2009/04/05GDOEYE

クリスティ・カー、自己変革への挑戦

07年の全米女子オープンを制したクリスティ・カーが、昔は今より相当ふくよかだったのはゴルフ界では良く知られた話だ。アマチュア時代に数々のタイトルを獲得したが、97年のプロ転向後はなかなか勝ち星に恵まれなかったカーは、99年に一念発起。栄養士とフィットネスコーチを雇い、それまで84kgあった体重を一気に56kgにまで落した。 その結果、それまで悩まされていた背筋痛は影を潜め、スイングも改善されて飛距離が伸び、さらには眼鏡をやめて髪型を変えてイメージも一新。02年にツアー初優勝を果たすと、その後は03年をのぞいて、毎年一勝以上を挙げている。 強風の吹き荒れた「クラフトナビスコ選手権」の2日目、「6...
2009/04/04GDOEYE

最終日に着るウェアに悩む黄(ファン)アルム

国内女子ツアー第3戦「ヤマハレディースオープン葛城」の2日目。1オーバーの18位タイから5ストローク伸ばして単独首位に浮上したのは、韓国出身で昨年のプロテストにトップ合格を果たした黄アルムだった。 黄はトップ合格の特権として、そのシーズンの11試合への出場資格を掴むと、「日本女子オープン」は予選会を勝ち上がり本選に出場。さらに、ステップアップツアーでも2勝を果たし、08年の後半は最終戦のリコーカップ以外全てに出場。そして賞金ランキングで44位に入りシード権を獲得した。 これだけの実力ある選手のため、レギュラーツアーでも優勝候補の一人に数えられているが、そのチャンスが早速やってきた。多くの選手が...
2009/04/03GDOEYE

恐怖の谷越え!?魔の2番ホールに悪戦苦闘!

国内女子ツアーの第3戦「ヤマハレディースオープン葛城」は、昨年の優勝スコアが1オーバーだったことでもわかるように女子ツアーの中でも1、2を争う難コースでの開催となる。初日にアンダーパーでラウンドする選手は11人いたが、決して易しいとは言えない状態だった。 中でも何箇所か大叩きをする選手が現れるホールがあるが、特に目立ったのは411ヤードの2番パー4だった。ティグラウンドから見て、フェアウェイが左手前から右斜めに伸びているレイアウトのため、飛距離の出ないアマチュアの方は上の写真よりも左45度の方向を狙う。しかしプロたちは正面の林よりもさらに右に開けたコースで250ヤード先のフェアウェイや、さらに...
2009/04/03GDOEYE

不動裕理の密かな楽しみ

「クラフトナビスコ選手権」初日を終え、1アンダー18位タイの好スタートを切った不動裕理は、分厚いフィールドとシビアなコースセッティングを前にしても、たじろぐどころか、「地球を守る使命感に燃えている」というから驚きだ。 とはいっても、環境活動に熱を入れたり、人権問題に力を注いでいるという訳ではない。もっと個人的な趣味の話で、実は国内女子ツアー開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」最終日から、ポケットに万歩計を忍ばせて持ち歩いているのだ。 最近は色々な万歩計があるらしく、不動が愛用しているのは宇宙戦艦ヤマト仕様のもの。一日の目標歩数を設定し、90日間を掛けて、目標歩数x90を達成すれば良いというも...
2009/04/02GDOEYE

「クラフトナビスコ選手権」を戦う前に

大会開幕を明日に控えた「クラフトナビスコ選手権」。この日はプロアマ戦が行われたが、各選手はコースの状態をチェックするとともに、最終18番ではもう一つ、忘れてはいけないことがある。 それは、この大会の優勝者は18番グリーン脇の通称ポピーズ・ポンドと呼ばれる人工池に飛び込むことが慣わしとなっており、その下見をしておくということだ。 例えば、06年に首位と1打差の3位に入ったミッシェル・ウィは、昨日の時点で既にチェック完了。キャディとともに、「どこが一番深いのか確認した」と当然といった表情だ。「出来れば素晴らしい飛込みをしたいけど、きっと醜いものになると思うわ。でも、どれだけ遠くに飛ぶかなんて、私は...
2009/04/01GDOEYE

