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10ヤードの飛距離UP ホブランのギアをクラブフィッターが解説(前編)

激アツだった8月に「BMW選手権」と「ツアー選手権」で連勝したビクトル・ホブラン(ノルウェー)は、25歳にしてフェデックスカップ王者となった。

ツアーメンバーとして出場した最初の25大会で2勝を挙げ、エリートが集うプロゴルフ界で瞬く間に真価を発揮したわけだが、背景にはドライビングとチッピングで大きな進歩を遂げたことがある。

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ルーキーシーズン(2019-20年)と比べ、2022-23年シーズンはドライビングディスタンス(平均飛距離)を299.3ydから307.6ydへ、8.3ヤード伸ばした。同時にストロークゲインド・アラウンド・ザ・グリーン(グリーン周りのスコア貢献度)を168位から93位に改善させている。

このノルウェー人選手は、2019年にプロ転向した際、すでにほとんど穴のない選手だったが、戦略的なギア選択などで、わずかにあった弱点を埋めたのである。

ホブランによる「ツアー選手権」制覇を受け、彼がピンの契約選手となって以来、ずっと用具を担当してきたピンのツアーレップ、ケントン・オーテスは、飛距離アップを果たす上で行ってきたドライバーの変更や、グリーン周りの技術向上のため、ウェッジのバウンスをどのようにマッチさせてきたかについて話してくれた。

アンドリュー・タースキー(GolfWRX.com):あなたがビクトルと働き始めた頃と今とを比べると、ギアの観点から、どんな変化があったのか?ギアに関する知識、あるいは彼がいかにクラブを試打するかなど、ここ数年で何が変わりました?

オーテス:我々の4年の付き合いの中で、ビクトルにあった一番大きな変化は、彼が全体的によりダイナミックな選手になったところだと思います。それは、彼がドライバーで簡単に時速8マイルの速度アップを果たしたこともありますが、断然多くのショットを打てるようにもなったのです。

出会ったときは毎回プル・カットのショットを打つ若者で、そのショットに関しては並外れて一貫していました。しかし、彼はスピードを解き放つ中で、スイングも解き放つことができ、今では時としてアイアンでドローを打っています。ドライバーでさえ、時にはドローを打つようになりました。彼は多彩なショットを身につけ、ドライバーをより強力な武器にしました。

GolfWRX.com:彼はギアマニアですか?

オーテス:間違いなく関心はあります。彼は自分の望む状態にまでは気を払っていますし、満たして欲しい要求に関してはとても具体的です。ひとたびその要求が満たされれば、満足するのでしょう。毎週、試打を求めてドアをノックする類の選手ではないですね。

GolfWRX.com:あなたはドライバーの速度アップの話をしましたが、以前、あなた方はドライバーの長さについて取り組んでいたことがありましたね。今年はそのあたり、どうなったのでしょう?それと、スピードアップは何に起因すると思っていますか?

オーテス:大きなスピードアップの原因はとても単純です。G425ドライバーが(2021年に)リリースされた際、彼はそれまでG410で使っていた44.75インチのシャフトを、G425で45.75インチにすることができたのです。

425は若干、左バイアスになっていますので、これが飛距離アップを解き放つ助けとなりました。これで、恐らく時速5マイルは稼げたと思いますが、後の3~5マイルは彼のハードワークのおかげですね。

彼はスピードトレーニングを積んでいますし、筋トレをたくさんやります。現在25歳ですが、20代中頃から後半の男性が得る力を手にしたんだと思います。

GolfWRX.com:ビクトルがスピードアップのために行うトレーニングで、何かシェアできそうなヒントはありますか?

オーテス:しばらくの間、彼がスタックシステムを使っていたことは知っています。現在も行っているかどうかは定かではありませんが。

彼がジムで長時間過ごすのは確かだし、ゴルフ向けの実用的な力をつけています。ただ、一時期、彼はスタックシステムを用いており、ボールがどこに飛ぶかは気にせず、20~30球は力一杯打っていましたね。そんな時でも、かなり真っすぐ飛ばしますが。

そう、彼はドライバーでエグいカットショットを打つのですが、それでミスしたことは一度もありません。彼がゾーンに入って、あのショットを繰り返し打つようになったら要注意です。ミスをしなくなるからです。

GolfWRX.com:ピンの製品でないことは承知していますが、フェアウェイウッドやドライビングアイアンとなると、彼はあれこれ試行錯誤しているようですね。それに、私は彼が一時7番ウッドを使っていたことを知っています。彼とはどのようなやり取りをしているのでしょうか?

オーテス:そうですね、7番ウッドは彼のためにオーガスタで組みました。彼はアイアンで弾道の高さに手を焼くことがあったので、あれは彼にとって素晴らしいクラブになると思いました。

彼はシャローであるが故に、全般的にスピン量は低めです。だから、あれは素晴らしいクラブになるだろうと思っていました。今でも覚えていますが、月曜に練習レンジへあのクラブを持って行くと、彼の見た感じや話からは「このクラブは使わないだろうな」と感じましたが、火曜の夜に「いやー、このクラブ最高。実戦で使うのが待ち切れないよ」とメールしてきたんです。私は「待て! なんだって?」となりましたよ。

詳しく分かりませんが、弾道の高さが上がったことと寛容性を気に入ったのは確かでしょう。

「マスターズ」のアプリで見てほしいショットがあります。土曜の朝、再開されたラウンドの13番で彼がショットを打った際、彼の声から不満さが聞き取れるのですが、ボールはピン側約14フィート(約4.3メートル)についたんです。これは7番ウッドの宣伝にもってこいですね。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

情報提供:PGA TOUR

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