完全優勝<デービッド・スメイル> アコムインターナショナル
1998年 アコムインターナショナル
期間:11/05〜11/08 場所:セベ・バレステロスGC泉コース(福島)
やった! 横尾要、ついにツアー勝利!
これがあの横尾要だろうか? そんな不思議な気がしてくる。好位置をキープしては崩れ去るパターンでこれまで何回となく勝利を逃がし続けてきた逸材が、ついに4日間トップを保ち続ける完全優勝。最終日も6バーディ(12点)、2ボギー( -2点)。通常のストロークに当てはめれば68という立派なスコアをマークして逃げきった。
同じ日大出身、同級生とはいえ宮本勝昌も容赦なく迫った。こちらは8バーディ(16点)、2ボギー( -2点)。ストロークなら66という素晴らしい内容だったが、しかし追いつくことはできなかった。
差は結果的には3ポイント差。この3差は通常の3ストロークとはまったく違う。ダボを一つ叩いただけで消え去る。あるいは相手がイーグルをとった瞬間に逆転されてしまう。そんなポイント競技のスリリングな面を充分満喫させてくれる好試合だった。
「目茶苦茶、嬉しい!」が横尾の第一声だった。「宮本が前半に6バーディ。このヤローと思ったときもあったけど、でも結果的には彼が試合を面白くしてくれた。最後はウィニングボールをどこに投げようかなんて考えて、キャディと相談したり」
キャディをつとめてくれたのは高校時代の同級生・竹淵クン(研修生)。敵も味方もグリーンの上はまるで身内だけのような雰囲気になってしまった。ま、ワリを食ってしまったのが吉村金八だけど。
「宮本には2ポイント差まで追いつかれたけど、前半にバーディとり過ぎてたからね。もうそんなに取れないだろうと思った」と、けっこう余裕すらあった。
しかし試合が終わってみると、はやり楽ではなかった実感が残る。「逃げきれると思ってはいた。でも思ったより初優勝は辛かったです」
これまで仲間の宮本や片山が勝つたびに祝勝会に出席してきた。もちろん素直に祝福はした。みんなは「そのうち勝てるよ」となぐさめてくれる。しかし辛かった、と言う。ついに、ようやく勝てた。