2010年 全米オープン
期間:06/17〜06/20 場所:ペブルビーチGL(カリフォルニア州)
遼、絶好のスタートに「本当に達成感があった」
石川遼にとって初めての挑戦となる「全米オープン」。世界最高峰の難度と称されるコースセッティングに、アンダーパーは僅か9人という予想通りのロースコアの展開となる中、石川は4バーディ、3ボギーの1アンダーでフィニッシュ。首位と1打差に迫る4位タイと、絶好のスタートを切った。
10番からティオフした石川は、「練習場では緊張していなかったけど、ティグラウンドに着いてみると“メジャーだな”っていう緊迫感があって体が固くなった」と、スタートホールをボギー発進。だが、直後の11番で7メートルの長いバーディパットを沈め、「入ってくれて、少しラクになった」と振り返る。前半はドライバーが多少荒れ気味ながらも、3バーディ、3ボギーのイーブンで切り抜けた。
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迎えた後半。石川のホールアウト後の言葉を借りれば、「今日は2ラウンドした感じ」だという。「初めての経験の“全米オープン”は最初の9ホールで終わって、後半の9ホールは2度目の“全米オープン”のような感じでした。その言葉どおりに波の荒さは収まり、「パーオンが多かったし、バーディチャンスも多かった」と、バーディを奪えないながらもパーセーブを積み重ねる。最終9番では、4メートルのバーディパットを沈めてのフィニッシュ。「コースや自分との戦いに勝てた感じがして、本当に達成感があった」と、大きなガッツポーズで締め括った。
屈指の難コースをアンダーパーで切り抜けられた要因の1つに、堅実なクラブ選択が挙げられるだろう。この日、パー4のホールでアイアンを手にしたのは実に5回。フォローの風でワンオンも可能だった4番(331ヤード)でも3番アイアンを手にしていた。「日本では無いような攻め方をせざるをえなかった。刻むというよりは、ドライバー以外のクラブでバーディを獲りに行く感じです」。攻める姿勢に堅実さが合わさった、と例えるべきか。明日の2日目にも、大きな期待が寄せられる会心の初日となった。