マスターズVクラブセッティング ギア担当者が感じた松山英樹の変化
2021年 マスターズ
期間:04/08〜04/11 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
松山英樹がパター変更後に「マスターズ」制覇
オーガスタナショナルでの日曜(4月11日)、松山英樹がウィニングパットを流し込んだ。夕日に包まれる中、「スコッティキャメロン ニューポート2 プロトタイプ」を手にしたまま18番グリーンを後にした。
視聴者の多くは、その仕上げ具合と形状からシーズンを通じて使ってきたパターだと思っただろうが、実際のところ、日本人男子初のメジャー王者は、このとき使用していたパターをわずか2週間前の「世界ゴルフ選手権デルテクノロジーズマッチプレー」から実戦投入したばかりだったのである。
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さらに松山はスコッティキャメロンのツアーレップ、ドリュー・ページに相談した上で、ラムキン ディープエッチド フルコードグリップと段のあるパターシャフトを使用するようになった。
そして、松山の寸分たがわぬ仕様が厳重に保管される中、ページと仲間たちは、松山が2020年「BMW選手権」以来使用してきた「ニューポート2 GSS」と同じロフト角、ライ角、そしてヘッド重量になるよう調整したのである。
情報源によると、複数のモデルを試打するなか、最終的にグリップの感触が、長年使用したパターをバッグから追いやる決め手となったという。それに加え、松山はインパクト時のフィードバックが最も得られる“打音の大きな”パターを好むということで、プロトタイプのニューポート2がその要件を満たしたのである。
2週間前の乗り換えは、松山がグリーンジャケットに袖を通したことから分かるように、明らかに賢明な判断だった。歴史的に見ると(マスターズ王者としては)平均以下のパッティングとなるが、彼によるオーガスタナショナルでのパッティングのストロークゲインドは18位だった。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)