2013/10/19GDOEYE

恨みの雨を“力”に…酒井美紀一家を襲った悲劇

「富士通レディース」2日目を終えて、首位に2打差の3位タイに浮上した酒井美紀。ホールアウト後、これまで惜しくも逃し続けてきた初優勝への意気込みを聞くと、思わぬ答えが返ってきた。 「今週の台風の影響で車が水没してしまって…。父が大好きな車だったので、車を買ってあげられる資金にしたいんです」。 台風26号が通過した16日(水)の早朝、今大会で拠点にしている千葉県茂原市内のホテルの窓から外を見てみると、夜半に降り続いた雨により周囲の道路が冠水。あわてて車を駐車場内の高い場所に避難させたが、水位上昇は収まらず、みるみる内に車体の下半分が浸かってしまったという。 車に積んであったウエアやシューズなどは、...
2013/07/23GDOEYE

松山英樹の歩む道

武術の極意に入り身(いりみ)というものがある。相手に対して一歩踏み込んで間合いを消し、攻守において先手を取る。剣道で言えば、相手の剣先に近づくために本能的には危険を感じるが、たとえ差し違えても気が勝っている分、相手に与える損害の方が大きくなる。 日本が誇る若武者・松山英樹が歩く姿を見て、「あれは入り身だ」といった人がいる。肩より頭を前に突き出し、肩で風切るように歩いて行く。「ずっとこういう勝負をしているから、ああいう歩き方になったんだろう。勝負師の歩き方だな」。 我らが大将を護衛するのは、超望遠から広角まで、最新鋭の機材を両肩から下げ、背中には現場から伝送するためのパソコンまで背負い込んだカメ...
2013/07/28GDOEYE

ハンター・メイハン、首位から棄権し妻の元へ

雷雲接近の影響で80分の中断を挟んだ「RBCカナディアンオープン」3日目、最終組のハンター・メイハンとジョン・メリックのスタート時間は午後2時50分へとスライドされた。 メイハンがティオフに向けて練習場へ移動し、2球打ったところで彼のエージェントが走り寄ってきた。そして知らされたのは、メイハンの第1子を身ごもっている妻・カンディが破水し、病院へ運ばれているところだということ。メイハンはすぐに今大会を棄権することを決め、テキサス州ダラスへと飛ぶために飛行場へと向かった。 メイハンは「少し前に妻のカンディの陣痛が始まったという知らせを聞いた。そのため、ダラスに戻るのでRBCカナディアンオープンを棄...
2013/08/01GDOEYE

歴史的偉業に挑む朴、評価は正当にされている?

欧米ゴルフライターの記事中に、今週朴仁妃が成し遂げようとしている偉業が、きちんとした評価をされていない、という論調の記事があった。朴の共同会見があった火曜日の午後、朴の前には半分以上の空席があり、たしかに韓国メディアはいつもよりも多かったが、英国メディアとゴルフライターたちの数は、特別なことが起きつつあるという興奮とは無縁だった。 朴が今週勝ったとしたら、それをグランドスラムと呼ぶかどうかという議論は存在する。だが、過去同一年にプロのメジャー大会を4勝した選手は男女を通じて存在しない。韓国メディアに、「もし朴仁妃が今週優勝したら、それは朴セリが初めて全米オープンを制したことよりもビッグニュース...
2013/08/01GDOEYE

初メジャーの比嘉真美子「図太くなりたい」

今年、セントアンドリュース開催の「全英リコー女子オープン」で、自身初のメジャー大会に挑んでいる比嘉真美子。大会前に話を聞くと、しっかりとした口調で戦略を語ってくれた。 「日本でも絶対的な武器になっている飛距離と、オフから取り組んでいる転がしのアプローチ。今持っている自分の武器をすべて駆使して臨みたいです」。 オフから取り組んでいる転がしのアプローチ?それは全英を想定してのもの? 「もちろんです」と比嘉はきっぱり。「願うだけじゃ現実にはならないので、実践して気持ちを高めてやってきました。完璧にやるのは難しくて、まだだいぶ違いはありますが・・・」。今年が国内女子ツアーフル参戦1年目。既に2勝を挙げ...
2013/07/25GDOEYE

