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【WORLD】中長尺パター狂騒おさらい アンカーパターの行方

2013/01/08 11:13

Golf World(2012年12月10日)texted by E Michel Johnson

全米オープン覇者となったW.シンプソンはその後、ショートパターの練習を重ねているという。(J.D.Cuban/GW)

時は1989年にさかのぼるが、USGAはもともと、ゴルフの試合でロングパターを使用することは問題ないという声明を発表していた。デービス氏も協会もその声明を支持していると語っていた。そして「全てはストロークの方法に尽きる」とコメント。「今回の決定は、クラブを両手でグリップし“身体から放して”自由にスイングするという600年に及ぶゴルフの本質にUSGAとR&Aを回帰させた。ゴルフでは常にクラブを自由にスイングしていたが、アンカーしたストロークは、そこからの方向転換となっている」。

提案された文言は、きわめて複雑というわけではない。「規則14-球の打ち方」で審議される新条項は、規則14-1b「クラブを固定すること」として次のように記載されることになる。
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ストロークをする際、プレーヤーはクラブを“直接”または、“アンカーポイント”を使ういずれの方法においても、固定してはいけない
ノート1:プレーヤーが意図的にクラブまたはグリップした手を、体のどこかに触れて保持しているとき、クラブは“直接”固定されている。しかし、前腕に対してクラブまたはグリップした手を保持している場合は除く。
ノート2:プレーヤーが意図的に前腕を体のどこかに触れさせて、グリップした手を安定した箇所として確立し、もう一方の手を使ってクラブを振るときに、“アンカーポイント”は存在する。
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提案されている改定案は、現状認められているクラブ(器具)の使用を制限するものではない。デービス氏は「今と同じクラブを使うことは可能です。胸から手か前腕を話、クラブを動かして同じようにパットすれば良いのです」とコメント。「我々はゴルフを傷つけるつもりはありません。オプションを与えているのです」。

いくつかあるユニークはパッティングスタイルは、新ルールにより禁止されるアンカーとしては見なされていない。前腕の内側と反対の手でグリップを固定する打ち方(1993年のマスターズ優勝時にベルンハルト・ランガーが使っていた打ち方)や、グリップを手よりも伸ばしてリードする前腕に安定させる打ち方(マット・クーチャーのようなストローク)などは、認められているストロークの例となっている。

なお、USGAでは、新提案のうちパワーポイントやポスター、動画などでどのストロークが違反で、どれがそうでないかを説明している。

一方で、新ルール案がロングパターやベリーパターの売り上げを停滞させることも疑いようのないことだ。実際、こういった議論が春から展開されると、この手のクラブの売り上げは下がった。

しかしながら、多くのメーカーは今回の新ルール提案を気にはしていないようだ。「(新ルールの提言で)この手のパターの需要が下落することもあるでしょうね」というのはテーラーメイドのマーク・キング社長兼CEO。「でも結局、新ルールが確定すれば、売れるパターもあれば売れないものも出てくるものです」と意に介さない。

ところがこれが小売店となると話は別だ。小売担当者は、在庫管理が難しくなると語る。エドウィン・ワッツのリテールセールス部門副部長を務めるスベン・ケスラー氏は、「この前の春のピーク時は、パター売上の30%は中尺か長尺だったんです。これが今夏に(アンカータイプのパターがルール違反になるという)噂が表面化すると、売上が大幅に落ちたんです。また現行のロングパターを、近い将来違反となることを知っているユーザーに販売するのは難しくなってきますね」と語る。

デービス氏もこういった問題は認識しているが、今回のルール変更はゴルフの未来にとっては正しい道だと信じている。そして「反対意見も理解している」と抵抗勢力や訴訟の可能性すらあることにも言及。「(訴訟など)そうならないようにしたいが、我々はゴルフのために正しいということをする。もし、訴訟を起こされた時は、それに対応するしかないですね」と覚悟を決めているようだ。「訴訟を恐れて正しいことをしないというなら、恥ずべきこと。そういうことなら、このような仕事には就かない方が良い」とまで言いきった。

とはいえデービス氏は、アグレッシブな立場だけを取っているわけではない。初期段階での問題も理解しているし、提案が通った際に否定的なリアクションに対しても敏感なのだ。

「短期間では難しい問題です。反対意見も理解していますし、何よりゴルファーやゴルフを傷つけたくはありません。我々が明確にしたいことは、“ゴルフがどうあるべきか”ということ。そのためにはルール改定が正しいと感じていますし、それに対しては全力で取り組むつもりです」。

【参考】11月28日の発表以降、ツイッター上では様々なつぶやきが展開された。以下はその中から抜粋。

キーガン・ブラッドリー @Keegan_Bradley
現時点で一番良い解決法は、2016年からバーガーキングで働くために願書を送ることだ。 #Bellymagic

ロリー・マキロイ @MclloyRory
新ルールには大賛成。ゴルフというゲームには良いこと。技術も精神的な部分もゴルフの一部。2016年は公平になる。

ポール・エイジンガー @PaulAzinger
この3年ツアーでプレーしていないが、僕のボールやドライバーは時代遅れ、パターは使用禁止、アイアンとウェッジは違反になった。

ポール・ゴイドス @PaulGoydosPGA
1966年にPGAツアーで2勝したフィル・ロジャースはベリーパターで優勝したんだ!!USGAはそれを46年間も見過ごしてきたんだぜ。

ピーター・コスティス @peterjkostis
Wow!ビリー・キャスパーが51勝したストロークはもう使えないんだ。両手と腕をモモにつけていたストロークはね。

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