ミッション・ヒルズ、蘇る21年前の出来事

今年で38回目を迎える「クラフトナビスコ選手権」は、米国女子のメジャー競技の中では唯一、毎年同じコースで開催され、その舞台となるのはカリフォルニア州にあるミッション・ヒルズCC。その歴史ある練習場の脇に、綺麗な花に囲まれた石碑が立っている。 そこに刻まれているのは、ジョニー・レボルタという名前だ。1935年に全米プロを制してその年のPGAツアー賞金王に輝いたレボルタは、PGAで通算18勝、他も含めると生涯28勝を挙げた人物で、晩年はここミッション・ヒルズでコーチとして働き、1991年に79歳でこの世を去った。 その死の3年前、1988年の冬にひとりの少女が彼の元を訪れた。当時中学3年生だった彼...
2009/03/21GDOEYE

結婚生活との両立に踏み出した若手女子プロ

写真のプレーヤーは上野藍子。「んっ?」と思った方は、なかなかの女子プロ通で、実は彼女、去年までは吉田藍子という登録名だった。08年の全米女子オープンに予選会から勝ち上がって出場を果たしたり、06年の新人戦「加賀電子カップ」で優勝するなど、これまでも見せ場を作ってきた。 今月で26歳になったばかりの上野だが、名前が変わったのは入籍というメデタイことがあったから。「彼氏が欲しい」「出会いが無い」という女子プロ達の悲痛な叫びは良く聞くが、こんな幸せなニュースも時には良いだろう。 他の女子プロ達に代わって(?)、二人の出会った経緯を伺うと、自身が高校2年生の時から教わっているティーチングプロの川西栄子...
2009/04/06GDOEYE

藍、桃子から「マスターズ」初出場の石川遼に心強いエール!

閉幕した米国女子ツアーのメジャー初戦「クラフトナビスコチャンピオンシップ」の翌週、今度は9日(木)に米国男子ツアーのメジャー初戦「マスターズ」が開幕する。昨年、宮里藍と上田桃子がオーガスタを訪れて話題となったが、今年は宮里が日本女子ツアーの「スタジオアリス女子オープン」に出場、上田も「本当は見に行きたかった」と予定が合わず、残念そうな表情を浮かべていた。 その2人から、「マスターズ」初出場を遂げる石川遼に心強いエールが送られた。「遼くんはショットも飛ぶしアプローチも上手いので、意外といけるんじゃないですかね。日本を背負っていくゴルファーとして、上位争いをして欲しいですね」と上田。宮里も「マスタ...
2009/03/19GDOEYE

「千里の道も一歩から」アルバイトを糧に女王獲得を目指す横峯さくら

「ゴルフは万単位じゃないですか。普段そういうところにいると、金銭感覚がなくなっちゃう」という横峯さくらは、今年のオフも、とある飲食店でアルバイトをしたという。ホールに立ち、時には皿も洗う。昔は父親の経営する居酒屋を手伝った経験があるだけに、「接客は全然苦手じゃないですよ。お店の人にも褒められました」と得意げだ。 店に来た客に、気付かれることはないのだろうか?「ある日、メイクもばっちりして、眼鏡を掛けていたら、客のおじさんに『プロゴルファーの横峯さくらに似てるよね?さくらちゃんを綺麗にした感じ』って言われました。『そうですか?良く分かりません(笑)』って誤魔化しましたけど」と、なんとも大胆だ。 ...
2008/03/16GDOEYE

不動裕理、「信じたものを使い続けると良いですよ!」

国内女子ツアー第2戦の「アコーディア・ゴルフレディス」でプレーオフの末に優勝をもぎとった不動裕理。今季開幕戦では、37位タイと振るわなかったが、その原因は3パットを5回したというパッティングの不調だった。 そこで今週は、以前に使っていたスワンネックのエースパターを約2年半ぶりに引っ張り出した。これが効を奏して、3日間で合計81パット。1日平均27パットでこの古いパターが不動の今季初優勝に大きく貢献した。 「最近は道具の進化が凄くって、簡単なものもあるので、私も欲をかいて色々試していたのですが、そうしたらパターの調子まで悪くなってきてしまって…。皆さんも道具はコロコロ変えずに、これと信じたものを...
2008/03/15GDOEYE