ナショナルオープンの意義

北米ではニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴに次いで第4位の都市圏人口を誇るトロントは、カナダ最大の都市であり、オンタリオ州の州都。住民の40%以上はカナダ国外生まれという他民族文化が特徴の大都市だ。 そのトロント中心部から西へ20マイルほど行ったところにあるグレン・アビーGCが今週行われる「RBCカナディアンオープン」の舞台。今大会はその名が示す通り、カナダのナショナルオープンで、その歴史は古い。1904年(明治37年)に第1回大会が開催され、全英オープン(1860年)、全米オープン(1895年)に続く、世界で3番目に古いナショナルオープンとして今に至っている。(ちなみに、日本アマは1907年...
2013/07/25GDOEYE

松山英樹の感受性と行動力

「RBCカナディアンオープン」開幕前日、プロアマに参加しない松山英樹は午前10時過ぎに会場を訪れ、練習場で球を打ち始めた。冷たい風が吹くなか、黙々とショットを繰り返す。時折、背中側にいるビリー・ホーシェルのスイングをじっと見つめる。すると、ホーシェルが話しかけてきた。 「全米プロには出るのか?」今年の全米オープンで予選ラウンドを共に回った2人。簡単な世間話のようなノリだったが、松山は早速切り出した。「出る。ところで来週(WGC-BS招待)、一緒に練習ラウンドできない?」周りにいたスタッフが英語で伝えると、ホーシェルは快く同意する。すぐに水曜日、午前8時と時間まで確定させた。 「1人で回るのは寂...
2013/05/16GDOEYE

遼、赤パンツ集団と「一体感を出したい(笑)」

「バイロンネルソン選手権」開幕前日の水曜日で、久々のプロアマラウンドを行った石川遼。「なんでこの試合に限って入れてくれたのか分からないけど、今週すごく久しぶりにプロアマに入っていて。昨日、ああいう赤いパンツを穿いた人に挨拶にいったときに、すごくウェルカムされました。久しぶりに自分のことをみんな見てくれていたんだなと感じました」と、率直な感想を語った。 今大会のボランティアとして働く赤パンツ集団。彼らは、ここダラスで働くビジネスリーダー達。子供たちとその家族の生活を向上させることを目的とし、1920年に組織されたセールスマンシップクラブというのがその正体だ。彼らはこの大会を通してチャリティファン...
2013/05/13GDOEYE

勝率26%!ウッズ、300試合で78勝に到達

タイガー・ウッズは今週の「ザ・プレーヤーズ選手権」がPGAツアーで自身300試合目のスタートだった。100試合目、200試合目も自らの勝利で祝福してきた節目を、今回もぬかりなく繰り返した。 ツアー通算78勝は、歴代1位のサム・スニードの記録にあと4勝に迫るもの。勝率はなんと26%で、4試合に1回以上は勝っている計算だ。しかも、スニードの78勝目が46歳と12日だったのに対し、ウッズは37歳4ヶ月12日とそのペースも遙かに上回っている。 今季のPGAツアーでは7戦4勝。コース上でのオーラも、全盛期のそれに近づきつつある。ウッズを撮影していたカメラマンのつぶやきもうなずける。「あの集中力はやっぱり...
2013/05/12GDOEYE

森田も学ぶ、茂木が築いたプレースタイル

「この1年は夢にも出ていた」とまで切望していた、メジャー初タイトル。先月36歳の誕生日を迎えた茂木宏美が、2打差を追って同じ最終組からスタートした森田理香子を逆転し、「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」で悲願を遂げた。 近年、目覚ましい台頭を見せる若手たちの出現。ドライバーの飛距離は「235ヤードぐらい」という茂木が、急速に増えつつあるロングヒッターたちとメジャーで渡り合うには何を磨くべきか。「いかにミスを少なくしてバーディを獲り、アンダーに繋げていくことを、ずっと考えていた」。その柱となったのは、100ヤード以内のショットの精度と、ショートゲームの向上だ。若手ロングヒッター...
2013/05/12GDOEYE

