単独首位浮上もベ・サンムンに油断無し
2014/10/12 16:33
ベ・サンムンは「フライズドットコムオープン」3日目の終盤にクラッチショットを決め、2位との差を広げて最終日を迎えることになった。
パー5の16番では約5メートルのパーパットを沈めると、パー4の17番ではティショットをカップまで約2メートルのところに落としてイーグルを記録。最終ホールでも5メートルのバーディパットを決め、2位との差を4打に広げた。
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この日のベは「65」をマーク。シルバラードでの3日目を終えてトータル「200」の通算16アンダーとした。PGAツアールーキーのザカリー・ブレアが、ツアーメンバーとして迎えた初戦の3日目を終え、4打差の2位につけている。
ベは、「4打差のリードで日曜日を迎えられるのは気分が良い。でも、勝利については考えていないよ」とコメント。
ベはパー5の16番での第2打をグリーン左にあるハザードに打ち込んだが、プレー可能だった為、そのまま続行。第3打でラフに戻し、4打目でグリーンエッジにまで運ぶと、カップまで5メートル離れた位置からパーパットをねじ込み、ガッツポーズを見せた。
「バーディパットよりも大事に感じられた」とは、本人談。
続く17番で2メートルのイーグルパットを決めると、最終18番では、ティショットをフェアウェイバンカーに打ち込むも、第2打でホールまで151ヤードの位置にリカバリーさせ、ピンチを凌いだ。
ベ:「まだ終わっていない」
2位と4打差でリードしているとは言え、ベからは気の緩みは全く感じられない。
「後ろには優秀な選手たちが集まっているからね」と、ベが語ったように、マット・クーチャー、ブルックス・ケプカ、スコット・ラングレー、マーティン・レアードが5打差の3位タイにひしめいている。レティーフ・グーセン、ハンター・メイハン、松山英樹、デビッド・リングマースも、彼らと1打差と7位タイで最終日を迎える。
スコアアップが期待されるラスト3ホール
ラスト3ホールが優勝の行方を決める可能性は高い。パー5の16番と18番に加え、17番はティショットでグリーンを狙える短いパー4という構成について、ケプカはこう語る。
「ラスト3ホールで4アンダーを取る選手が出るかもしれない。十分に実現出来ると思う」。
ベとクーチャーは、17番でのティショットをホールまで約2メートル以内のところに落とした。
最終目標はプレジデンツカップ出場
ちょうど1年後に、ベの母国である韓国で2015年「プレジデンツカップ」が行われる。ベは2013年の「HP バイロンネルソン選手権」で優勝し、米ツアー初勝利を記録。アジアでは通算12勝をあげている。世界ランキングは195位だが、世界選抜ランキングでは51位にランクインしている。
新人ブレアはゴルフ一家
ザカリー・ブレアは、今年の夏までプロに転向するか迷っていた。それが功を奏したのかもしれない。彼は3週間前にPGAツアーシードを獲得し、ルーキーシーズンの初戦で優勝争いに絡む活躍を見せている。
ブレアは昨年のウェブドットコムツアーQスクールに参戦したが、成績は芳しくなく、出場出来る大会も制限された。夏の間アマチュアとしてプレーを続けることを考えた後、再びQスクールに挑戦。2014年のシーズンをアマチュア大会参戦からスタートしたブレアは、自分と同様の成績の選手がPGAツアー・ラテンアメリカに参戦しているのを知ると、キャリア初となるウェブドットコムツアー参戦前の7月、南に向かった。その後、ウェブドットコムツアーファイナルに進出すると、最初の3大会では予選落ちを経験したが、最終戦の「ウェブドットコムツアー選手権」で2位という結果を残し、PGAツアーシード権を獲得した。
「ここ4、5ヵ月はクレージーだった。でも、充実した時間だった」と語ったブレアは、「(ウェブドットコムツアーファイナル中は)1週間で全てを引っくり返せるのはわかっていた。実際にそうなったということ」と、続けた。
ブリガム・ヤング大学時代のアシスタントコーチは、シルベラードの共同オーナーであるジョニー・ミラーの息子トッド・ミラー。父ジェイムスは、PGAツアー31大会に出場した経験のある元プロゴルファーで、1984年にはシード権を獲得。「全米プロゴルフ選手権」にも6度出場して、2度予選を通過している。
頻繁に父親にアドバイスを求めるというブレアは、「父は、いつもポジティブな言葉で勇気づけてくれる」と、話した。
ドライバーが好調のクーチャーがトップ集団入り
マット・クーチャーは、昨シーズンのPGAツアー・ドライバー平均飛距離で136位だった。だが、インストラクターのクリス・オコネルの指導により、17番のティショットで291ヤードを飛ばし、カップまで約2メートルに寄せ、イーグルを記録。土曜に「66」とし、首位と5打差の3位タイにつけている。
クーチャーはドライバーの感覚について、こう語った。
「長い道のりだった。クリス・オコネルの指導を受けて、より高く、より前に飛ぶよう取り組んできた。そのおかげで(17番では)高くボールを飛ばせるようになって、バンカーを越えられた。素晴らしいドライバーショットだったよ」。
クーチャーは18番で1m弱のバーディパットを外すも、上がり3ホールで3アンダーをマーク。金曜の1番ホールでこそボギーを叩いたが、それから35ホール連続してボギーフリーとしている。
「優勝争いが出来ているとゴルフが面白くなるし、エキサイティングになる」と、クーチャー。
クーチャーは、「フライズドットコムオープン」に出場している4人の2014「ライダーカップ」アメリカ代表の1人。その他3選手の成績は以下:
・ハンター・メイハン:トータル「206」の通算10アンダーで7位タイ(70-68-68)
・リー・ウェストウッド:トータル「211」の通算5アンダーで29位タイ(73-69-69)
・ジミー・ウォーカー:トータル「214」の通算2アンダーで54位タイ(75-66-73)
グーセンはセッティング変更で好スコアを記録
レティーフ・グーセンは、金曜の夜、スイングに若干の調整を施し、それが「フライズドットコムオープン」3日目の好結果に繋がった。18ホール中16ホールでパーオンに成功すると、「66」の6アンダーとし、トータル「206」の通算10アンダーで、首位のベと6打差の7位タイに浮上した。
グーセンは、「背中が少し曲がった状態で打っていたので、少しでも良いポジションを取れるよう変更を加えた。そうしたら突然良いショットが打てるようになった。コースに出ると上手くいかないことが多いけれど、今日は良い感じだった」と、3日目を振り返った。
昨シーズンのグーセンは26大会に出場し、2大会でのみトップ10フィニッシュを記録。ツアー7勝目となった2009年の「トランジションズ選手権(現バルスパー選手権)」以降、優勝から遠ざかっている。