2012年 チャールズ・シュワブ・カップ選手権

【WORLD】トム・レーマン ジム・フリックの心からの助言を受け感謝の優勝

2012/11/20 11:10

Golf World(2012年11月8日号) texted by Bill Fields

フリックに優勝を届けようと願っていた1996年全英オープン覇者のレーマンは、週末に電話でフリックと話し、フリックに「君の仕事は分かっているだろ。しっかりプレーして、トム・レーマンであれば良いんだ」と伝えられたという。

そんなレーマンは最終日をカプルスに1打差をつけスタート。3日目には2人とも「62」をマークし、2日目にツアー8人目となるツアー記録の60を叩きだしたハースとは、2ストローク引き離していた。ハースは2日目を「マジックにかかったような日」と形容。腰の故障で8月のボーイング・クラシックの1番ホールを最後に欠場していたカプルスは、最終日に73と振るわなかった。

とはいえ、トーナメントはこれで決着したとは言えなかったのだ。レーマンは14番のパーでティショットをミス。右足はバンカー、ボールはラフという難しいライでセカンドショットを打つことになった。ところがここからレーマンは、ボギーにしてハースとの差を2打にするのではなく、7番アイアンで会心のショットを披露し3メートル強につけるとバーディパットを沈めた。結局上がり5ホールで4バーディを記録し優勝を確実なものにしたのだ。「あれがターニングポイントになった」とレーマン。「ボギーにしたらプレッシャーがかかっただろうからね」。

2010年のシュワッブ・カップのポイントレース覇者ランガーは「彼はチャンピオンに相応しい」と友人であるレーマンを称賛。「彼はここぞという時に全力を出す。(選手には)必要なことだ」。

これで今季のチャンピオンズツアーでは、年間2勝を果たしたのがレーマンとレンガーを含めて8選手に。その他、カプルス、マイケル・アレンフレッド・ファンクデビッド・フロスト、ウィリー・ウッド、そしてシニアPGAチャンピオンシップと全米シニアオープンを制したロジャー・チャップマンがシーズン2勝を達成した。また、4試合しかなかった1980年のチャンピオンズツアー発足以降、3勝以上を記録した選手がいない初めてのシーズンにもなった。そんな中でランガーは4度目の賞金王となりアーノルド・パーマー賞を獲得した。(ドン・ジャニュアリーとヘイル・アーウィンが3度賞金王になっている)

2年連続のシュワッブ・カップのタイトル獲得で、ツアーのトップになったかと聞かれたレーマンは「圧倒している選手かといえば、違うよ」とコメント。「このツアーには、すごく優秀な選手がたくさんいる」と話した。

しかし、レーマンがフリック、そして彼自身のためにデザートマウンテンで成し遂げたことは、偉業以外の言葉で表現することはなんとも難しい。

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