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<選手名鑑184>リッキー・ファウラー

■ タトゥーにこめた祖父愛

リッキー・ファウラー(27)は1月21日から開催された欧州ツアー「アブダビHSBC選手権」で今季初優勝を飾った。欧州ツアーでは、昨年7月の「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」に次いで2勝目。序盤の優勝で勢いに拍車をかけ、今季のファウラーがより楽しみになってきた。最終日は世界ランク3位のロリー・マキロイと優勝争いを繰り広げ逃げ切った。

今季にかける思いがどれほど強いのか。ファウラーは決意を込め、昨年12月にタトゥーをいれた。左上腕の内側に祖父の名“田中豊”と大きな文字。他の箇所のタトゥーに比べ、明らかに太字で大きく、ダイナミックに彫られている。

祖父は生まれも育ちも米国で米国人だが、日本人の血が混じっている。ファウラーはいつも自身を「クォーター・ジャパニーズ(4分の一日本人)」と言う。ゴルフが大好きな祖父から3歳の時にクラブをもらい、教わりながらゴルフを始めた。

大学を中退しラスベガスを拠点にプロ生活をスタート。キャメロン・トリンゲールとアパートで共同生活を始めた時も、祖父が壁のペンキを塗るなど引越しを助け、ずっと応援してくれる最強のサポーターだ。そしてファウラー自身が「最も影響を受けてきた人」といつも強調してきた。今季は原点に立ち返り、恩人でもある祖父に感謝を表すプレーをする、その決意をタトゥーにこめた。

ファウラーはアブダビでの優勝で世界ランク4位に浮上した。だが、ジョーダン・スピースジェイソン・デイロリー・マキロイのトップ3とは差があり、1位になるにはかなりの奮起が必要だ。今季はメジャー初優勝、ライダーカップ代表、オリンピック米国代表など目標が多く、情熱の炎を燃やしている。

昨年、デイもメジャー必勝への思いをこめ、左上腕に「2015JASON DAY」とタトゥーを入れてシーズンに突入した。8月の「全米プロ」で優勝して願いを叶え、そのタトゥーをうれしい思い出に変えた。バッバ・ワトソンは左薬指外側に「Angie」と愛妻の名のタトゥーを入れている。結婚指輪がグリップ時に支障があり、外したい、でも妻を近くに感じていたいから、というのが理由だそうだ。

スペインの故セベ・バレステロスも左前腕内側、ひじに近い部分に、彼のトレードマークである“右腕を天に突き上げたガッツポーズ姿”を、鮮やかなブルーのタトゥーで描き入れていた。1984年「全英オープン」優勝のイメージを永遠に残すためだった。

ツアー29勝、メジャー6勝のリー・トレビノ(76)も、腕に「Claudia」と愛妻の名を入れるなど、思いや願いを込めるという意味でタトゥーを入れているケースは少なくない。

■ ファウラーのキャディ&プロデューサー ジョー・スコブロン(Joe Skovron)

ファウラーのパフォーマンスに欠かせないのが8歳上のキャディ、ジョー・スコブロン(33)だ。2人の出会いは21年前に遡る。同じカリフォルニア州生まれで家も近所、ファウラーが4歳、スコブロン12歳の時に地元のミュリエッタゴルフ練習場で出会った。誰かに紹介されたわけでもなく、偶然にも練習場が同じだったという運命的なもの。ファウラーは彼を慕い、一緒に練習して技を磨いていくうちに、兄貴のような存在になっていった。スコブロンの父はインストラクターでPGA of America(全米プロゴルフ協会)のライフタイムメンバー、母はゴルフ関連ビジネスに従事し、地元のジュニアゴルフのアソシエーションを設立、運営した。ファウラーも参加し、支援を受けたことも2人の距離を縮めていった。

スコブロンはロサンゼルスから車で約1時間のラバーン大学に進学し、ゴルフ部に所属。オールアメリカンに選出される栄誉に2回。学業ではスポーツ科学を専攻し、最優秀の成績で卒業した。その後は母校ゴルフ部で2008年から2年間コーチを務め、チームが好成績を収めるまでに成長させた。選手への夢を叶えようとプロに転向し、親友のブレンダン・スティールとホテルをシェアしながらミニツアーを転戦した。自身が予選落ちした際は、スティールのキャディをしていた。キャディとしての力を乞われ、コーチ時代から旧知であり、LPGAで奮闘していた友人シャーロット・マヨーカスのバッグを担ぐなど、経験を積んでいた。

■ ファウラーに夢を託しアパレル会社売却、そしてゴールデンコンビが誕生

その頃、オクラホマ州立大学に進学したファウラーが、世界アマチュアランク1位を争う活躍で、ウェブドットコムツアーの出場オファーがあり、09年8月には「チルドレンズ ミラクル ネットワーク クラシック」に推薦出場が決定した。その時ファウラーから「ぜひキャディに」と連絡があり、初コンビを組んだのだ。惜しくもプレーオフで負けたが、2位という素晴らしい活躍。翌9月のプロ転向後も「今後もキャディをしてほしい」というファウラーの懇願に対し、スコブロンもフルタイムのプロキャディになると決め、ゴールデンコンビが誕生した。

ファウラーのゴルフも人柄も熟知、コーチも経験、スポーツサイエンスの知識も豊富、ファウラーのポテンシャルを最大限に引き出せる人物は彼以外に考えられない。プロ転向後PGAツアーの初戦となった「シュライナーズホスピタル」でも7位と健闘した。翌週の「フライズドットコムオープン」の最終日、ホールインワンを含む“64”の猛攻で18アンダーとし、トロイ・マッテソンジェイミー・ラブマークに追い付いた。プレーオフ2ホール目でマッテソンがバーディを奪い、ファウラーは2位に甘んじたが、2人にとっては優勝の手ごたえを感じた重要な経験だった。

スコブロンはゴルフアパレルの会社を起業し成功していたが、キャディに専心するため2011年に売却。ファウラーはハイトップシューズやジョガーパンツなど、ゴルフ界きってのファッションコンシャスとして知られるが、このファッションもスコブロンの影響がある。ちなみに最終日は2人揃ってオレンジが定番。彼らの母校のスクールカラーが同じオレンジだからだ。2016年、大舞台でオレンジのファウラー&スコブロンの躍動する姿に期待したい。

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佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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