2009年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/13〜08/16 場所:ヘーゼルティン・ナショナルGC(ミネソタ州)
遼、ハードなピンポジションに苦しみ後退
米国男子メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」で自身初の予選突破を果たした石川遼。通算4オーバーの62位タイと、決勝ラウンドに進出した中では最下位の位置から、どれだけ順位を上げることができるか。午前8時52分、ショーン・オヘアーと同組で1番ティからスタートを切り、未知の世界へと飛び出していった。
晴天続きで、日に日に固さを増していくグリーン。そして、この日は全てのグリーンでカップが左右に振られたシビアなピンポジション。その中にあり、「それほど緊張していなかったし、悪くないスタートだった」という石川は、2番パー4でグリーン奥のカラーから4メートルを直接捻じ込み、幸先良くバーディ。続く3番パー5でも、ピン左手前5メートルを沈め、連続バーディを奪う。
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だが、「バーディとボギーは紙一重だった」というメジャーのセッティングが徐々に牙を剥く。直後の4番では、グリーン奥のカラーからパターで寄せきれずにボギー。続く5番でも3パットのボギーとする。7番パー5では、2打目がグリーン左に広がる池につかまりボギー。後半に入るとティショットも乱れ始め、11番から4連続ボギー。後半は1度しかフェアウェイをキープできず、スコアメイクに苦しむ展開が続いた。最終的に3バーディ、7ボギーの「76」を叩き、通算8オーバーの70位タイに後退する結果となった。
「1日で、これだけマウンド越えのパットを打ったのは初めて」と、厳しいピンポジションに最後まで対応できなかった。パーオン率は50パーセントとそれほど悪い数字ではないが、パット、アプローチに苦しんだ末の31パットが結果に響いた。端々に切ってあるカップを挟み、グリーン上で狭い所、広い所がハッキリと分かれているが、安全に広い所につけるとマウンドが待ち構えている。逆に、外れた時のリスクはあるものの、狭い所に乗せればバーディの確率はグンと高くなる。「遅かったけど、13番で3パットをした当たりから気付きました。明日は狭い方、狭い方を狙って行こうと思います」。つまりは、メジャーでは守りだけではなく、攻めのプレーが求められるということ。攻めに転じる明日の最終日、有終の美を飾ることができるか。