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キャロウェイのトリプル・トラック技術
2020/08/17 12:55
航空母艦に戦闘機を着陸させることと、ゴルフボールをパットすることにいったいどんな関係はあるのだろうか?
キャロウェイのゴルフボールに搭載されたトリプル・トラック技術は、「バーニア・ハイパー・アキュアティ」という知覚的な観点から、通常のサイドスタンプよりもアドレスでのアライメントを向上させる狙いがある。実はこれ、航空母艦に戦闘機を着陸させる際の技術に似たもので、人間が目で感知したアライメントの微細なズレを脳で処理する能力を基にしている。バーニア・ハイパー・アキュアティは銃の照準機にも採用され、裸眼の限界を越え、複数の基準点によりゴルファーがより正確にボールを照準に合わせることを可能とするのである。
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キャロウェイのトリプル・トラック技術は、同社のERCソフトゴルフボールで初めて採用され、その後、同ブランド人気のツアーボールで、現在フィル・ミケルソンが使用するクロムソフトXゴルフボールでも使用されることとなった。
トリプル・トラック技術には、3本の高解像度平行線が用いられており、ゴルフボール中央には赤線が引かれ、その両隣には青線が引かれている。アライメント補助とフィードバックの改善という2点がこの技術の主な機能となっている。この技術は、ゴルファーがグリーン上でより効果的にボールをセットしつつ、同時にプレーヤーがインパクト直後からボールの転がりを視認することで正しくパットをヒットできたかどうか確認できることで、アライメントを向上させる。
現在キャロウェイはオデッセイ・パターにもトリプル・トラックを採用しており、2020年モデルの新しいストロークラボ・トリプル・トラックの登場により、それは全容のほんの一部に過ぎなくなった。トリプル・トラックがボールからパターヘッドのトップにかけて揃ったため、このパターの新シリーズは上記全ての技術を盛り込むことで、ゴルファーがより良いパターのアライメントを実現することを約束したのである。
我々はトリプル・トラックに関するすべて、そしてこの破壊的なテクノロジーのツアーおける目を見張る普及率に関して話を聞くべく、キャロウェイのグローバル・ゴルフボール・ディレクターであるジェイソン・フィンリーと膝を突き合わせた。
GOLFWRX:言うまでもなく、新しい技術には物語があるわけですが、私は面白さという点において、常にその物語の裏話に興味を持ってきました。トリプル・トラックの開発について、少しお話し頂けませんか?
ジェイソン・フィンリー:トリプル・トラックはバーニア・アキュアティの科学に基づいています。これが機能するのは、両目がどのように複数の線に焦点を合わせるのかに関係しています。他に例を挙げると、ライフルの照準機や、内部線と隣接線のある空母などがあります。分かり易く説明すると、こうなります。壁に刀剣を掛けようとした場合、真っ直ぐ飾るのは難しいですが、絵画を壁に掛けるのであれば、2つの角があるので、真っ直ぐ飾るのは簡単ですよね。
人は時間をかけて目を鍛えますので、使えば使うほど上手くなりますが、私はなぜ人々がパフォーマンスを向上させることができるのかという観点から、これは重要なことだと思います。
GOLFWRX: キャロウェイはトリプル・トラックが如何にゴルファーの助けとなるかについて、大胆な主張を打ち出しました
フィンリー:88%のゴルファーのアライメントが向上したとの言うのが、我々の主張です。我々の定義するアライメントの向上とは、次の2点の何れかです。それは、物理的にボールをターゲットに向ける精度の向上、あるいは、ターゲットに対するアライメントの一貫性の向上です。これが何を意味するのかと言えば、例えば私はパットのインパクトでフェースが開く傾向があることを把握していますので、少し左に狙いを定める必要があるのですが、これがあれば左へ照準を定めることにより一貫性を持たせることができます。これが私にとって機能する理由なのです。
GOLFWRX:PGAツアーのプロがトリプル・トラックを使用することで、貴方にとって驚きとなったことはありましたか?
フィンリー:ツアーの観点から言って最も興味深かったのは、フィル・ミケルソンはパットの際、常にトリプル・トラックを使うわけではないということですね。彼は曲がり幅の少ないショートパットではよく使用します。従って、フィルが曲がりの大きい15mのパットを残した場合、彼はトリプル・トラックを使いません。
GOLFWRX:アライメントが全てのゴルファーにとって大切なのはもちろんのことですが、特にプロの間では重要視されているようです
フィンリー:そうですね。どの大会でも、練習グリーンへ行けばあらゆる道具が白日のもとに並べられている光景を目にしますが、それらは大概選手たちがアライメントにフォーマスした物です。つまり、この技術は多くの一流選手に共通するトレンドに沿ったものなのです。
GOLFWRX:御社のツアー契約選手の半数が、数年前には存在せず、選手たちが子供の頃から使ってきた物とは際立って違う物を使用しているというのは、重要なステートメントです
フィンリー:選手たちは狙いを定めるのが向上しただけでなく、照準の一貫性が向上したことに気付いていますが、その辺が我々の最もよく耳にする話題です。もちろん、それ以外にもちょっとした話を聞くこともあり、例えば、工場出荷状態でそうなっているので、選手たちはもう(線入りの)マークを自分たちで描かなくて良くなりましたね。しかし、彼らは改善点がない限り何も変えませんので、半数が使用しているという点は、この技術に強い説得力を与えてくれました。
GOLFWRX:フィル・ミケルソンは昨年ペブルビーチで、トリプル・トラック入りのクロムソフトXを使用して優勝しました。あれは、実戦投入2試合目でしたね。トリプル・トラックの開発に彼はどのように関わったのでしょうか?
フィンリー:フィルは我々がこれを見せた最初のツアープロでした。と言うのも、我々は彼がラインを引いたボールを使っていることを知っていましたから。当初のサンプルには、ボールの片側にトリプル・トラックが刻印され、反対側は従来のサイドスタンプが刻印されていました。彼はそれについて、「僕はこれを気に入ったけど、僕はラインを使わずにパットすることもあって、ラインを使わないときは、そこに何も刻印されていて欲しくないんだ」と意見してくれました。従って、片側がブランクになっているのは、フィルの意見をそのまま採用した結果なのです。
GOLFWRX:興味深いですね。トリプル・トラックは今年初めにパターにも登場しました。今後もこの技術は広がっていくのでしょうか?
フィンリー:我々はまだ、言ってみれば初期段階にいます。今はパターも世に出ていますが、我々は色々と学んでいます。(ツアープロの)何人かにとって、(パターとボールの)両方にあるのはやり過ぎになっています。中にはボールにだけあるのが好きな選手もいれば、パターのみにあるのが好きな選手もいますし、選手によっては両方にあるのを好む場合もあります。何であれ時間を要するものですが、(ツアーで使用される)我々のボールの50%がこの技術を利用した物であるということは、これが如何に優れていて、選手たちがどれくらい自分たちのゲームの恩恵となっていると考えているかという点について、かなり強力な支援となっています。
(協力/ GolfWRX、PGATOUR.com)