しっかりものの後輩とシード獲得を目指す本多弥麗

今週のトーナメント会場で、仲良く一緒に練習をしていた服部真夕と本多弥麗。昨年プロテストに合格した79期生同士の2人だ。同じ坂田塾出身とはいえ、愛知の服部と札幌の本多がお互いを知るようになったのは、本多が岐阜の大学に進学をした頃から。大学の試合で顔を合わせるようになったのがきっかけだという。 大会2日目を終えて、2オーバーの36位で予選を通過した服部に対し、本多は「77」を叩いて通算7オーバー。「ドライバーからパターまで、全部ダメでした」と、あえなく予選落ちを喫してしまった。 「テンパらなければ、普通に良いゴルフが出来るのに」とは、服部からみた本多評。年齢では本多の方が3歳上なのだが、2人の間で...
2008/03/14GDOEYE

宅島美香、桃子に「ちょっとでも近づきたい!」

国内女子ツアー第2戦の「アコーディア・ゴルフ レディス」の大会初日。アコーディア契約プロとしてのプレッシャーをはねのけた宅島美香が、トップと2打差の3アンダー、4位タイの好スタートを決めた。 上田桃子、諸見里しのぶと同世代の21歳。05年に日本女子学生を制した宅島だが、06年にプロ入りしてからは未だシード権を獲得出来ずにいる。昨年のQTはファイナルまで進んだが、本来の力を出し切れずに76位に終わり、今季出場できる試合は限られている。賞金女王を獲得した上田のことは、「本当に凄い!ちょっとでも近づけたら」と、今はまだ雲の上の存在といったところだ。 「QTの時から技術的には何も変わっていません。当時...
2008/03/09GDOEYE

親同士が知り合いだと自然と息も合ってくる!? 佐伯三貴とキャディの森本真祐

昨年、ツアー出場4試合目で初優勝を果たし、一躍トッププロの仲間入りを果たした佐伯三貴。昨シーズンは賞金ランキング9位に入り、今年1月には「ワールドカップ女子ゴルフ」の日本代表として、諸見里しのぶと共に南アフリカで戦ってきた。 佐伯の今シーズンの目標は年間3勝。その目標に向かって共に戦う専属キャディが決まった。昨年まで男子ツアーで近藤智弘のエースキャディを務めた森本真祐氏が、今季は全試合で佐伯のバッグを担ぐことになった。 佐伯と森本の出会いは昨年。男子ツアーの試合数が減少し、代わって女子が増えてきたので、森本から佐伯のコーチを務める坂詰和久氏に「女子で面白い選手いませんかね!?」面白いとは将来有...
2008/03/07GDOEYE

大山志保、今年は一人で頑張ります!

2006年に、6年連続賞金女王の不動裕理から女王の座を奪った大山志保。昨年は2勝を挙げたがランキングで8位に終わり、06年の強さは影を潜めた。そんな大山が昨年の終盤に決断したこと、それは一人立ちだった。 長くお世話になったコーチの鶴見功樹氏から離れ、韓国系アメリカ人のコーチ、ユン・ジェイ氏にスイングを見てもらっていたが、今年は誰にも見てもらわず一人で考えながら試合に挑むことを誓った。 この日迎えた開幕戦初日、大山は最終ホールでガードバンカーからピンに寄せられずボギーを叩いてしまったが、本人も納得の4アンダー3位タイ。「あと2日間、オフの練習の成果を少しでも形に出せるように頑張りたいと思います」...
2012/04/15GDOEYE

“新入生”若林舞衣子と、岡本綾子の師弟関係

「西陣レディスクラシック」で08年のツアー初勝利から4シーズンぶりの勝利を手にした若林舞衣子のもとに駆けつけ、喜びを分かち合った服部真夕と青山加織。今年から同じ“岡本綾子門下生”として加わった新しい仲間に、「おめでとう!」と心からの祝福の言葉を贈った。 プロ入り後から特定のコーチに就かず、長く続いたショットの不振に1人で悩むことへの限界を感じた若林が、岡本に指導を仰いだのが昨年11月の「エリエールレディス」直後。プライベートでも仲の良い服部とも相談を重ね、1年近く言い出せなかった「お願いします」という言葉をようやく岡本に伝えた。「メチャクチャ緊張しました」と当時を振り返るが、その決断が早くも待...
2012/04/15GDOEYE

