永井花奈は66ランクアップの147位に/女子世界ランク
2022年 アジアパシフィック女子アマチュアゴルフ選手権
期間:11/03〜11/06 場所:サイアムCC(タイ)
小さくなる声、刻み続けたパー5 馬場咲希がタイの4日間で変わったこと
◇アジアパシフィック女子アマチュアゴルフ選手権 最終日(6日)◇サイアムCC ウォーターサイドコース(タイ)◇6309yd(パー72)
きょうも刻もうと思っていた6番(パー5)の第2打は、アイアンをやっぱり3Wに持ち替えた。「きょうは攻めてみようと思った」と振り返った馬場咲希(代々木高2年)の声に、少しだけ力が戻った。
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各国から集まった86人が、優勝者に与えられる23年のメジャー2試合と「オーガスタ女子アマ」の出場権を競い合う。この“副賞”を、馬場は8月「全米女子アマ」の優勝で獲得済み。気持ちの面で少し余裕を感じてもいいはずなのに、ずっと緊張感が漂っていた。
「結果を出さないと、自信を取り戻せない」。10月には「富士通レディース」と「マスターズGCレディース」に出場したが好成績を残せなかった。1週空けてタイに渡り、本大会を終えてすぐ「伊藤園レディス」(11日~13日/千葉・グレートアイランドC)、「大王製紙エリエールレディス」(17日~20日/愛媛・エリエールGC松山)の連戦が待っている。納得のいく結果を求めて試合の予定を詰め込んだ。
タイに来ても、ショットとパットがかみ合わないまま3日が過ぎた。ショットで攻めきれず、焦るほどバーディパットも入らなくなる。「苦しいゴルフだった」と話す声は日を追うごとに小さくなった。
そんな娘を見かね、最終日は父・哲也さんが久々にキャディを申し出た。以前はよくバッグを担いでいたが、全米女子アマからはなかったツーショット。久々に一緒に歩くフェアウェイに、馬場の顔に笑顔が戻った。
14ホールを終えてボギーなしの4バーディ、この時点でトップ10まで上がって来た。残りふたつのパー5は、2打目で攻めればグリーン周りのフェアウェイが狭くなる。3日間はほぼ刻む選択肢をとってきたが、哲也さんの「行きな」の言葉に背中を押されて後半6番、8番(パー5)の第2打は3Wを振り切った。ともにグリーン近くまで運んでバーディを奪い、「66」でホールアウト。最終日のベストスコアをマークして、通算6アンダー6位で締めくくった。
「いい終わりかたは、できたかな」と控えめに笑った。「自信がすごくあるわけじゃない」と話していた開幕前。胸を張ってクラブを振れる日まで、もう少し。(タイチョンブリ/谷口愛純)