2012年 WGC アクセンチュアマッチプレー選手権
期間:02/22〜02/26 場所:リッツカールトンGC(アリゾナ州)
初戦突破の遼、起死回生の逆転勝利!
世界ゴルフ選手権「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」の初日、世界ランキング56位の石川遼は、同12位のビル・ハースと1回戦を戦った。スタートの1番で石川がピン奥15mのバーディパットを決めて先制。しかし、3番(パー3)ではビルがティショットをピン横にピタリとつけてオールスクエアに戻した。
続く4番は石川がアイアンショット、アプローチのミスから連続でポイントを奪われる。6番(パー3)で再びオールスクエアとするが、7番、8番と連続で奪われ劣勢となった。その後4ホールは互いに譲らなかったが、13番(パー5)でビルがバーディを奪い、石川は奪えず3ダウンとしてしまう。
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続く14番でビルがバーディを奪えば、4アップで相手の勝利が濃厚となる。しかし両者ティショットをフェアウェイに運ぶと、ここで、石川が起死回生のアイアンショットを放つ。ピン手前40センチにピタリとつけ、ビルはバーディを奪えず、石川は2ダウンに戻した。
続く15番(パー4)は飛距離の出る選手ならば1オンが狙えるホール。両者ドライバーでティショットを放ち、石川はグリーン手前8ヤードまで運んだ。ピン手前3mからバーディを奪えなかったビルに対し、石川はピン上3mを沈めて1ダウンに。
16番は互いのパープレーで分け、ビルが奪うと勝利が決まるアップドーミーホールに突入。フェアウェイから先に打った石川の2打目はピンをかすめて奥5mに2オン。これを見たビルは、ピンの手前に1バウンドするとピン奥1.2mにピタリとつけた。石川は決めなければ敗戦が決まりそうな場面で渾身のバーディパットをねじ込みガッツポーズ。対するビルは、このパットを外してしまい、ついにオールスクエアとなった。
流れは完全に石川ペース。最終18番も互いにフェアウェイをキープしたが、先に打ったビルの2打目はグリーン手前に落ちると、傾斜を下って斜面の最下部へ。石川の2打目は同じような弾道となったが、ピンの手前5mに止まりバーディチャンス。ビルの3打目はピンを8mオーバーし、パーパットはカップの右に外れた。それを見た石川がバーディパットをカップの左50センチに外したが、これをビルがコンシード。石川のパーが確定し逆転勝利が決まった。
「14番のセカンドショットは、開き直ったというか、余計な力が入らず練習場のような力感のないショットができました。あそこから完全にショットが良くなりました。まだ、チャンスは残っていると信じていましたが、まさか5ホールで4つ取れるとは思っていませんでした」と、試合後に興奮交じりに話す。
前週の「ノーザントラストオープン」の優勝者に勝利したこともあり、ラウンド後は米ツアーメディアの公式記者会見に呼ばれ、勝因を聞かれると「自分も苦しかったが、ビルは自分よりも格下が相手なのでやりにくかったと思います。試合が長びけば、自分にもチャンスが出てくると思って戦っていました」と話した。本調子ではない状態の石川だが、気力が生んだ会心の逆転勝利だった。2回戦ではスコットランドのベテラン、ポール・ローリーと激突する。(アリゾナ州マラナ/本橋英治)