ガルシア、同組のウッズに顔をしかめる

2012年の全英オープン第2ラウンド以来の同組となったセルヒオ・ガルシアとタイガー・ウッズ。「ザ・プレーヤーズ選手権」3日目はこの2人が最終組となり、多くのギャラリーを引き連れてティオフした。 共にパーで1番を終えたが、事件は続く2番(パー5)で起きた。ガルシアは3Wでフェアウェイキープ。一方、ウッズはティショットを左にフックさせて林の中に打ち込んでしまう。 第2打を先に打ったのはガルシア。だが、このショットは大きく右へと出て、今度はガルシアの球が林の中へと消えた。直後に左サイドを見やり、苦々しく顔をしかめたガルシア。 「タイガーが左サイドに居ただろう。自分がショットを打つ番だった。彼は(自分...
2013/05/20GDOEYE

石川遼にコーチは必要か?

「HPバイロンネルソン選手権」で、ツアー2年目にして初優勝を飾ったベ・サンムンは、今年1月末の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」から、プロコーチのリック・スミスに師事し、自身のゲームに磨きを掛けてきた。 サンムンは「スイングも良くなったし、ショートゲーム、パッティング、バンカーショットも良くなりました。アリゾナからですが、時間が要りますね。すぐに良くはならない。でも、今は自信があります」と2日目を終えて話していた。 スミスは、特にスイングでの下半身の動きを修正したという。今までは体の正面に流れがちだった腰をしっかりと飛球線方向の動きに制限して、インパクトでクラブが働くスペースを確...
2013/05/04GDOEYE

しびれる争い 片山晋呉「このためにプロゴルファーをやっている」

我慢に次ぐ我慢。風が無くても耐えるのみ。華やかなバーディ合戦が繰り広げられる、いつものムービングデーとはやっぱり違う。今年の「中日クラウンズ」は3日連続で、全選手ホールアウト後の単独トップのスコアは通算1アンダー。リーダーこそ近藤共弘、松山英樹、片山晋呉と名前を替えたが、伸び悩みの展開のまま最終日を迎えることになった。 だが、難攻不落の和合コースにはファンをうならせるプレーがあった。片山、松山の最終組対決。終盤に突入する14番パー4は割れんばかりの歓声が2度響いたシーンだ。 第1打を左に曲げ、OBとした松山は打ち直しの3打目も右に打ち損じた。隣の15番ホールのラフから放った4打目はグリーン手前...
2013/05/04GDOEYE

横峯さくらが連続予選通過記録を更新!

2010年4月の「西陣レディスクラシック」から始まった横峯さくらの連続予選通過は、3年越しとなる2013年5月の「サイバーエージェントレディスゴルフトーナメント」で92試合目に達し、連続予選通過のツアー新記録となった。 年は7年続いた年間1勝以上の記録が途絶え、未勝利に終わった横峯。この日の記録達成を振り返ると「昨年は予選落ちを覚悟した試合が何度もありました。今年のショットの出来は8割と考えると、昨年は2割程度だったので、本当に苦しかったです。それを乗り越えられたことが、今回の記録につながっていると思います」と、しみじみと口にした。 苦しかったという試合を「日本女子オープンやフジサンケイ、あと...
2013/04/20GDOEYE

有村、予選落ちも「きっかけを掴むための、こういう結果」

「このような状態がずっと続いているんです・・・」と俯きがちに、言葉を紡ぎ出そうとする有村智恵。地元・熊本県で開催されている「KKT杯バンテリンレディスオープン」の2日目、23位タイからスタートした有村智恵は、1バーディ、4ボギー、2ダブルボギーの「79」とスコアを落とし、通算8オーバー72位タイで予選落ちを喫した。 この日木戸愛、堀奈津佳と同組となった有村は、雨予報が出されていたにも関わらず、この日一番のギャラリー数を帯同してティオフした。1番では、アプローチで約2メートルの微妙なパーパットを残すが、渾身のパットでねじ込みパーセーブ。さらに2番(パー5)では、右サイドのバンカーからの2打目を、...
2013/04/20GDOEYE

