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ファウラーのパターはいかにしてクラークをPGAツアー初制覇に導いたのか
これは1月のことだったが、PGAツアー5勝のリッキー・ファウラーは、古めの2014年モデルながら新品のオデッセイ バーサ ジェイルバード パターを携えて「アメリカンエキスプレス」に現れた。伝わるところによると、ファウラーは彼の新たなキャディであるリッキー・ロマノが所有していたパターのレプリカをオデッセイに製作するよう依頼したとのことだった。
かつて、ツアー最高のパターの名手の一人に君臨したファウラーだったが、近年はパターのテストと変更を頻繁に繰り返しており、昨季はストロークゲインド:パッティングのランキングを161位に落としていた。彼は模索していたものの、見つけられないでいた。
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くだんの新しいオデッセイ バーサ ジェイルバードは、17インチと長めのスーパーストロークグリップが装着され、パターヘッドには20グラム相当の鉛テープが貼られていた。
この新しいパターは、ファウラーにとって全てを変えた。
ファウラーは「アメリカンエキスプレス」にて、GolfWRX.comに対し、「これにはとてもショックを受けたよ。というのも、これまで一度も長めの物や、カウンターバランスみたいな物は試したことがなかったから。とても興味深いのだけど、ある意味、これは僕を自由にしてくれたんだ。僕はストロークやスタンスを変えているわけではないし、自分の持っている通常の長さのパターを使う時と握り方を変えているわけでもないからね。とにかく、何というか、これは僕のために何かを果たしてくれて、僕が考えなくても良いようにしてくれている感じがするんだ」と述べた。
それ以降、このパターはバッグにあり、ファウラーはPGAツアーで8回のトップ20入りを果たしている。また、彼は公式世界ゴルフランキングのトップ50に返り咲き、フェデックスカップのランキングを28位として今週の「全米プロゴルフ選手権」を迎えた。さらに彼はストロークゲインド:パッティングを39位としている。
聞くところによると、PGAツアー選手仲間のウィンダム・クラークは、フロリダのメダリストGCでのラウンドで、ファウラーのパターに関心を持ったとのこと。かつてオクラホマ州立大学とオレゴン大学でスター選手としてプレーした29歳は、そのラウンドの後、「ウェルズファーゴ選手権」で初優勝を遂げている。
クラークはツアーのポッドキャストで、「僕らはメダリストで握りのプレーをしていたのだけど、彼はあれでパットをして、10フィート(約3メートル)以内は一度も外さなかったんだ。あれだけパットの調子が良い人がいると、普通は、“ちょっとそれ見せてよ”となるよね。僕らはラウンド後に練習し、僕は最初、自分のパターで練習し、その後、少しだけ彼のを試してみたのだけど、とても良い感じだったんだ」と述べている。
キャロウェイのツアーマネジャーであり、パターのスペシャリストでもあるジョー・トゥーロン氏によると、その後、クラークはオデッセイにファウラーのパターのレプリカを組み上げてもらえないか尋ねた。
トゥーロンはGolfWRX.comに、「ファウラーと一緒にプレーした人は、皆、あのパターを試してみたくなるようです。ウィンダムは我々に、リッキーと全く同じ物を組み上げて欲しいと依頼してきました」と述べた。
クラークは、ファウラーのオデッセイ バーサ ジェイルバード パターの新品レプリカ(長めのグリップで重めのヘッド)を手に入れると、クインティックのパッティング分析システムで自身のパッティングのパフォーマンスを計測し、オデッセイはクラークのストロークに合わせ、ロフトとライ角に微調整を施した。とは言え、細かい部分の仕様変更を除くと、クラークの新しいパターは、トゥーロン曰く、ファウラーのものと「根本的には同じもの」である。
クラークはこのパターを大いに気に入った。
「ヘッドはかなり重く、オフラインにミスするような感じがしないんだ。ショートパットに関しては、かなり照準が決まっていて、毎回決められるような感じがする」とクラーク。
クラークが優勝したクエイルホロークラブでのストロークゲインド:パッティングを3位としたことからも、この変更が功を奏したのは明白である。この勝利により、クラークは世界ランキングをキャリアハイの31位に上げ、フェデックスカップのランキングを6位とした。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)