休業も覚悟した谷原秀人「今は幸せ!」

国内男子ツアーの開幕戦「東建ホームメイトカップ」の最終日、快晴微風というコンディションで多くの選手がスコアを伸ばしたが、最終組の2つ前でラウンドした谷原秀人も優勝争いの一角に加わった。 前半の4番から3連続バーディを奪うなど6番までに4つスコアを伸ばした谷原は、この時点で9アンダーとした。この時点で首位グループに1打差と迫ったが、後半に2つしか伸ばせず通算11アンダーの4位タイに終わった。 ラウンド後の谷原は「手ごたえは全然ない。練習ほとんどしていないし、今年が一番練習していないかな」と言う。練習はしていないというよりも、出来ない状態だった。以前から右肩を痛めていた谷原は、ショット後の肩をかば...
2012/04/09GDOEYE

マスターズが教えてくれるもの

暗闇の中で行われたグリーンジャケット贈呈式。2012年の「マスターズ」が幕を閉じた。タイガー・ウッズやロリー・マキロイは早々に失速し、優勝争いに加わることはできなかったが、最終日はルイ・ウーストハイゼンのアルバトロスのほか、ホールインワンも16番でボ・バン・ペルト、アダム・スコットの2選手が達成するなど、世界最高峰の舞台で期待されたシーンが何度も繰り返された。 エンディングは涙に暮れた。ウーストハイゼンとのプレーオフを制したバッバ・ワトソンは、ウィニングパットを沈めると、ガッツポーズをする間もなく、初のメジャータイトル獲得に顔をくしゃくしゃにして、家族や仲間たちと喜びを分かち合った。 その約3...
2012/04/07GDOEYE

アジアを引っ張るアマチュア松山英樹

2012年の「マスターズ」は予選ラウンド2日間を終えて、松山英樹が通算1オーバーの31位タイで2年連続の決勝ラウンド進出を果たした。昨年、日本人史上初のアマチュア選手として出場を果たし、ローアマチュア獲得の快挙を達成。そして同年の「アジアアマチュア選手権」も2連覇して戻ってきた約束の地で、今年も期待通りの成績を残している。 今大会に出場した6人のアマチュア選手のうち、予選を通過したのは3人。松山以外はケリー・クラフト、パトリック・カントレーの米国勢で、2人は昨年の「全米アマチュア選手権」のファイナリストとしてオーガスタ行きの切符を手にした。両選手は2日目を終えていずれも5オーバー57位タイとギ...
2012/04/06GDOEYE

首位タイのアン「アマチュアから学びます」

国内女子ツアー「スタジオアリス女子オープン」の初日、3アンダーをマークして首位に立ったのは、韓国のアン・ソンジュとアマチュアの比嘉真美子の2人だった。比嘉がホールアウトした時は3アンダー単独首位となっていたが、それから1時間後、17番でこの日3つ目のバーディを奪って首位に並んだアンは、女王の風格を漂わせてクラブハウスに戻ってきた。 今季のアンはツアー第2戦でプレーオフに進出したが、同じく韓国のイ・ボミに敗れ2位となった。そして翌週は以前から痛めていた左手の親指付け根が痛むということで棄権。韓国にいったん戻って治療を行ったという。 「寒いときは少し痛いです。でも、集中しているときは痛くないですが...
2012/04/06GDOEYE

ゴルフの祭典はビッグ3の球音で開幕

朝焼けに照らされたティグラウンド。2012年の「マスターズ」は5日午前7時40分に幕を開けた。真っ白なクラブハウスから人垣の間を割って、ゆっくりと歩を進めた3人。アーノルド・パーマーを先頭に、ゲーリー・プレーヤー、ジャック・二クラスが続いた。 2009年にプレーヤーが52度目の同大会出場を最後に“引退”してから3年、近代ゴルフ界を牽引したビッグ3が、名誉スターターを揃って務めるのは76度目のマスターズで初めてのことだった。それぞれがオーガスタナショナルGCで上げた勝利数はパーマーが4勝、プレーヤー3勝、そして二クラスが史上最多の6勝。3選手の合計出場数はなんと147回にも上る。 今年で76回の...