“機は熟した”宮里優作がチャージをかける

国内男子ツアー「東建ホームメイトカップ」は2日目が強風のため、各選手スコアメイクに苦しんだが、初日と3日目はバーディ合戦。そして、最終日は雨も降る予報で、2日目のように耐え凌ぐ戦いが予想される。 その展開を大会前から待ち望んでいた男がいる。プロキャディの杉澤伸彰氏だ。今大会が始まる前の会場内は「マスターズ」直後で、アダム・スコット(オーストラリア)がプレーオフを制し、初のメジャータイトルを獲った話で持ちきりだった。 正規の最終18番でキャディのスティーブ・ウィリアム氏がスコットにラインのアドバイスを的確にしたこと。そしてプレーオフ2ホール目でのスティーブの立ち振る舞いを見て「あれはスティーブし...
2013/04/27GDOEYE

再び頂点へ!尾崎将司の戦いは続く

どんなに苦しそうなプレーを見せていても、ひとつのバーディ、ひとつのナイスパーで盛り上がれる。「つるやオープン」3日目、全盛期とは比べようもない体の状態で戦う尾崎将司の組について応援するギャラリーは、みなが同じ気持ちだったのではないだろうか。 「初日は休んだあとだったから、体も随分良かったけど、日ごとにな・・・。日々成長じゃなくて、日々落ちちゃうんだから嫌んなっちゃう」と尾崎はぼやく。 通算8アンダーからスタートした第3ラウンド。3番ではティショットを右の林の中に打ち込み、崖下の枯れ葉の上からの2打目は、ダフリ気味でグリーン手前の池に入れてしまう。だが、ドロップ後の4打目を2メートルにつけてボギ...
2013/04/26GDOEYE

姉も握る、酒井美紀の初優勝への鍵

今年の国内女子ツアーは、7試合を消化して一ノ瀬優希、堀奈津佳、比嘉真美子のツアー初優勝者3人が誕生。そして今、4人目の初優勝にもっとも近い存在といえるのが、ここ2試合連続で3位に入り、今週の「フジサンケイレディスクラシック」に乗り込んだプロ4年目の酒井美紀。この初日も首位に2打差の9位タイと好スタートを切り、追い風は未だ衰える気配が見られない。 現在の好調について、その要因を「自信」と挙げる酒井。「ショットはもともと自信があったけど、今はパットも自信を持って打てていることが大きい」。その現れは、難度の高い最終18番でのバーディフィニッシュだ。2打目は左からのアゲンストが吹く風の中、「今日の気持...
2013/04/27GDOEYE

門下生は恐々? 服部真夕が受けたユニークなペナルティ

「フジサンケイレディスクラシック」初日は4オーバーの74位タイ。今季3度目の予選落ちの危機に瀕していた服部真夕が、2日目にようやくの輝きを放った。5番、16番のパー5で、自身初となる同一ラウンドでの2イーグルをマーク。「67」の好スコアで通算1アンダー23位タイへと浮上し、「2イーグルなんて、そう出来ないので嬉しい」。いずれも2オンからのイーグルと、自身の持ち味を十分に活かしてのラウンドを笑顔で振り返った。 今シーズン開幕を前に、岡本綾子の門下生に新たなペナルティ規定が設けられた。それは、予選落ちした者は、広島県にある岡本の自宅敷地内の草むしりを行うというもの。開幕戦から2試合連続で予選落ちし...
2013/04/19GDOEYE

リ・エスド「ジンクスは作らない」それが好成績の秘訣!?

熊本県で開催されている「KKT杯バンテリンレディスオープン」初日、韓国のリ・エスドが3バーディ、ノーボギーの「69」をマークして3アンダー単独首位に立った。今大会はエスドにとって、昨年も初日、2日目と首位に立つなど好相性と言える大会。昨年は最終日にスコアを伸ばせずに初優勝を果たせず、「あの時は、結果ばかり見てしまって、いいゴルフができなかった」と唇を噛んだ。 この日、トップスタートの2サムでティオフしたエスドは「トップスタートだったのと、2サムでのラウンドだったので、気持ちに余裕を持ってラウンドできた」と、前半に3つのバーディを奪って首位に立った。「今年に入って優勝争いに加われるチャンスもあり...