契約を一新! 石川遼のクラブセッティング
2013年 ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション
期間:01/17〜01/20 場所:PGAウェスト(パーマーコース)(カリフォルニア州)
PGA Tour Rookie / Ryo Ishikawa(1) ルーキーイヤーのスケジュールは?
石川遼の米国男子ツアー(PGATOUR)本格参戦が始まった。昨季、同ツアーで、賞金ランキング108位相当の約87万ドルを稼ぎ出してシード権を獲得。プロ6年目のシーズンはここ数年と同様に米国の地で迎えたが、新たにそのツアーメンバーという栄誉と責任を背負って「ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション」でティオフした。
この2013年シーズンの3戦目を自身最初の試合として選んだ石川は、その理由を昨年12月にアジア選抜として出場した「ロイヤルトロフィ」後にトレーニング期間を設け、フィジカル面の調整に充てたためと説明した。さらに「せっかくのルーキーの年なので、シードをキープするためにも、できるだけたくさんの試合、出たことのない試合に出ることを考えている」と付け加える。2009年の米ツアー初挑戦から昨年まで、石川は実に40試合以上に出場。既に名を知られた存在であり、春先の参戦は慣れ親しんだものだが、これまでの4シーズンとは明確な“線引き”をしている。
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今大会でプレーするPGAウェスト・パーマーコースなど3コースは、キャリアで初めて訪れた場所。結果も注目されるデビュー戦だが、その舞台でヤーデージブックに入念にメモを取りながらプレーをする。「初めてのコース、初めての土地での移動はストレスもある。でもそれをルーキーイヤーに経験するのが重要かなと。それを乗り越えられれば、来年からラクになるのかなって。それが、ルーキー」と、あえていばらの道も突き進む覚悟だ。
しかし新しい考えを持ちながらも、スタイルを崩さない部分もある。それは出場試合数の多さ。年間40試合前後をプレーする石川に「休養も必要」という声は少なくない。だが今大会に臨むにあたり「正直、1か月も試合に出ていないのはイヤだなって思う。2週間でもちょっと長く感じてしまうかも。シーズン中も2週間連続で試合に出ないというのは、(自分の意思に反して)そうなってしまえば仕方がないが、自分ではあえてそんなスケジュールを組みたくない」と話した。年齢と実績の違いゆえ、比較すべきかはともかく、ロリー・マキロイの今季の出場予定試合数は、昨年よりも少ない22試合だとか。だが石川はあくまで試合で技術を磨く姿勢を貫くつもりだ。
一方で頭には日本ツアーとの両立への思いも。米ツアーは今年からスケジュールが変更され、この13年シーズンは9月で終了。そして10月からは翌13-14年シーズンが開幕する。「こちらの開幕の時期が日本でのビッグトーナメントの時期。日本オープンもあるし・・・。アメリカ、ヨーロッパの選手にとってメリットがある仕組みなのかなと思うが、10試合までいかないにしても、毎年日本のツアーに戻りたい」と長距離移動を考慮した慎重なスケジュール調整が求められる。
では日本で何試合に出るのか、どのタイミングで米国から戻るのか。石川はその判断基準を「手応え」とした。「こっちのシードを取るのが一番大きな目標ですし、そのメドが立って初めて日本に帰れるのかなと思う。確信をつかんだ状態で帰りたい。アメリカのシードもままならない状態で、戻りたくない。『このくらいの結果、内容であれば日本に帰って数か月後でもまたシードを得られるんじゃないか』と得られれば、帰ってもいい」。
日米ツアーを掛け持つこと、両立することは理想だが、それもまずは米国での「成功」があってこそ。胸を張って、日本へ。「自分にとって非常に大きなモチベーション」。数ある目標のひとつには“凱旋帰国”が確かにある。(カリフォルニア州ラ・キンタ/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw