Golf World （2012年6月11日号） texted by Goeff Shackelford

とはいえ、ドライバー使用が減ることで、プレーヤー達により高い技術が求められるという議論もある。ドライバーにパーシモンやスティールシャフトが使われていた時代と比べて、軽く大きなヘッドで精巧に作られたドライバーを使用することで(仮にラフにボールが入ったとしても)ショットに安定感が出たのも、ホールの距離が短くなった一因という見解も出ているくらいだ。

そして最近のメジャー大会でのコースのセットアップを考えてみても、厳しいラフやバンカーが設置されているため、ティショットで距離を出さず、長いセカンドショットを打つ高い技術が確かに求められている。

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2006年の全米オープン優勝者であるジェフ・オギルビーは、「昔に比べても、今の方がドライバーを打つのは簡単だね。ミスが予測の範疇に収まるわけだから。オーガスタの13番のようなホールでは、フックショットを打つのは簡単だと思う。ロリー(マキロイ)は見事なドローをドライバーで打つけど」と昨今の流れに関する私見を展開。

アーウィンは、アプローチ技術が求められるセットアップがメジャーで増加していることが、ノンメジャー大会でロングヒッターが有利になっているという不均衡な状態になっている理由と指摘している。「たとえば、飛距離は出なくても、精度の高いドライバーショットを打てる選手がいるとする。デビッド・トムズのようなね。彼みたいな選手は、ロングヒッターと勝負する場合、何週にも渡って厳しい戦いを強いられるだろうね。それは非常に難しい条件だと思う」。

しかしアーウィンはまた、このままツアープロがフェアウェイウッド、ハイブリッド、アイアンをティショットで使い続ける傾向が続けば、ファンの数が減少すると主張。アベレージゴルファーがコースに足を運ぶ理由のひとつは、実際に自分ではなかなか打つことのできない、プロゴルファーのドライバーショットを見る為だからだ。

「パットの正確性よりも、やはりドライバーの豪快なショットを皆見たいと思うさ。何故なら、誰もが真っ先に使うのがドライバーだから」。

フィル・ミケルソンは、コロニアルCCで開催された5月の「クラウンプラザインビテーショナル」を欠場したが、その理由はコースのセットアップがロングヒッターに不利であると判断したからだった。そして彼は、ビッグイベントでは、やはりドライバーが勝敗を左右するべきと語っている。「素晴らしいコースであればあるほど、ドライバーを有効なオプションとするべきだと思う。もちろん、本当に良いコースでは、全てのホールでドライバーが使えるわけではないけどね」。

こうした意見が寄せられている中、競技性が高いコースでは、ドライバーを惜しまずに使うべきという議論も起こっている。

オギルビーは、「ドライバーは試合の中で重要な位置を占めるべきだと思う。もっと周りからも、『ここでドライバーを使ったら大きなアドバンテージが握れる』という声が上がるべきだね。歴史的に見ても、ドライバーショットでトップ技術を持つ選手が常にアドバンテージを持ってきたんだ。2000年代に入ってもそれは変わらない。タイガーはドライバーを使ったジョークを言われるくらいなんだから。そのくらい彼のドライバーは凄いよ。ドライバーこそ、ゴルフの中でも価値の高いものだと思う。もしそう言われていないのなら、僕は声を大にしたいね」。

ドライバーが特別なクラブに変貌していくのを見るのは、特にメジャーでは簡単ではないかもしれない。けれどゴルフ界にとっては望むべくことであるはずだ。

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