」

シリアス・ゴルファーならナイキが豊富な選択肢を用意していることがわかるだろう。たとえば、ナイキはシャフトメーカー12社と取引をしている。精密鋳造アイアンは、鍛造モデルに引き続いて導入されるだろう。ナイキは、かつてシューズやアパレル、そして、ゴルフボールでやってきたように、ゴルフクラブ市場でも勢力を拡大している。それはすべてナイキのイメージに反映されていく。ケリー氏はかつてテーラーメード社の社員だった。彼はナイキの社内でゴルフクラブのデザインを決めるときの話を教えてくれた。

「8人が部屋にいて、テーブルには15種類の異なるデザインが並んでいます。20分間のセッション一回で、私たちは自分たちがどれを求めているのかについて合意に達します。あとは次のステップへ仕事を進めるだけです。テーラーメードでは、同じことをするのに3か月をかけていました」

ナイキのやり方には、いつでもかすかな傲慢さが含まれていると言えなくもないが・・・。
BY JAMES ACHENBACH(GW)

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