2011年 HSBC女子チャンピオンズ
期間:02/24〜02/27 場所:タナ・メラCC(シンガポール)
有村智恵が米国初V、完全優勝へ王手
米国女子ツアー第2戦「HSBC女子チャンピオンズ」は26日(土)、シンガポールのタナ・メラCCで第3ラウンドを行い、10アンダーの単独首位で出た有村智恵が2バーディ、1ボギーの「71」でまわり、通算11アンダーとして単独首位をキープ。同ツアーでの初優勝に王手をかけた。
もう“勢い”だけではない。有村がこの日もトップの座を守った。序盤はなかなかチャンスを作れず、名手カリー・ウェブ(オーストラリア)に5番で一度追いつかれても落ち着いていた。「ショットは良くなくなっている」という中、9番でグリーン右奥からアプローチで寄せて最初のバーディを奪うと、11番では3メートルを沈めた。12番ではバンカーから、13番ではグリーン右奥のラフから寄せワンでパーをセーブ。
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15、16番で1メートルのバーディチャンスを逃し、17番では3パットで初めてボギーをたたくなど、最後は苦しんだが、終わってみれば3日連続でリーダーズボードの一番上には「ARIMURA」の文字があった。
通算36勝(メジャー7勝)の「雲の上のような存在」というウェブに追われても重圧とは無縁だった。「彼女と優勝争いできる自分がすごくうれしい。楽しむことができた」。最高峰の舞台でトップに立っている自分が、自分で無いように思える。「逆に日本の時よりも落ち着いている。実感もない。(コース内の)速報を見ても『有村さん、頑張ってるなあ』という感じ」と無邪気に笑う。
優勝すれば米国女子ツアーでの優勝は樋口久子、岡本綾子、小林浩美、平瀬真由美、福嶋晃子、宮里藍に次ぐ日本人史上7人目の快挙(日米共催の「ミズノクラシック」を除く)。23歳での優勝は、24歳で2009年の「エビアンマスターズ」を制した宮里を抜いて日本人史上最年少となる。
米国での最終日最終組はもちろん初めて。同組でウェブに加えて世界ランク1位のヤニ・ツェン(台湾)としのぎを削る。ラウンド後は今大会で初めて公式会見に呼ばれ、それについて外国人記者から質問が飛んだが「皆さんが思っている以上に、私がそのメンバーの中で優勝するのは想像できない。だから、逆にいいコンディションで集中できる」と平常心で臨めることを強調。
「1打差、2打差は無いのと一緒。自分の力を出し切ることだけ考えたい」。最後まで前だけを見てゴールテープを切る。