2011年エビアンマスターズ特集
2011年 エビアンマスターズ by Societe Generale
期間:07/21〜07/24 場所:エビアンマスターズGC(フランス)
藍、今季初優勝を逃げ切りで飾る!
「エビアンマスターズ」最終日、最終組で12時36分にスタートする宮里藍は、最後の調整を誰もいなくなったパッティンググリーン上で行っていた。
最初はロングパットから。10mほどのパットはジャストタッチでカップ付近へと止まる。何度か繰り返すと、次は1.5mほどのパットを数球。1球外れたが、その後2~3回続けて入れると、納得したようにボールを拾い上げた。
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すぐそばで見守っていた両親のもとに歩み寄ると、父・優氏が声を掛ける。「緊張してる?」藍「いい緊張感だよ」。その返事を聞いて、優氏は安堵(あんど)したという。「今週は食事をしていてもうわずった感じがなく、自分自身をキープしているすごく良い状態。僕もこんなに落ち着いて最終日を迎えられるのが不思議な感じがしていました」。その精神状態は、最後まで揺らぐことは無かった。
韓国のホン・ロンと同組となった最終日。宮里は3番で5mを沈めてバーディを奪うと、6番、8番でもバーディを奪い、通算16アンダーとして逃げ切りVへと突き進む。しかし、ロンが11番で10m以上のバーディパットを沈めて通算13アンダーとすると、勢いにのって続く12番では50cmにつけるOKバーディ。一方の宮里は、2打目をグリーン奥にこぼすと、寄せきれずにボギー。その差はわずか2ホールで1打に詰まった。
「予想はしていました。必ず自分が差をつけて勝てるかは分からないし、上位は実力ある選手が多いので。心構えがあった分、一打差になっても焦りはなかったですね」。
続く13番の第2打はピンをかすめて上5m。このバーディパットを沈めて再び通算16アンダーとする。14番(パー3)でボギーとしたが、最後は2打差をつけて18番を迎え、きっちりと2パットのパーで締めくくった。
「(1年の)半分以上の時間を費やしたけど、やっぱり1回勝つのはすごい大変だと思いました。やっと今季一勝を挙げられたので、後半も勝ち進んで行けたらと思います」。
09年に初勝利、昨年は開幕戦の2連勝を含む年間5勝。今年の初勝利は7月と時間は掛かったが、3年連続での優勝に「ここまでは上出来」とほほ笑んだ。次週は今季メジャー最終戦の「全英リコー女子オープン」。コースは全く違うが、最高の状態で大舞台へと挑む。