感情と、自らのゲームをコントロールするタイガー・ウッズ
2001年 全米オープン
期間:06/14〜06/17 場所:サザンヒルズCC(オクラホマ州)
耐え抜いた!R.グーセンがイーブンでまわり初のメジャータイトルを掴んだ!
前日、最終日の18番ホールを3パットのボギーにしてしまった、R.グーセン、M.ブルックスの2人によるプレーオフが行われた。
目前にした“優勝”を逃してしまったという萎縮した雰囲気はまったく無く、両者ともに整然とした表情でティグラウンドに現れた。
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1番ホールは両者パー。ブルックスは2オン2パットだったのに対し、グーセンは2打目をバンカーに入れてしまったが、3打目はカップをかすめるリカバリー。まったく表情を変えないところは18ホールのストローク対決だが、マッチプレーのような雰囲気が漂ってきた。
先にスコアを伸ばしたのはブルックス。4番パー4でピン横2メートルからのバーディパットを決めた。しかし、6番でグーセンもバーディを奪い1アンダーで並んだ。
続く7番では、ブルックスがボギーを叩き、集中力が切れたのかその後もボギーを3つ叩いた。対するグーセンは9、10番とブルックスがボギーとしたホールを連続でバーディを奪い、この時点で5打差をつけた。
3アンダーまで伸ばしたグーセンは、終盤ボギーを叩きスコアを落としたが、最終18番ホールではピン手前3メートルのボギーパットを確実に沈め決着をつけた。
南アフリカ出身のグーセンは、この全米オープンに2勝しているE.エルスと同じ年齢で、現在は豪州ツアーに参戦中だが、この優勝を期に米ツアーに加わることも視野に入れている。
【プレーオフ スコア】
Hole 1 2 3 4 5 6 7 8 9 (OUT) 10 11 12 13 14 15 16 17 18 (IN) Total
Par 4 4 4 4 5 3 4 3 4 (35) 4 3 4 5 3 4 4 4 4 (35) 70
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R.グーセン 4 4 4 4 5 2 4 3 3 (33) 3 3 5 5 3 4 4 5 5 (37) 70
M.ブルックス 4 4 3 4 5 3 5 3 5 (36) 5 3 5 5 3 4 4 3 4 (36) 72
息詰まる優勝争いは翌日18ホールのプレーオフへ。(6/18)
我慢比べ。そんな状態の最終日。メジャー5連覇を狙うタイガー・ウッズのつまずきに、優勝争いは最後の最後までわからない展開となった。上位選手はスコアを伸ばすというより、いかにパーセーブして行くかという状態で、脱落したのはメジャー初優勝を狙うワールドランキング2位、現在賞金ランキングでもタイガーに次いで2位のP.ミケルソン。そして、今シーズン米ツアー初優勝を果たし波に乗る、スペインのS.ガルシアといったスター選手だった。
終盤に入り優位にたったのは、最終組の2つ前を行くM.ブルックスと最終組のR.グーセン(南アフリカ)、S.シンク。この3人の中では唯一ブルックスが1996年の全米プロゴルフ選手権でメジャーに勝っている。そのブルックスが、落ち着いたプレーで最終18番を5アンダーで迎えた。しかし、2オンに成功したものの、3パットのボギーで4アンダーにしてしまった。
最終組は17番でシンクがバーディを奪い5アンダーのグーセンに並び、最終18番に入った。両者ティショットはフェアウェイに放ったが、シンクの打った第2打はグリーン奥のラフへ。対するグーセンはピン横3メートルにオン。シンクのアプローチは弱く、距離のあるパーパットは惜しくも外れた。そして「お先に」という感じで打った50センチ程度のボギーパットも外し3位に後退してしまった。
これで、残り3メートルを2パットでグーセンの優勝。おそらく本人も思ったであろう。しかし、ファーストパットは70センチほどカップをオーバー、返しのウィニングパットもカップの右をすり抜けてしまった。ギャラリーの落胆の声もグーセンに突き刺さった。しかし、再び集中しボギーパットを沈めブルックスとのプレーオフに持ち込んだ。
明日、18ホールのストロークプレーによるプレーオフが行われる。全米オープンのプレーオフは7年ぶり32度目で、7年前はグーセンと同じ南アフリカ出身のE.エルスが、L.ロバーツ、C.モンゴメリーを破っている。
今大会一度も優勝争いに絡めなかったタイガー・ウッズは2番ホールでボギーを叩いたが、4番、5番でバーディ、7番でもバーディを奪い勢いに乗るかと思われた。しかし、9番でボギーを叩くとその後はスコアを伸ばせなかった。結局この日1アンダー、通算3オーバーの12位タイ、メジャー5連覇の夢破れ、年間グランドスラムも仕切り直しとなった。
2日目以降スコアを崩し7オーバースタートの伊沢利光は、最終日もスコアを3つ落とし通算10アンダーでのフィニッシュ。順位は44位だった。