「関東七倶楽部」ほか、東京近郊のゴルフ場はどう対応?
クローズしたゴルフ場 専門スタッフは何をしている
2020/04/15 07:10
ゴルフ場がクローズになった場合、そこで働く専門スタッフたちは一体どうなるのだろうか?不要不急の外出を避け、自宅待機する人ばかりとは限らない。日本ゴルフジャーナリスト協会の井手口香氏がレポートする。
■ キャディさんの場合
緊急事態宣言が発令されてクローズになったゴルフ場のキャディさんに話を聞くことができた。「正社員は引き続き出勤して目土やその他の作業を行います。それから新人キャディの研修も行うことになっています」
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別のゴルフ場のキャディさんは「クローズの間は自宅待機です。でも、身体を動かしたいのでコースの目土をしながら18ホール歩きたいです」と言う。しかし、勤務先のゴルフ場からは原則自宅待機の指導を受けているという。
クローズ期間中の休業補償に関してはまだ決定していないところが多いというが、あるゴルフ場ではキャディへの補償額が1日4000円、別のところは8000円と、各ゴルフ場の財政事情により様々のようだ。
ゴルフコースは「3密(密閉、密集、密接)」とはほど遠い環境にある。自宅で自粛しているゴルファーの友人がこんなことを言っていた。「プレーができなくてもいい。ゴルフ場に行って、私も目土しながら18ホール歩きたい!」。クローズ中のゴルフ場が目土作業のボランティアを募集してくれないだろうか?
■ コース管理スタッフの場合
一方で、コース管理に携わるスタッフはキャディとは状況が違う。コースがクローズになっても「芝」は生き物であり、コース維持のために手をかけ続けなければならないからだ。
あるゴルフ場のグリーンキーパーは「最初のうちは消毒などの最低限の維持管理で、2日に1回程度スタッフを出勤させます。20日以降は(グリーンの)更新作業や刈り込みなど出てくるので、いつでも開けられる準備をしながら行っていくつもりです」といい、キーパー自身はグリーンチェックのため毎日出勤するそうだ。
別のゴルフ場は「コース管理スタッフはコロナ対策をしっかりしながら通常業務を行います。ただ、朝の出勤時間を見直すことにしています。あと、キャディさんたちに作業のお手伝いをしてもらうことも予定しています」という。朝の業務開始がいくらか遅くなるとはいえ、いつも通りコースへ向かうのはクローズになっても変わらないようだ。
だが、こんな弱音も聞こえてくる。「先が見えないので困っています。あと、極力経費を抑えるように言われていますが、収入がないのでグリーンの薬剤は買いますが、他の資材はなかなか注文できません。給料も減るので考えさせられますね。実際、周りのゴルフ場は営業をしているので…」。
通常、コース管理スタッフはプレーヤーがスタートする前の早朝にグリーン刈りやカップ切りを行って、夕刻には清掃作業など、かなりの業務をこなしている。その苦労が報われるのは、やっぱりゴルファーに喜んでもらえたとき。誰もが、これまでの日常を待ちわびている。