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思い込みが激しいとゴルフは上手くならない!?

2013/03/01 00:00

「週刊ゴルフダイジェスト」連載「ただそこにあるボールのことだけ」(3月12日号)より

ゴルフが上手くならない人の多くは、ある共通する考え方を持っているという高松志門プロ氏と小池龍之介さん。自分の考え方に執着してばかりいると成長が妨げられるというのだ。

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志門 ゴルフがなかなか上達しないという人の多くは、自分の思考パターンに疑いを持たない人。うまくならない人は「なぜそうなのか」ということをよう考えていない。裏を返せば、自分をとにかく信じてるタイプやね。でも、あるモノを手に入れるには、いま持っとるモノは全部潰さんと難しいんですね。他のモノととっかえるぐらいの覚悟でないと、無理なんです。だからプロがスウィングを変えるいうんは非常に難しい。それまでに築き上げたもんがありますから。

小池 人間は、自分の正しさを否定されるというのはすごく嫌なんです。仏教では、自分の意見や見方に執着する煩悩を「見取(けんしゅ)」と言います。仏教の修行は、自分のこれまで作り上げてきた「自分の正しさ」を全部一回捨てないといけないので、これがなかなか難しいわけです。人間はなにか労力を払うと、その労力がムダだったと認めると自我が傷つくので、それを他人から訂正されるということは本当に嫌なんです。だから、ゴルフといわずあらゆるジャンルで喧嘩が起こる。

志門 ああ、確かに本当に筋のいい人とかうまくなる人は、一つの技術を得るのに自分の考えを捨ててでもやりよる。これはプロとか上級者ほど踏ん切りよくできるんです。逆に、あまりうまくないアマチュアは自分のなかで定義が決まっとって、それを頑なに崩そうとしない。で、そういう人に限って、やみくもに努力さえすればうまくなる思い込んでいるんですね。

小池 ええ。「頑張ればうまくいく」という発想は、努力している自分に執着しているだけなのです。でもそれは、努力している自分は立派で正しいという考えの『我執』が染みついているので結局、いくら努力してもたぶん、報われないのです。

志門 頑張ることに頑張っとるわけやね。それでも、努力すればいいけど、大抵の人は口だけでやらんのやけどね(笑)。

●高松志門 「ゆるゆるグリップ」などのレッスンで知られるプロゴルファー。自らを“ゴルフ芸人”と称し、極致のクラブさばきで、どんな曲打ちも淡々とこなす

●小池龍之介 東京大学卒で、月読寺(東京都)、正現寺(山口県)の住職。「考えない練習」ほかベストセラーを連発し、マスコミ等で話題の僧侶

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