PGATOURライターズ厳選・2014年ハイライト(1)マキロイのスーパー5W
2014/12/22 06:00
By Bill Cooney, PGATOUR.COM
ロリー・マキロイが「ザ・ホンダクラシック」の72ホール目で放った5Wでのセカンドショット。あの一打は私に映画「マネーボール」の場面を思い起こさせた。
いや、それが私にとってこのシーンが2014年で最も思い出深い理由ではないのだが、とにかくあれは映画のワンシーンのようだった。ドラマ。オールスターキャスト。そして濃縮されたプロット…。あのショットにはすべてが詰まっていた。
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最終ラウンドで首位から転落したマキロイは、逆転勝利を飾るためには、あのPGAナショナル(フロリダ州)のパー5でイーグルが必要だった。
アドレスすると、マキロイは最後に何度かターゲットを見据え、残りおよそ245ヤードの場所からクラブを振り抜いた。
スゥウウウーッシュ!!!
ピュアな打音。それは、前述の映画でビリー・ビーン(ブラッド・ピットが演じた主人公)がオークランド・コロシアムのクラブハウスで雷鳴のようなバッディング音を聴いたシーンを思い出させた。その刹那、ビーンは音を聴いただけで、フィクション版のスコット・ハッターバーグの放った打球がサヨナラホームランとなることを悟ったのである。
マキロイのショットもあれと同じフィーリング、そして同じサウンドがした。インパクトは心地よく、肩にクラブを乗せたまま空に舞い上がったボールを目で追っていたマキロイにもそれは分かっていた。
このショットの難易度は(10段階評価で)9.5といったところだろう。残り245ヤードで、グリーンの前方、後方、そして右サイドを池が囲っていた。彼の放ったフェードボールは、ピンそば4.5メートルに着地し、そこに止まった。
NBCの解説者、ジョニー・ミラーは、「なんてショットだ。サンドウェッジで放ったかのように落ちてきたぞ」と感嘆した。
その後、マキロイは2パットのバーディとし、結局はプレーオフでラッセル・ヘンリーに敗れている。彼は勝てなかったわけだが、私はこのショットこそがマキロイの驚くべきシーズンの幕開けになったように思えて仕方がない。
なんてショットだったんだ、まったく。